1967年
今大会で野球部を解散する立正佼成会は、最後の日が次第に近づいてくる。「せっかくなれてきた時だけに、去るのは実に寂しいんです。それだけになんとしてもこの大会は優勝したい」佼成会全ナインのチームに対する愛着と執念が、決勝のホームランを左翼ポールぎわに運ばせたと岩崎はいった。そのホームランも、消えかかる佼成会を懸命にささえるかのように、きわどく飛んでいった。「相手があんまり強くファウルと抗議するんでいやになっちゃった。昨年のオープン戦でも、あのような当たりをファウルにされてしまって残念な思いをしたことがあるんです」絶対に切れなかったの自身も話すたびに憤然とした口調になっていった。名門作新学院時代は二年生で一番を打ち、甲子園の土を踏んでいる。佼成会に入ってもすぐ一番打者。しかし1㍍73の体にしては本塁打が意外に多い。今夏の都市対抗予選でもサッポロ、リッカー戦でいずれも本塁打を放って本大会出場の立役者になった。「夏は土屋さんに押えられているからそれだけにきょうの本塁打はうれしかった。内角直球だと思いますが、思い切って振りました」にきびが顔一面に吹き出てまだ童顔だ。すでに河合楽器に入社が決定している。「河合楽器には、東都で首位打者を取った佐野さんが入るそうですから一生懸命やらないとレギュラーにはなれないでしょうね」と新天地に意欲を燃やしている。佼成会は岩崎の貴重な一打で準決勝に進んだ。有終の美をかざろうとする佼成会ナインは、岩崎の根性に代表されるように勝つことに目を色をかえている。1㍍73、68㌔、右投げ、右打ち。佼成会庶務課勤務、二十才。作新学院出身、背番号16。
今大会で野球部を解散する立正佼成会は、最後の日が次第に近づいてくる。「せっかくなれてきた時だけに、去るのは実に寂しいんです。それだけになんとしてもこの大会は優勝したい」佼成会全ナインのチームに対する愛着と執念が、決勝のホームランを左翼ポールぎわに運ばせたと岩崎はいった。そのホームランも、消えかかる佼成会を懸命にささえるかのように、きわどく飛んでいった。「相手があんまり強くファウルと抗議するんでいやになっちゃった。昨年のオープン戦でも、あのような当たりをファウルにされてしまって残念な思いをしたことがあるんです」絶対に切れなかったの自身も話すたびに憤然とした口調になっていった。名門作新学院時代は二年生で一番を打ち、甲子園の土を踏んでいる。佼成会に入ってもすぐ一番打者。しかし1㍍73の体にしては本塁打が意外に多い。今夏の都市対抗予選でもサッポロ、リッカー戦でいずれも本塁打を放って本大会出場の立役者になった。「夏は土屋さんに押えられているからそれだけにきょうの本塁打はうれしかった。内角直球だと思いますが、思い切って振りました」にきびが顔一面に吹き出てまだ童顔だ。すでに河合楽器に入社が決定している。「河合楽器には、東都で首位打者を取った佐野さんが入るそうですから一生懸命やらないとレギュラーにはなれないでしょうね」と新天地に意欲を燃やしている。佼成会は岩崎の貴重な一打で準決勝に進んだ。有終の美をかざろうとする佼成会ナインは、岩崎の根性に代表されるように勝つことに目を色をかえている。1㍍73、68㌔、右投げ、右打ち。佼成会庶務課勤務、二十才。作新学院出身、背番号16。