平成の本音―安倍政権の疑惑突破解散!
安倍首相は、野党より開催要請があった臨時国会の冒頭(9月28日)で審議をすることもなく、解散する意向を明らかにした。
同首相は、8月3日に内閣改造を行い、加計学園問題と防衛省日報問題で矢面に立たされた松野文科相と稲田防衛相、更に共謀罪法で迷走した金田法相を外し、加計学園問題で首相の関与、指示を否定し続けた萩生田官房副長官などを外した。その際の記者会見において、これらも問題、疑惑について‘丁寧に説明して行きたい’などと述べていたにも拘わらず、野党より要請があった臨時国会においても、審議逃れをするという、いわば最後っ屁とも見られる解散に出たと見られても仕方がなさそうだ。
安倍政権は、8月の内閣改造では‘仕事士内閣’と口では言っていたが、夏休みが過ぎると、全く仕事をしないうちに解散となり、仕事しない内閣という評価が定着している。
安倍内閣は、2012年12月の総選挙以来、4年半の自民、公明連立政権において3度の解散、総選挙をすることになり、都合が悪いと解散し、一部支持層には耳障りの良い提案などをして国民を引き付け、政権を維持して来た。その間、危機や脅威を煽りつつ、安保法制や共謀罪法など自衛隊の武力行使の範囲の拡大や警察の捜査権限の拡大などを強引に進め、権力の強化を図る一方、国民に飴を見せて関心を引き、解散、総選挙をたびたび実施して、権力の座を維持するという手法をとっている。このような方法で独裁者が作られていくのかと思わせるところであり、非常に危険な政治手法と言えよう。
そもそも自民、公明連立政権は、言葉では国民に期待を持たせ、3分の2の多数を維持し、なんでも実現できる状況でありながら、国民に対する約束をほとんど守っていない。安倍首相は、野党自民党の総裁時代に国会で‘税と社会福祉制度の一体改革’を約束した。しかし政権をとると、8%への消費増税を実施したものの、国民の期待と真逆の方向に向かっている。年金支給の減額と後退、そして介護保険を含む医療負担の増額だ。国民は、消費増税により、社会福祉の向上、改善を期待した。しかし自・公連立政権の下で、社会福祉は受益者にとっては改悪された。だから国民は、年代を問わず、生活防衛のために徹底して節約する以外にはない。預金をしても金利機会は、2009年以来既に8年間も奪われている。‘税と社会福祉制度の一体改革’は民主党政権時代に提唱されたものだが、自・公政権では名ばかりで、受益者利益には繋がっておらず、その真逆の結果となっている。
アベノミクスは、輸出、観光産業など、局部的には若干改善しているが、実態は、通貨の大量供給による円安誘導と米国経済の回復が主要因であり、規制改革や法人税の減税などは、口先ばかりで、意味のある大胆な施策ほとんど実施されていない。
膨大な公的借金を抱えていながら、行政改革は全く行われていない。安倍政権で直ちに実施されたことは、公務員給与と議員報酬の回復でしかない。議員定数の削減は若干行われているが、裁判所が憲法違反とするぎりぎりのラインで、抜本策は何ら実施されていない。
森友学園問題、加計学園問題と防衛省日報問題では、首相や閣僚が事実を語らず、その上官邸の人事権を背景として、官僚幹部は嘘をつき、記憶を失い、公文書の隠ぺい、廃棄を行わざるを得ない状況になっている。この3つの問題で起きていることは、行政組織、公務員管理職等の基本的な倫理、内部統制にかかわることであり、短期的な問題ではない。このままでは、時の政権を擁護するために嘘をつき、関係資料やデータを隠し、廃棄することが容認されてしまう。口先でもっともらしことを語っても、嘘っぽく聞こえる。行政への信頼を著しく失わせており、その意味で戦後最低、最悪の政権と言えよう。
今度の総選挙で自・公連立政権側に票を与えることは、内閣が嘘をつき、そして官僚が嘘をついたり、公的文書を隠ぺい、廃棄等することを承認することにも繋がることに、有権者は危機意識を持って臨む必要があろう。
安倍首相は、9月25日の記者会見で、28日の臨時国会冒頭で衆院を解散することを明らかにした。どれ一つとして、解散する大義にはならない。生産性革命や働き方革命など、また口先だけであろうが、今解散しなくてもいずれも出来ることだ。
今回解散理由として表明された中で国民の信が問われなくてはならないことが鮮明になった。
(1)まず首相は、2018年10月に10%への消費税の再々増税を実施することを明らかにした。国民負担の更なる増加だ。国民は、中途半端にしか景気回復しておらず、消費が低迷している中で、これを良しとするのか。
(2)また消費税は社会福祉の改善に充てられることになっているが、首相は、再々増税分の使途を変更したいとした。増税分の10%は増え続けている膨大な国の借金の返済に充てられることになっているが、これを止め、幼児教育の無償化など子育て支援に充てたい旨提案した。選挙を前にして約2兆円の大盤振る舞いだ。
しかし騙されてはいけない。日本の公的借金は既に1,060兆円超、国民総生産の2年分以上になっており、そのため毎年多額の利子支払いを強いられている状態だ。安倍政権は、2020年までの財政健全化を目標として示していたが、この方針をまたまた先送った上、子育て支援などとして大盤振る舞いをして、国の借金や利子支払いを更に増やそうとしている。国民は、その子供達が育った頃の負担となることを認識すべきであろう。目先では利益を得る人がいるだろうが、将来大きな負担を強いられ苦労をするのは若い世代とその次世代だ。
更に、社会福祉費は年金、医療、介護などで、10%に消費増税をしても赤字となり、年金を含む福祉サービスの削減か負担の増加が不可避な状況であることは明らかであるのに、新たに社会福祉費を増やすのか。待っているのは、国民負担の増加でしかないことを認識すべきであろう。
(3)首相は、総選挙の理由として、北朝鮮の脅威を挙げ、‘圧力を強化して、北朝鮮に政策を変更させる’とし、その姿勢につき国民に信を問い、団結して当たるとしている。多くの国民にとっては、それなら何故国会を解散するのか意味が分からない。
そもそも‘圧力を強化して、北朝鮮に政策を変更させる’としているが、首相がそれを強く言えば言うほど北朝鮮は反発するだろう。朝鮮戦争は、現在休戦状態であるが、米・韓両国と北朝鮮は現在でも敵対関係にある。日本は、朝鮮戦争の当事者ではないので、日本国民の安全のためにも、それに首を突っ込む必要はない。しかし安倍政権の度重なる強硬発言と米国との同盟強化から、北朝鮮は、日本列島全体をターゲットとし、‘核兵器で沈める’と言い始めている。日本全体が北朝鮮の核のターゲットとされたのは今回が初めてであり、日本の安全にとっては、最悪のシナリオだ。
北朝鮮は、日本が何を言おうと、核、ミサイル開発、実戦配備の政策を変えることはないだろう。経済制裁の強化をしても、少なくても数年は係属できるであろう。ロシアのプーチン大統領は、‘北朝鮮は草を食べても開発を続けるだろう’としている。その通りであろう。
では、安倍首相、及びそれを擁護する自民、公明両党は、圧力で北が政策を変えなかったらどうするというのか。防衛目的として、自衛隊による北朝鮮の軍事施設等の攻撃をも可能にするのか。日本自体が核武装するというのか。
安倍首相の下で自・公両党を選挙で勝たせ、再び政権につかせることは非常に危険であろう。安倍政権は、選挙で勝ったことを前面に出し、ますます独裁化し、これまで以上に憲法を軽視し、権力を強化し、強硬手段を打ち出す可能性がある。国民は、目先の甘い水に再び騙されてはならないようだ。(2017.9.26.)
安倍首相は、野党より開催要請があった臨時国会の冒頭(9月28日)で審議をすることもなく、解散する意向を明らかにした。
同首相は、8月3日に内閣改造を行い、加計学園問題と防衛省日報問題で矢面に立たされた松野文科相と稲田防衛相、更に共謀罪法で迷走した金田法相を外し、加計学園問題で首相の関与、指示を否定し続けた萩生田官房副長官などを外した。その際の記者会見において、これらも問題、疑惑について‘丁寧に説明して行きたい’などと述べていたにも拘わらず、野党より要請があった臨時国会においても、審議逃れをするという、いわば最後っ屁とも見られる解散に出たと見られても仕方がなさそうだ。
安倍政権は、8月の内閣改造では‘仕事士内閣’と口では言っていたが、夏休みが過ぎると、全く仕事をしないうちに解散となり、仕事しない内閣という評価が定着している。
安倍内閣は、2012年12月の総選挙以来、4年半の自民、公明連立政権において3度の解散、総選挙をすることになり、都合が悪いと解散し、一部支持層には耳障りの良い提案などをして国民を引き付け、政権を維持して来た。その間、危機や脅威を煽りつつ、安保法制や共謀罪法など自衛隊の武力行使の範囲の拡大や警察の捜査権限の拡大などを強引に進め、権力の強化を図る一方、国民に飴を見せて関心を引き、解散、総選挙をたびたび実施して、権力の座を維持するという手法をとっている。このような方法で独裁者が作られていくのかと思わせるところであり、非常に危険な政治手法と言えよう。
そもそも自民、公明連立政権は、言葉では国民に期待を持たせ、3分の2の多数を維持し、なんでも実現できる状況でありながら、国民に対する約束をほとんど守っていない。安倍首相は、野党自民党の総裁時代に国会で‘税と社会福祉制度の一体改革’を約束した。しかし政権をとると、8%への消費増税を実施したものの、国民の期待と真逆の方向に向かっている。年金支給の減額と後退、そして介護保険を含む医療負担の増額だ。国民は、消費増税により、社会福祉の向上、改善を期待した。しかし自・公連立政権の下で、社会福祉は受益者にとっては改悪された。だから国民は、年代を問わず、生活防衛のために徹底して節約する以外にはない。預金をしても金利機会は、2009年以来既に8年間も奪われている。‘税と社会福祉制度の一体改革’は民主党政権時代に提唱されたものだが、自・公政権では名ばかりで、受益者利益には繋がっておらず、その真逆の結果となっている。
アベノミクスは、輸出、観光産業など、局部的には若干改善しているが、実態は、通貨の大量供給による円安誘導と米国経済の回復が主要因であり、規制改革や法人税の減税などは、口先ばかりで、意味のある大胆な施策ほとんど実施されていない。
膨大な公的借金を抱えていながら、行政改革は全く行われていない。安倍政権で直ちに実施されたことは、公務員給与と議員報酬の回復でしかない。議員定数の削減は若干行われているが、裁判所が憲法違反とするぎりぎりのラインで、抜本策は何ら実施されていない。
森友学園問題、加計学園問題と防衛省日報問題では、首相や閣僚が事実を語らず、その上官邸の人事権を背景として、官僚幹部は嘘をつき、記憶を失い、公文書の隠ぺい、廃棄を行わざるを得ない状況になっている。この3つの問題で起きていることは、行政組織、公務員管理職等の基本的な倫理、内部統制にかかわることであり、短期的な問題ではない。このままでは、時の政権を擁護するために嘘をつき、関係資料やデータを隠し、廃棄することが容認されてしまう。口先でもっともらしことを語っても、嘘っぽく聞こえる。行政への信頼を著しく失わせており、その意味で戦後最低、最悪の政権と言えよう。
今度の総選挙で自・公連立政権側に票を与えることは、内閣が嘘をつき、そして官僚が嘘をついたり、公的文書を隠ぺい、廃棄等することを承認することにも繋がることに、有権者は危機意識を持って臨む必要があろう。
安倍首相は、9月25日の記者会見で、28日の臨時国会冒頭で衆院を解散することを明らかにした。どれ一つとして、解散する大義にはならない。生産性革命や働き方革命など、また口先だけであろうが、今解散しなくてもいずれも出来ることだ。
今回解散理由として表明された中で国民の信が問われなくてはならないことが鮮明になった。
(1)まず首相は、2018年10月に10%への消費税の再々増税を実施することを明らかにした。国民負担の更なる増加だ。国民は、中途半端にしか景気回復しておらず、消費が低迷している中で、これを良しとするのか。
(2)また消費税は社会福祉の改善に充てられることになっているが、首相は、再々増税分の使途を変更したいとした。増税分の10%は増え続けている膨大な国の借金の返済に充てられることになっているが、これを止め、幼児教育の無償化など子育て支援に充てたい旨提案した。選挙を前にして約2兆円の大盤振る舞いだ。
しかし騙されてはいけない。日本の公的借金は既に1,060兆円超、国民総生産の2年分以上になっており、そのため毎年多額の利子支払いを強いられている状態だ。安倍政権は、2020年までの財政健全化を目標として示していたが、この方針をまたまた先送った上、子育て支援などとして大盤振る舞いをして、国の借金や利子支払いを更に増やそうとしている。国民は、その子供達が育った頃の負担となることを認識すべきであろう。目先では利益を得る人がいるだろうが、将来大きな負担を強いられ苦労をするのは若い世代とその次世代だ。
更に、社会福祉費は年金、医療、介護などで、10%に消費増税をしても赤字となり、年金を含む福祉サービスの削減か負担の増加が不可避な状況であることは明らかであるのに、新たに社会福祉費を増やすのか。待っているのは、国民負担の増加でしかないことを認識すべきであろう。
(3)首相は、総選挙の理由として、北朝鮮の脅威を挙げ、‘圧力を強化して、北朝鮮に政策を変更させる’とし、その姿勢につき国民に信を問い、団結して当たるとしている。多くの国民にとっては、それなら何故国会を解散するのか意味が分からない。
そもそも‘圧力を強化して、北朝鮮に政策を変更させる’としているが、首相がそれを強く言えば言うほど北朝鮮は反発するだろう。朝鮮戦争は、現在休戦状態であるが、米・韓両国と北朝鮮は現在でも敵対関係にある。日本は、朝鮮戦争の当事者ではないので、日本国民の安全のためにも、それに首を突っ込む必要はない。しかし安倍政権の度重なる強硬発言と米国との同盟強化から、北朝鮮は、日本列島全体をターゲットとし、‘核兵器で沈める’と言い始めている。日本全体が北朝鮮の核のターゲットとされたのは今回が初めてであり、日本の安全にとっては、最悪のシナリオだ。
北朝鮮は、日本が何を言おうと、核、ミサイル開発、実戦配備の政策を変えることはないだろう。経済制裁の強化をしても、少なくても数年は係属できるであろう。ロシアのプーチン大統領は、‘北朝鮮は草を食べても開発を続けるだろう’としている。その通りであろう。
では、安倍首相、及びそれを擁護する自民、公明両党は、圧力で北が政策を変えなかったらどうするというのか。防衛目的として、自衛隊による北朝鮮の軍事施設等の攻撃をも可能にするのか。日本自体が核武装するというのか。
安倍首相の下で自・公両党を選挙で勝たせ、再び政権につかせることは非常に危険であろう。安倍政権は、選挙で勝ったことを前面に出し、ますます独裁化し、これまで以上に憲法を軽視し、権力を強化し、強硬手段を打ち出す可能性がある。国民は、目先の甘い水に再び騙されてはならないようだ。(2017.9.26.)