シリーズ本音トークーコロナウイルス大不況、自・公政権備え無し!
中国武漢で広がった新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)は、世界に広がり、世界保健機関(WHO)は、3月11日、世界的伝染病(パンデミック)と宣言した。米国やイタリアはじめ多くの国が、渡航制限や大規模なイベントの自粛を求めると共に、「非常事態宣言」を発するなど、広範囲に亘る移動や活動の制限を行い防疫に努める一方で、米国は経済停滞への対応として3月3日の0.5%の緊急利下げに貸出金利を更に1%引き下げ、更に2.2兆ドル規模の経済対策を打ち出すなど、経済停滞への措置を執り、コロナウイルス大不況回避に向けての対応をとり始めている。
この中で、3月16日、先進主要7カ国首脳によるテレビ会議が開催され、新型コロナウイルスに一致、協力して立ち向かうと共に、経済的影響を回避するため、各国が「あらゆる政策手段をとって対応する」ことが合意された。
しかし日本政府、日銀に政策手段として何が残されているのか。
1、 経済・社会困難への備えを怠った自・公政権
「あらゆる政策手段をとる」と言っても、日本政府はGDPの2年分相当の
1,100兆円以上の膨大な公的債務を抱えている上、2009年以来10年以上実質0金利が続いており、現在ではマイナス金利となっているので、政策手段が限られている。
安倍自・公政権は2013年の政権発足後、財政赤字が積み増され1,100兆円を超える膨大な公的債務を抱える中で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2025年度に黒字化するとしていたが、これを27年度に先送りした。これは安倍政権では事実上断念したことを意味する。財政健全化どころか、選挙になると地域振興券や商品券をばらまくなど、予算の大盤振る舞いをし、公的債務が更に膨れ上がっている。
EUも赤字公債の発行による経済対策を検討中であるが、日本とはおよそ規模が違う。EUにおいては、原則として一般政府財政赤字をGDPの3%以内、一般政府債務残高をGDPの60%以内に維持するとの財政規律を維持してきており、コロナウイルス大不況回避のため、それを緩和する方向で見直している。日本の公的債務は、既にGDPの200%内外となっている。借金漬けの状態だ。
また金融政策においては、2013年より「異次元の金融緩和策」を継続しており、既に金自体は多量に出回っている上、10年以上続いていた実質ゼロ金利はマイナス金利となっているので、信用供給面でも金利面でも手が縛られている状況だ。マイナス金利を更に下げれば、市中銀行の経営を更に圧迫すると共に、預金者は他のウエッブ金融手段などに向かうだろう。残された手段は、「異次元の金融緩和策」で市場に信用がだぶだぶついているのに、更に信用を供給し続けることしかない。消費、生産活動双方が停滞し、民間投資も手控えられる状況で、市場にだぶだぶと信用を供給しても、株式市場は空元気を保てるかも知れないが、実体経済は動かない。
自・公政権が発足して7年、財政・金融政策全般が豊満な拡張路線でマンネリ化し、財政、金融の健全化を段階的に行わず、経済困難に陥った時の準備を怠っていたと言えよう。
2、赤字国債増発で大盤振る舞いは後生世代への負担のつけ回し!
政権与党は、国民に現金給付をするとか、商品券を給付するとか言っているが、当面赤字国債による借金で国民に金をばらまき、一時的、限定的な消費効果を期待しているようだ。現金や商品券を頂けるなら多くの人は積極的には反対しないだろうが、所詮それは政府の借金であり、そのつけは徴税という形で後生世代に回される。「政府の金」などはない。全て国民の税金なので、現金や金券を配られても政府に感謝する必要は無い。
いずれ国民への徴税となり、国民の負担になる政府に託された貴重な資金であるので、その使途は、的を絞って行われるべきであり、可能な限り厳正、公正に、予想される被害に焦点を当てて決められるべきであろう。ばらまきは、選挙目当ての官製利益誘導に近く、適正でない。
コロナウイルス禍への最大の重点は、検査体制の迅速な拡充と新薬やワクチン開発を含む医療体制の整備であろう。検査をした上で、治療方法や病院を振り分けるべきであろう。検査をしないで、症状のない保菌者を放置すれば感染は止まらない。
経済的な支援を必要とするのは、職業が安定していない人や解雇される人であり、企業・団体では中小零細企業・団体や観光・飲食・娯楽などの分野で、コロナウイルス禍で著しく影響、被害を受けるものを中心として、対象、焦点を絞ることが望まれる。(2020.3.29.)
中国武漢で広がった新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)は、世界に広がり、世界保健機関(WHO)は、3月11日、世界的伝染病(パンデミック)と宣言した。米国やイタリアはじめ多くの国が、渡航制限や大規模なイベントの自粛を求めると共に、「非常事態宣言」を発するなど、広範囲に亘る移動や活動の制限を行い防疫に努める一方で、米国は経済停滞への対応として3月3日の0.5%の緊急利下げに貸出金利を更に1%引き下げ、更に2.2兆ドル規模の経済対策を打ち出すなど、経済停滞への措置を執り、コロナウイルス大不況回避に向けての対応をとり始めている。
この中で、3月16日、先進主要7カ国首脳によるテレビ会議が開催され、新型コロナウイルスに一致、協力して立ち向かうと共に、経済的影響を回避するため、各国が「あらゆる政策手段をとって対応する」ことが合意された。
しかし日本政府、日銀に政策手段として何が残されているのか。
1、 経済・社会困難への備えを怠った自・公政権
「あらゆる政策手段をとる」と言っても、日本政府はGDPの2年分相当の
1,100兆円以上の膨大な公的債務を抱えている上、2009年以来10年以上実質0金利が続いており、現在ではマイナス金利となっているので、政策手段が限られている。
安倍自・公政権は2013年の政権発足後、財政赤字が積み増され1,100兆円を超える膨大な公的債務を抱える中で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2025年度に黒字化するとしていたが、これを27年度に先送りした。これは安倍政権では事実上断念したことを意味する。財政健全化どころか、選挙になると地域振興券や商品券をばらまくなど、予算の大盤振る舞いをし、公的債務が更に膨れ上がっている。
EUも赤字公債の発行による経済対策を検討中であるが、日本とはおよそ規模が違う。EUにおいては、原則として一般政府財政赤字をGDPの3%以内、一般政府債務残高をGDPの60%以内に維持するとの財政規律を維持してきており、コロナウイルス大不況回避のため、それを緩和する方向で見直している。日本の公的債務は、既にGDPの200%内外となっている。借金漬けの状態だ。
また金融政策においては、2013年より「異次元の金融緩和策」を継続しており、既に金自体は多量に出回っている上、10年以上続いていた実質ゼロ金利はマイナス金利となっているので、信用供給面でも金利面でも手が縛られている状況だ。マイナス金利を更に下げれば、市中銀行の経営を更に圧迫すると共に、預金者は他のウエッブ金融手段などに向かうだろう。残された手段は、「異次元の金融緩和策」で市場に信用がだぶだぶついているのに、更に信用を供給し続けることしかない。消費、生産活動双方が停滞し、民間投資も手控えられる状況で、市場にだぶだぶと信用を供給しても、株式市場は空元気を保てるかも知れないが、実体経済は動かない。
自・公政権が発足して7年、財政・金融政策全般が豊満な拡張路線でマンネリ化し、財政、金融の健全化を段階的に行わず、経済困難に陥った時の準備を怠っていたと言えよう。
2、赤字国債増発で大盤振る舞いは後生世代への負担のつけ回し!
政権与党は、国民に現金給付をするとか、商品券を給付するとか言っているが、当面赤字国債による借金で国民に金をばらまき、一時的、限定的な消費効果を期待しているようだ。現金や商品券を頂けるなら多くの人は積極的には反対しないだろうが、所詮それは政府の借金であり、そのつけは徴税という形で後生世代に回される。「政府の金」などはない。全て国民の税金なので、現金や金券を配られても政府に感謝する必要は無い。
いずれ国民への徴税となり、国民の負担になる政府に託された貴重な資金であるので、その使途は、的を絞って行われるべきであり、可能な限り厳正、公正に、予想される被害に焦点を当てて決められるべきであろう。ばらまきは、選挙目当ての官製利益誘導に近く、適正でない。
コロナウイルス禍への最大の重点は、検査体制の迅速な拡充と新薬やワクチン開発を含む医療体制の整備であろう。検査をした上で、治療方法や病院を振り分けるべきであろう。検査をしないで、症状のない保菌者を放置すれば感染は止まらない。
経済的な支援を必要とするのは、職業が安定していない人や解雇される人であり、企業・団体では中小零細企業・団体や観光・飲食・娯楽などの分野で、コロナウイルス禍で著しく影響、被害を受けるものを中心として、対象、焦点を絞ることが望まれる。(2020.3.29.)