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亢進症な生活

甲状腺機能亢進症(バセドウ病あらため甲状腺ホルモン不応症)と膠原病(SLE&シェーグレン)を併発した働き者。のんびりと♪

遺伝学的検査に関するガイドラインってあるらしい

2009-09-11 | 先生&病院譚
ちょっとバテてきたかも…と思いながら、やることがいろいろ。いつもフォローしてくれる人たちも不在で、日ごろ、いっぱいサポートしてくれてるんだなぁと思いながら頑張りました♪

ベルリンの陸上世界選手権の、女子800メートルで優勝した18歳の選手が、男性ではないかという指摘があったようですが、今日、オーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルド(電子版)が、両性具有であったと報じられましたね。
国際陸連では、選手の金メダルは剥奪せず、2位の選手にも金メダルを与える方向で、調整されているようです。

この選手は、優勝しなければ、この事実を死ぬまで知ることはなかったかもしれません。この方にとって、知りたかった事実なのだろうか…と想像して、「知る権利」ということで、ふと遺伝子検査のことを思い出していました。

わたしも甲状腺ホルモン不応症の検査のために遺伝子の検査をしましたが、最近は、いろんな場面で遺伝子検査を受けたという話を聞くことが増えました。この10年で技術が飛躍的に発達したと言います。
でも、遺伝子のことは、患者にとっては、かなり逃げ場が少ないもので、家族や親族など周りの人にも影響が与えるものです。臨床的に必須の検査項目でない場合には検査するかどうか、時間をかけて考えるのもいいなと思うようになりました。

わたし自身の遺伝子の検査のことを振り返ってみると、
「カウンセリングがあるから利用すると、いろいろ納得して検査ができるかもしれないから、いつでも言ってね」
「この検査で、確定診断ができるかもしれないけれど、治療法が変わるわけではないんだけれど。」
「採血したあとでも、検査が進んだあとでも、やっぱり止めますっていいからね。」
「検査の結果が出たけど、知りたい?」
と、何度も聞かされてました、そういえば。
あまり意識をしなかったけれど、こういう細かい一言一言の積み重ねって、大事なのかもしれません。

京都大学の「いでんネット(臨床遺伝医学情報網)」には、
ヒトGermline遺伝子・染色体検査オンラインデータベース遺伝相談施設(カウンセラー)情報が提供されています。

遺伝医学・遺伝医療に関するガイドラインは、臨床で遺伝子診断にかかわる先生には、ぜったい読んで欲しい1つ。

なかでも、2003年8月に日本遺伝カウンセリング学会日本遺伝子診療学会日本産科婦人科学会日本小児遺伝学会日本人類遺伝学会日本先天異常学会日本先天代謝異常学会日本マススクリーニング学会日本臨床検査医学会家族性腫瘍研究会という、遺伝医学関連10学会がまとめた遺伝学的検査に関するガイドラインは、必読です!

たくさんのことが書かれていますが、たとえば…

・カウンセリングを含めた、総合ケアが必要で、検査後のケアも用意する
・分析的・臨床的妥当性、有用性がない場合は遺伝子検査をすべきでない
・想定される利益と不利益をきちんと説明し、理解を得なければならない
・検査を受けるかどうかは、受ける人が自由意志で決められることをよく伝えなければならない
 検査を受けないという選択が可能であること、検査を途中で中止していいことを伝えること
・治療法・予防法が確立されていない場合は、研究目的であることを伝えるべき
・未成年の場合は、将来の自由意思の保護という観点から、すぐに治療・予防ができる場合や緊急の場合以外、成人するまで待つべき
・検査の結果についても、「知る権利」「知らないでいる権利」があることを伝えなければならない

など、患者さんのお話を聞きながら、議論されたらいいのにと思ったことが、何年も前にすでに書かれてる~!と、びっくりしました。

もうひとつ、日本遺伝カウンセリング学会では、 学術集会における症例報告を含む研究発表に際しての個人情報保護の考え方について、患者の住所や診療科も必要がない場合、出さない、というようなガイドが出ています。論文のタイトルや概要(アブストラクト)は、一般の人でも検索できてしまう時代だけに、ほんとに大事なことですね。希少病の場合、すぐわかっちゃいそうですし。

臨床の先生の間で、問題意識が広がってくれるといいなぁ。

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2 Comments(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (おおがきなおこ)
2009-09-12 01:38:33
自分のことをいわれているような気がしました。

家族で遺伝子検査を受けるに当たって、私も該当する家族も「将来のためになるなら、自分の体がどんなことになっているか知りたい。」と非常に協力的だったからこそ、自分の病気の研究が進んだのかな?とは思います。でも、そういう家族は極稀ではないでしょうか。
研究目的であること、どこまで知りたいかということ、何度も何度も聞かれました。結果によっては治療法や経過観察の状況が変わるかもしれないということも言われました。
それでも、家族への結果の伝え方が私頼みになってしまったことになってしまったことに関しては、手探りの状態だったのかもしれません。結果的に私が「知りたいかどうか?」をたずねて「検体を提供しておいて、結果を知らないと怖い!」だったので、悩みながらも私が告知をすることになりましたが、これも本来ならば臨床のお医者さんには勉強して欲しいなと思うことしきりです。(言葉足らずだったら、先生から直接告知してもらおうと思っていたのですが、私の言葉で納得してもらえたようで。。。)

「上まで検査する?研究的にはしたいんだけど...」と言われたときは、さすがに勘弁してください...でしたね。親戚に何の罪もあるわけじゃない、遺伝子に何の罪もあるわけじゃない、犯人探しをしても仕方がない、地域性を疑っても仕方がない。そんな思いから、親戚に関する家族歴検索は頑なに拒否してきました。ババを引くのは私ら家族だけでいいと。

ただ、今後起こりうる不利益などについては包括して面倒を見てもらうという約束を取り付けていただいたことには非常に感謝しています。予後の良いものであっても、何があるかわからない。子供を望んだときに遺伝する可能性も捨てきれない。遺伝子カウンセリングや精神科で受けている地域医療と連携して今後を模索することも含めて、自分の課題として残ってきそうな気はします。

子供に伝えるかどうかは...私は親として小さいうちから知りたいと思うけれど、未成年のうちに伝えるべきかどうかは悩むところです。それでいじめなどの材料になるのであれば、伝えないほうがいい。本人が自分の意思に責任を持てるようになったときに告知すればいいのかなと思います。

私は自分の病気をblogで仮名で公表してますが、本名が特定されても正直おかしくないですし、それはそれでいいと思っています。基本、論文上ではイニシャル表記ですし、一部の人間にしかそれはわかりません。むしろ、今のところは稀少病かもしれないけど、本当は見逃されがちな病気に気づいて欲しいというのが本当の趣旨ですから、一つのきっかけになってくれればいいな、と思うことしきりです。

そして、臨床に関わる先生方、遺伝子診療に関わる先生方にも、患者サイドの意見として知って欲しいと思っています。

まぁ、こんな感じ。沸いた頭でごめんなさい!
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日本らしい遺伝カウンセリング (ぷろぱ)
2009-09-13 23:11:02
おおがきさん、再びこんばんはー。
インフルエンザの具合はいかがですか?
新型じゃないけど、脱力が出ている中で心配してます。

わたしが検査したことをオープンに話しているせいかもしれませんが、周りで「実はわたしも検査を受けて…」という話をいくつか聞きました。増えてるんですね。

遺伝子検査の結果を聞くということは、患者としても、化学反応みたいに、あとから、自分でも思っていない心の反応が心に浮かぶことがあると思います。

日本的なカウンセリングがよく研究されて展開されるといいな。
いでんネットの藤田先生も、戻ってこられているようで、ご活躍をしていただきたいと思います。
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