シリーズ平成の本音 笑える映像―8
12月16日の衆院選での自民党の大勝を受け、安倍同党総裁が26日の特別国会で首相に指名され、第二次安倍内閣が発足する流れとなっている。
安倍総裁は、既に2%のインフレ・ターゲットの導入、円高是正などによるデフレからの脱却や10兆円規模の補正予算などによる景気対策を打ち出している。これに関連し、マスコミから入閣予想が報じられている。
保守系マスコミにおいてはほぼ確定として、麻生太郎元首相が副首相兼財務相として安倍首相と並んで報じられている。笑ってしまう。というより失笑してします。
安倍総裁は、小泉政権から政権を受け継ぎ、党内の長老抵抗勢力の強い抵抗を受けながら頑張ったが、健康問題により1年で政権を去った。麻生太郎議員は、福田元首相を挟んで長老抵抗勢力の支援を受けて政権についたものの、その横風な物言いと誤字、失言はともかくとしても、政権につくと直ちに、今後3年間は「景気対策を優先する」とし、公明党と共に財政出動のために国債発行など借金に頼ることを容認する姿勢を示し、小泉改革路線を事実上変更した。
予算編成においても、小泉政権以降の改革路線においては、国債発行を30兆円に抑え、また、2011年度までに基礎的財政収支の均衡(プライマリー・バランス)を達成することなど、「財政規律」を重んじる政策が取られ、それなりに安倍、福田両政権へと引き継がれ、麻生政権に引き継がれるものと見られていた。しかし麻生政権は、「景気対策優先」の下で、国債発行を40兆円超に引き上げ、また消費税増税まで持ち出し放漫財政に転換し、改革路線が頓挫したこと等から、国民の信を失い、2009年8月の総選挙で大敗した。
安倍、麻生両議員が正副首相、或いは首相と行財政改革の要となる財務相として閣内で顔を並べることは、1年で首相の座を去った2人が顔を揃えて返り咲いた敗者復活戦的なイメージが強くなり過ぎて、将来への期待感を削ぐばかりではなく、思わず失笑してしまう。新生安倍政権としては、民主党に惨敗した当時の自民党を思い浮かばせ、イメージダウンとなろう。
安倍新体制の下で、「景気対策を優先する」、景気対策として10兆円規模の補正予算を組むなどが示されており、この姿勢においても旧麻生政権と非常に酷似しており、新政権が同じような政策と取る場合には国民から愛想をつかれる可能性は十分にありそうだ。安全保障問題でも、安倍総裁は海外メデイアにおいてタカ派と評されているが、麻生元首相についても、当時ニューヨーク・タイミズ紙が、良く知られた国粋主義者であり、外相時代に中・韓等のアジアの隣国と軋轢を起こしたと指摘されるなど、両者は似たような評価を受けているので、この両者が閣内で顔を並べることは安全保障問題等でも不必要な反響を呼ぶ可能性がある。(12.12.22.)
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
12月16日の衆院選での自民党の大勝を受け、安倍同党総裁が26日の特別国会で首相に指名され、第二次安倍内閣が発足する流れとなっている。
安倍総裁は、既に2%のインフレ・ターゲットの導入、円高是正などによるデフレからの脱却や10兆円規模の補正予算などによる景気対策を打ち出している。これに関連し、マスコミから入閣予想が報じられている。
保守系マスコミにおいてはほぼ確定として、麻生太郎元首相が副首相兼財務相として安倍首相と並んで報じられている。笑ってしまう。というより失笑してします。
安倍総裁は、小泉政権から政権を受け継ぎ、党内の長老抵抗勢力の強い抵抗を受けながら頑張ったが、健康問題により1年で政権を去った。麻生太郎議員は、福田元首相を挟んで長老抵抗勢力の支援を受けて政権についたものの、その横風な物言いと誤字、失言はともかくとしても、政権につくと直ちに、今後3年間は「景気対策を優先する」とし、公明党と共に財政出動のために国債発行など借金に頼ることを容認する姿勢を示し、小泉改革路線を事実上変更した。
予算編成においても、小泉政権以降の改革路線においては、国債発行を30兆円に抑え、また、2011年度までに基礎的財政収支の均衡(プライマリー・バランス)を達成することなど、「財政規律」を重んじる政策が取られ、それなりに安倍、福田両政権へと引き継がれ、麻生政権に引き継がれるものと見られていた。しかし麻生政権は、「景気対策優先」の下で、国債発行を40兆円超に引き上げ、また消費税増税まで持ち出し放漫財政に転換し、改革路線が頓挫したこと等から、国民の信を失い、2009年8月の総選挙で大敗した。
安倍、麻生両議員が正副首相、或いは首相と行財政改革の要となる財務相として閣内で顔を並べることは、1年で首相の座を去った2人が顔を揃えて返り咲いた敗者復活戦的なイメージが強くなり過ぎて、将来への期待感を削ぐばかりではなく、思わず失笑してしまう。新生安倍政権としては、民主党に惨敗した当時の自民党を思い浮かばせ、イメージダウンとなろう。
安倍新体制の下で、「景気対策を優先する」、景気対策として10兆円規模の補正予算を組むなどが示されており、この姿勢においても旧麻生政権と非常に酷似しており、新政権が同じような政策と取る場合には国民から愛想をつかれる可能性は十分にありそうだ。安全保障問題でも、安倍総裁は海外メデイアにおいてタカ派と評されているが、麻生元首相についても、当時ニューヨーク・タイミズ紙が、良く知られた国粋主義者であり、外相時代に中・韓等のアジアの隣国と軋轢を起こしたと指摘されるなど、両者は似たような評価を受けているので、この両者が閣内で顔を並べることは安全保障問題等でも不必要な反響を呼ぶ可能性がある。(12.12.22.)
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)