亢進症な生活

甲状腺機能亢進症(バセドウ病あらため甲状腺ホルモン不応症)と膠原病(SLE&シェーグレン)を併発した働き者。のんびりと♪

プラケニルの減感作!?

2017-05-31 | ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
急に暑くなって、ちょっと弱りぎみです。
ただ、呼吸のせいか、肩や背中が痛くなったり、めまいがあったり、そういうことは少し収まってきた感じです。

さて、全身性エリテマトーデス(SLE)の疲労感のために飲んだプラケニルでひどい薬疹が出て、プラケニルには近づかない方がいいんじゃないか…となったお話を書きました。

でも長年、認可を待っていたのに、よりによって5%以下の稀な副作用にあたるかな、と、残念がっていたら、先生が「減感作療法をしてみましょうか」と提案してくれました。

減感作というのは、アレルギーが出るものをほんの少しずつ取り入れて、敵じゃないよ、と身体に教えてあげる根気づよい療法です。
昔の漆職人が微量の漆を舐めていたら、漆にかぶれなかった…という話と同じですね。

薬疹みたいなものは、IV型というタイプのアレルギーなんだそうです。抗体のできる「体液性免疫」と違って、「細胞性免疫」です。
アレルギーの反応になるものが入ってきたときに、「次にはすぐにわかるように準備しておこう!」とT細胞が記録するので、次に体内に入ってきたら、よーし!とばかりに激しい反応が出るんだそうです。
お薬を敵とされると困るのですが。

減感作というと、最初は毎週でも上手な間隔で、ひどいことにならない量をほんの少し注射するとか、舌の下にいれるとか、そんな方法をつづけて、身体に「あれ、敵じゃない…」と記録を書き換えてもらうという療法です。何ヵ月も何年もかかったりするようです。
確か、ダニなんかは、この減感作はお薬みたいな形になっているものがあって、病院に通わなくてもできることがあるそうですが、プラケニルはどうなんでしょう。

まずは、リンパ球刺激検査(DLST)といって、採血した血液からリンパ球を取り出して、お薬の成分を混ぜて、リンパがIV型のアレルギー反応と同じ反応をどれくらいするか、見てもらうことになりました。

減感作療法が始まれば、初期には毎週、定期的に病院に行けるのかしら…と不安になってみたり、何年もかけて、減感作をしているうちに、年齢的に全身性エリテマトーデスが穏やかになったりして…と期待してみたり。
そもそも、IV型の反応って、1-3日経って出るようなゆっくりした反応だけど、プラケニルを飲んで4時間くらいで出た気がするな…、と思うと減感作療法が有効なの?という気がしたりもします。

とはいえ、やれることに挑戦できるのが、いいのかな。
まずは、採血から!
うまく進むといいなと思います。


にほんブログ村 病気ブログ←参加中!
プラケニル再開できるといいね、と思ったら、クリックを♪

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プラケニル、あえなく一旦、中止!

2016-12-01 | ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
プラケニルを使いはじめて、2ヶ月!

プラケニルを飲みはじめてから、疲労感はすっかり改善したのですが、プラケニルを飲んで数時間経つと、身体中にじんましんが出たり、、皮疹の頻度が少しずつ上がって、ほとんど毎日、身体中がチクチクするようになりました。

オフィスで座っていたら、おしりから太ももの後ろが痒くなってくるし、歩いていると、足元に出てきます。背中も肩や横腹から湧いてくるみたいに出てきます。
親指と人差し指で丸を作ったくらいの大きさから、つながって全面が真っ赤っかに盛り上がってしまって完成です。
プラケニルを飲んで、3時間くらいで出はじめるなあと思っていたら、血中濃度は4時間くらいで、ピークになると聞いて、納得です。

じんましんを抑えてくれそうな、抗ヒスタミン剤のザイザルを朝夕に1錠ずつ飲んでも、まったく関係なく、じんましんが出続けました。

振り返ると、飲みはじめる前から、夏の間、ひどい疲労感に加えて、じんましんや血管浮腫が起きていて、アナフィラキシー騒動もありました。だから、皮膚の症状は薬のせいとは限らない…と自分に言い聞かせてみて7週間。
でも、血管浮腫や多形紅斑も出るし、こういうアレルギー症状をほっとくのも怖いし、何よりひたすら続く全身のじんましんのチクチクに耐えかねて、先生に相談しました。

先生に何のせいだと思う?と聞かれて、やっぱりプラケニルっぽいね、ということで、中止が決定しました…(涙)

こういう過敏症が出るのは5%程度らしいので、また珍しいところを引いちゃったかもしれません。

ただ、飲みはじめて、疲労感がだいぶ楽になったという話をして残念がっていたら、しばらく止めて、しっかりじんましんを抑えたら、また2日に1錠くらいで再開してみることもできるから、まずは、じんましんを止めましょう、となりました。心配なら、アレルギーの検査をしてみたり、再開のときには、病院で1錠飲んでみて、様子をみてから帰ってもいいよ、とのこと。
アレルギーの食べ物に慣らす脱感作みたい(笑)

プラケニルを止めたら、じんましんはほとんど止まったけれど、2日目には疲労感が少しだけ戻ってきました。どうなるかなぁ。

少なくともプラケニルで改善したということは、自己免疫に対応することで疲労感がコントロールできそうだという見極めができたのが前進でしょうか。


にほんブログ村 病気ブログ←参加中!
プラケニル中止は残念!、と思ったら、クリックを♪
Comments (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プラケニルを飲みはじめて1ヶ月

2016-11-10 | ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
プラケニルを飲みはじめて、1ヶ月ちょっとが経ちました。
見回すと、最近、飲みはじめました!というお声をよく耳にして、うれしくなります。

私のプラケニルの最初の1ヶ月は、お腹をくだすところから始まりました。まずは飲みはじめた初日から、お腹がとっても緩くなりました。これからウォシュレットなしには生きていけないかも…と心配になるくらいの激しさです。
薬の効果はゆっくり出ると聞いてきたし、あまりにいきなりだったので、初日は、偶然?とも思ったのですが、薬を飲む時間をいろいろ変えてみても、プラケニルを飲んで数時間すると、お腹の緩さに拍車がかかる感じ。でも、私の場合は少しずつ、激しさが穏やかになって、1週間くらい経つと、ちょっと緩い…くらいに落ち着きました。
下痢の症状は、初期からよくあることのようです。

1週間くらい経つと、今度は喉が痛くなってきて、やがて泥のような疲労感が押し寄せてきました。あれ? 風邪?
免疫が抑制されるには早すぎる気もします。もしかして稀に、新しい薬を始めたときに起きる、無顆粒球症? …それなら骨髄の働きが悪くなって、白血球の中で菌と戦う顆粒球がごっそり足りなくなるから、なんてことない菌にやられてしまうことがあるのです。
熱が上がりはじめて、ゾクゾクします。うーん、まずいかも。
ただ、なんとなくただの風邪かインフルエンザのような気もしてきました。
職場の仲間も、何はともあれ、休んでください、とフォローしてくれた言葉に従って、おとなしく1週間寝込んでたら、元気になりました。
あとから先生に話したら、「無顆粒球症を疑ったのに、え、そこで自己判断!?またそんな危険な…」と嘆かれました。プラケニルで無顆粒球症が起きる可能性はとっても低いものの、よい子は先生に相談しましょう!

熱が引いたら、6月からつづいていた終わりのない疲労感が脱皮したみたいに抜けていました。プラケニルを飲みはじめて、2週間のこと。
寝込んだあとの力が入らない時期を過ぎたら、数ヶ月、どんなに寝ても抜けなかった疲れがどっかに行きました。

プラケニルは、効いてくるのに数ヶ月かかる…と聞いてきたので、なんとも言えませんが、もしかしてプラケニルの効果なら、万歳プラケニルです!

1ヶ月経って、先生にお会いしたのですが、ともかく元気になっているのを喜んでくれました。
ほんとは、身長からすると、1日に1錠飲む日と2錠飲む日とを交互にするのですが、今の量で調子がいいなら、しばらくこのままにしてみましょうか、ということに。

そういえば、9月からはプラケニルを長期処方できるようになったと思ったのですが、それでも上限が90日までで切られていたのですね。最初はともかく、半年とか1年とか処方できそうなお薬にみえるだけに、驚きました。
私としては、3ヵ月ごとに先生とお話できてうれしいですが、先生は、状態が落ち着いている患者さんとも頻繁に会うことになりますから、忙しくなりますそうです。

右腕のザリザリした皮疹は相変わらず、脱毛もしっかりあるし、指の関節もまだ痛みが出ます。
あとは、このところの慢性的なじんましんが、関係するのか、プラケニルの前からあった呼吸や血管浮腫のようなアレルギー反応なのか、様子を見ておくのがよさそうです。

でも、プラケニルを始める強い動機になった疲労感が消えて、ほんとによかったです!
これから、風邪の季節。もらわないように気をつけながら、様子をみてみたいと思います。


にほんブログ村 病気ブログ←参加中!
プラケニルの効果は未知数だね、と思ったら、クリックを♪
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プラケニル、スタートしました

2016-09-30 | ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
たくさんの検査をまとめてうけてきました。

いろいろはゆっくり書くとして、プラケニルを始めました!
ヒドロキシクロロキンが日本で認可されたらいいのにと書きはじめたのは、2009年夏のこと。当時、個人輸入するしか選択がなかったところから、高速で認可されました。私も使う日が来るとは!なんだかしみじみします。

まずは、1日1錠から。
プラケニルはふつう、身長をもとに標準体重を想定して服用量を決めます。脂肪には吸収されにくい性質があるので、体重をもとに身体の体積を想定して薬の量を決めると多すぎることもあるからみたい。
たとえば女性の場合、154cm以上173cm未満(理想体重46kg以上62kg未満)なら、1日に1錠(200mg)と2錠(400mg)を1日おきに飲むというのが標準です。
でも、まずは、1錠で様子をみるようです。

有名な副作用で、目の網膜症の話を耳にしますが、これは今ではほとんど聞かなくなったそうです。
マラリアの治療で使う量の半分以下だったりする今の規定量では、ほとんど起きないみたい。飲み始めた頃より、ずっと続けていったときに影響を見るのがポイントらしい。アメリカで飲んでいる人に聞くと、目の検査も5年続けてから検査する予定と言う人もいました。日本では、1年に一度くらいの検査をすることになっていますから、ある意味、面倒、ある意味、安心です。早めに気づいて対応すれば、おおごとにはならないようでした。

さて、さっそく飲んでみたら、数時間後にお腹がゆるゆるになりました。しばらくしたら止まるといいなぁ。
よくある副作用として、下痢、腹痛、頭痛、発疹などがあげられますが、すごい速効性!(笑) お薬の効果を実感するまでに数ヶ月かかるとも聞きますが、お腹が緩くなるのはわりとすぐだという話をよく聞きます。下痢は5-10%くらいの頻度らしいので、みんながなるわけではないのですけれど。

先生からは、皮膚や粘膜の症状と、筋肉の痛みが出たら飲むのを止めてくださいと言われました。もともと皮膚症状も筋肉の痛みもあるけど…と聞いたら、尋常でない感じの皮疹やすごい痛みなら教えてくださいということでした。

薬局では、低血糖の副作用が怖いから、と念のためにブドウ糖を渡してくれました。ブドウ糖なら変換なくすぐに吸収されるけれど、今はシュガーレスとか吸収に時間のかかる糖とかが増えているので、ブドウ糖を持ち歩いていると安心ですね。

その他、めったに起きないけれど、たいへんな副作用というと、骨髄抑制(血球減少での出血傾向など)や心筋炎(胸痛や息切れ、浮腫など)、ミオパチー(手足の痺れなどの神経症状)などが起きたら、先生に相談することになるようです。

診察では、先生に、アナフィラキシーのあとの顛末をひとしきり聞いてもらいました。
かなり広範囲のアレルギー検査をしたけれど、結局、食物や薬剤のアレルギーは見当たらず、アナフィラキシーのきっかけは謎のまま、「原因不明のアナフィラキシー」が起きるかもって状態がつづいていて、血管浮腫も繰り返したこと。
呼吸器で処方されたβ刺激剤の入った吸入をしている間は、胸の圧迫感が尋常ではなくてつらかったこと。
先生に、総合的に鑑別してもらっては?とアドバイスされて、近くの内科クリニックに行ったものの、脈もとらずに「抑鬱だと思う」と漢方を処方されたこと。
今月も、血管浮腫が出たこと。
お腹(心窩部、右下腹部)が痛いこと。
浮腫んで、手足がぽてっとだるかったり、舌に歯の痕がくっきり出ること。
そんなこんなではあるものの、全体的には体調は回復しつつある気もすること。
どの先生にも、それは膠原病が原因でなくても膠原病の先生に相談すべし、と薦められたこと。

そんな報告をひとしきり聞いてくれました。先生に「よくなってきたなら、よかったじゃない」と言われても、「自己免疫の病気があると、しんどいね」と言われても、先の見えないしんどに、ちょっと気持ちが晴れません。
検査上はなんともないように出てくるし、よその先生にはうっかりすると詐病のように扱われるし、自分としては尋常でなくしんどいし、原因も治療の方向も不透明。

そうしたら、先生は向き直って、私の膝に手をおいて、「自己免疫の病気があると、検査にはあらわれてないものだってあるからしんどいよね」と話してくれました。
これ、3回目くらい聞いた気もするものの、原因がわからないとか治療の方針が見えないとかそういう追い込まれたときに、追い込まれた気持ちをキャッチして、スペシャルな手当てをしてくれるのが、この先生のすごいところだなぁと思うのです。他にもすごいところはいろいろあるものの。

全身性エリテマトーデス(SLE)は、不調なことも抱えながら、長い期間、病気とのつきあいをコントロールしていく病気だからこそ、こういう「手当て」がすごく必要になることがあると改めて思いました。

そんなやり取りをして、プラケニルを飲んでみるか、相談。
アナフィラキシーの原因を調べようとしていったときに、もしかしたらプラケニルが原因にふたをしてしまうかもしれない、けど、プラケニルが原因にある炎症か何かを抑えてくれるかもしれないなら、やっぱり飲みはじめてみよう、という結論になりました。

さてさて、プラケニルを飲みはじめて、疲労感や皮膚症状、微熱に関節症状が落ち着いてくれるでしょうか。効果が実感できるまではきっと数ヶ月かかりますが、どんなことになるか、楽しみです。


にほんブログ村 病気ブログ←参加中!
念願の薬がスッキリ効くといいよね、と思ったら、クリックを♪

Comments (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒドロキシクロロキンの準備で眼科に

2016-08-14 | ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
全身性エリテマトーデス(SLE)のせいっぽい、どうしようもない疲労感をなんとかするために、ヒドロキシクロロキン(商品名: プラケニル)を飲んでみようという話から、さっそく眼科の検査を受けてきました。

プラケニルは、大量に長期にわたって飲んでいると、眼底の血管(網膜血管)で細くなるなどの問題が起きることがあって、視力が低下したり、ひどくなると失明する人もいたりするようです。だから、そうならないように、薬の量を制限したり、半年とか1年に1度、眼科の検査を受けるようなガイドライン(pdf)になっています。

お薬を飲む前に、そもそも問題がないかを確認する検査をするわけです。この結果が、今後も陰がないか、網膜の血管が細くなってないかなど、比較していく基準になるんでしょうね。

眼科では、 いろいろな検査がありました。

まず、視力検査 ・眼圧検査。基本の検査ですね。眼圧を測るのに、風がピュッと目に吹き込むのがほんとに苦手で、目をしばしばさせてしまうんですが、早業で3連射されて無事に終了しました。

それから、細隙灯顕微鏡検査。これは眼科の診察でお馴染みの、機械にあごをのせて、先生がレンズを覗いて診るあれです。角膜から網膜までいろいろ見えるんだそうです。

色覚検査は、15個くらいの色の駒を青から青緑、緑、黄緑…と紫まで並べ替えるという検査でした。2つずつ比較していくと、何となくできたけど、微妙な違いでうまく並べられるか緊張しました…。昔、学校の健康診断でやった色盲検査のように色の粒の中に数字や文字が隠れているようなもの(石原式というのでしたっけ)で検査する場合もあるようです。
先天的な色盲でなくても、網膜に問題が起きたときに、色の違いがわからなくなることがあるので、検査するようです。

視野検査は、パラボラアンテナみたいな半球の内側に光がポツポツ浮かぶのを見つけて、合図のボタンを押すもの。これもちょっと苦手です。ほんとうは真ん中の光を見つめてないといけないのですが、ピッと機械の音がすると、無意識にキョロキョロと光を探してしまったり、リズムにのって、光を見えてないのにボタンを押してしまったり、うまくいきません…。おまけにドライアイで、じーーっと検査をしていると、乾燥して涙がポロポロ出てきて、「まばたきしていいんですよー」と何度も声をかけられてしまいました(笑)

そして瞳孔を開く目薬を点して約20分待ち、続きの検査をします。
3つあったのですが、どれがどれだったんだか…。
青い光を見つめて撮るのと、フラッシュみたいな光がチカチカするのと…3つの機械の前に座って検査をされました。

眼底検査。まずは眼底の写真を撮ります。
スペクトラルドメイン光干渉断層計(SD-OCT)というのは、網膜の断層を見ることができる機械のようです。網膜が薄くなっていないか、形がおかしなところがないか、見ることができる、最近の機械です。

そして最後は、診察。

このところ、左目の視力が不安定だったり、眼精疲労のように目の奥が絞り上げるような痛みが出たりしていたのですが、検査の範囲では異常はみつからず、無事にヒドロキシクロロキンの服用を始められそうな兆しが見えてきました!いぇい。

眼科って薄暗いところによくわからない機械が並んでいてドキドキしますが、反面、いつもの膠原病の外来と比べたら、健康そう(笑)な高齢者が多い印象で気が楽になるところもあるように感じました。
ヒドロキシクロロキンのお薬を始めると、半年か1年ごとに通うことになるのかな。馴染まなくちゃ。

ずっと副作用も出ませんように!


にほんブログ村 病気ブログ←参加中!
お薬の副作用はやっぱり気になるよね、と思ったら、クリックを♪
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒドロキシクロロキン、認可されてます!

2016-08-09 | ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
この間の外来で、ヒドロキシクロロキン(商品名:プラケニル)を飲む話が出たので、去年の「ヒドロキシクロロキン認可」の記事をリンクしようと思ったら、なんと記事が公開してませんでした!
このブログでも何度も書いて、ずっと待っていた大事な話だったのに、ごめんなさい。

2015年7月、日本でヒドロキシクロロキンが日本で認可されました!!!

このお薬は、これまでも書いてきましたが、欧米では全身性エリテマトーデス(SLE)や皮膚エリテマトーデス(CLE)のお薬として、よく使われていて、ごくごく当たり前のお薬ですが、日本ではマラリヤのお薬として大量の投与をしていた時代に副作用が問題になり、その後、使われなくなっていました。
その後、欧米では使う量はずっとわずかになり、副作用が出る確率は下がっているようです。(ステロイドの長期処方でも骨の問題などありますもんね。)
そんな海外での情報を参照しながら、2012年には日本でも治験がはじまり、特例的な早さで承認されることができました!
海外などで処方を経験したことのある先生などを中心に短期の処方が始まっていますが、2016年9月からは日本でも長期処方も可能になるようです。
今まで、全身性エリテマトーデス(SLE)の治療は、ステロイドと限られた免疫抑制剤の組合せで治療する他に選択肢が限られていまひたから、選択肢が広がったのは大歓迎です。

このお薬は、皮膚や関節の症状や再燃防止に効果があると言われていて、内容的には私向き。ずっと気になっていたお薬です。
以前に、治験にも参加してみる?と誘われたのですが、いろんな稀少な病気を抱えているので、治験で副作用のような症状が出ても、副作用か他の病気の関係か、よくわからなくなりお役に立てなさそうで、見送りしていたのでした。
いよいよ私も挑戦できそうで、ドキドキします。

おもしろいのは、お薬の量です。
身長をもとに理想体重を想定して処方されます。たとえば女性は、136-154 cmの人は31-46 kgが理想だから、毎日1錠(200 mg)ずつ、154-173 cmの人は1日おきに1錠と2錠を交代に飲んで平均して1日300 mg、173 cm以上の人は毎日2錠(400 mg)です。
このお薬は脂肪への吸収率がとっても低くて、体重に合わせて処方すると、ちょっと多すぎたりするようなのです。だから、脂肪を除くとこれくらい…という目安に合わせて処方するんだそうです。きっと筋肉の多いアスリートなんかの場合は、例外的に多めにしたり調整するんでしょうね。

あとは、薬価。そもそも欧米ではこの薬は特許が切れた古典的な薬で、安いジェネリックがいろいろ出ているのです。それが愛される理由のひとつでもありました。でも、日本では新たにSLEに対して認可されたので、まだ国内でジェネリックはありません。意外と高くて、びっくりです。

難病の医療助成では、月の医療費が33,300円を越える場合は重症と見なすというルールがあるのですが、ふつうにいくと、その対象にがっつり入りそうです。
正規のお薬を処方してもらうと、薬価は418.9円だから、1日1.5錠を60日分、処方してもらうと37,701円也(自己負担はその2-3割だったりしますが)。膠原病の外来も眼科の検査もありますから、すごい金額です。
ふつうに処方してもらうのがいいのか、ちょっと面倒でも、個人輸入で安価のジェネリックを買ってくるのがいいのか、悩みどころです。
アメリカに行く人なら、アメリカの医師免許を持っている先生に処方してもらって、行ったときに買うというのがありなんだか…というのも聞いてみたいところです。

目の検査については、改めて書く予定です。

ところで、ずっとハイドロキシクロロキンと読んできたのですが、認可がヒドロキシクロロキンで届けられているので、今後はそちらを使うようにします。
しばらくしたら、薬品名でなくて商品名(プラケニル)を使うようにしようと思います。

これまでも、海外で飲んでいる方々がたくさん情報を寄せてくれていましたが、ここからは、私自身の服用リポートができるかなと期待しています!事前の検査をパスできれば…。


にほんブログ村 病気ブログ←参加中!
念願の新しい薬はドキドキするね、と思ったら、クリックを♪
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハイドロキシクロロキン、実際に飲んでいる方のお話

2012-07-01 | ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
もう7月!
暑くなってきましたね。湿度がぐっとあがって、体調にはダメージが大きい季節かも。

さて、ずっとしつこく書いてきたハイドロキシクロロキンのお話です。今回は長いです。

振り返ると、2009年、久しぶりに開発された全身性エリテマトーデス(SLE)の新薬・ベンリスタ(ベリムマブ)のことを勉強しているうちに、海外では、マラリアの薬であるハイドロキシクロロキン(お薬の名前はプラケニル)が標準的なお薬の選択肢のひとつになっていることを知りました。
やがて、特許がきれて、安価で使用できるようになったこの薬は、ゆるやかに長く効くこと、SLEで使用するような少量の服用の場合は比較的副作用が少ないこと、比較的軽症で外来の間隔が長い状態の全身性エリテマトーデス(SLE)でも使いやすいこと、皮膚症状(DLE)で有効なことなど、興味深い特徴がありました。

それなのに、当時、日本での情報はほとんど見つからなかったのでした。

そして、お勉強しているうちに、これが日本でも一度、認可されていたけれど、大量に服用の場合の副作用を理由に、認可が取り消され、以来、使用されていないことがわかってきました。さらに、特許が切れたゆえに、日本ではもう一度、認可を取るために、製薬会社がコストを掛けても、患者さんが少ないこの病気では採算が採れない…という問題があったり、かつての大量投与の副作用の問題があったりで、日本で使われているのは、海外で使っていた方が帰国した場合なんかしか聞きませんでした。
時間を経て、皮膚症状を中心として、いよいよ日本でも臨床試験が始まったところです。

こんなお話をここのブログで地味に書き続けてきました。代表的なものは…

日本で、どうしてハイドロキシクロロキンはSLEの治療薬として認可されないの?
ハイドロキシクロロキン(プラケニル)のリスクは、どんなことがあるの?
ハイドロキシクロロキンが認可されないわけ
ハイドロキシクロロキンは糖尿病の予防効果まであるという人がいました
ハイドロキシクロロキンの治験を進めるむずかしさ
ハイドロキシクロロキンの臨床試験、いよいよ!

ここに、東南アジアで、リウマチの治療のために、抗リウマチ薬のメトトレキサートとともに、ハイドロキシクロロキンを服用されているsirousagiさんをはじめ、アメリカ、イギリスで使っていらっしゃる方、日本国内で個人輸入で使われている方、いろんな方が情報をコメントを寄せてくださいました♪
ありがとうございます~!
日本でも臨床試験がはじまって、今後、お薬を飲む人たちも少しずつ増えるかもと思うと、実際に飲んでいる方の声はきっと参考になるのではないかしら。

そんなわけで、継続して投稿してくださっている、イギリスのまきさんのお話をご紹介させてください。個人の体験だから、誰にでもあてはまるわけじゃないけどご参考に。

●●● 1ヶ月目 ●●●
はじめまして。ハイドロキシクロロキンを服用し始めて、1ヶ月になります。
主人の母国(イギリス)に、今年の6月に引越してきました。
引越しの準備等で忙しくて、体調が悪いのかなとのんきに考えていたら、(関節痛、疲労感、微熱、等)、イギリスの病院で、血液検査の結果、SLEと診断されました。
それで、ハイドロキシクロロキンを処方されたのですが、ネットで色々調べたけれど、日本で使用されてないことに不安があり、当初、服用することをすごく悩みました。
しかし、友人の医者(イギリス人)の勧めで、服用し始めました。
眼科の検査は必須でした。目の裏?網膜?の検査をじっくりしてもらい、年に1回、眼の検査をしなければいけないみたいです。
まだ、服用して1ヶ月しか経ってないので、特に体に変わったところは、ありません。
服用後、2~3ヶ月で効果が出てくると説明されました。
私の経験だけですが、何か情報をシェアできたらなと思い、コメントを書いてみました。
また、経過をコメントしますね。


●●● 2ヶ月目 ●●●
ハイドロキシクロロキンを服用して、2ヶ月が経ちました。
まず、良い所は、関節の痛みがすでに和らいできたような気がします。
服用する前は、右肩の関節がすごく痛くて寝るのが困難だったり、足の指の関節が痛くて、歩くのが少し困難な日があったりしてたのですが、だいぶ緩和しているような気がします。
足が痛くて、歩くのが困難なことは、なくなりました。
肩の関節は、まだ痛いのですが、以前より痛みは少なくなりました。
お腹に赤い斑点があったのですが、なくなりました。

まだ手の指の関節の痛みや、腫れはまだありますが、缶詰の蓋が、開けれるようにはなりました。

悪い点は、免疫機能が低下するので、風邪をずっとひいています。(2ヶ月程)
イギリスに来たばかりなので、イギリスの風邪の菌の免疫がないのだと思いますが、風邪をひいたら、なかなか治りません。(また、子供が幼稚園児なので、幼稚園からすぐに菌をもらってきます。)
飲んでよい薬と、悪い薬があるみたいなので、自分で勝手に買って飲むことができず、いつもお医者さんか、薬剤師の人に、ハイドロキシクロロキンを服用している事を伝え、他の薬を購入したりしています。
インフルエンザの注射も必ず打つように、医者に言われました。

自分でも、免疫力は低下してるなと、わかります。
この1ヶ月で抗生物質を、2種類(1週間ずつ)飲みました。
以前は、風邪なんて薬を飲んで、1日寝たら治ってたのに、今は全然駄目です。

ハイドロキシクロロキンは、小さい白い錠剤で、体重によって1日の服用量が変わってくるみたいです。
私は、1日目は1回、2日目は2錠(朝1錠夜1錠)、3日目は1錠、4日目は2錠、5日目は1錠・・・。
ちょっと面倒くさい、飲み方です。
私は副作用は、免疫低下くらいで、頭痛や気持ち悪くなったりとかは、今のところは、全然ないです。
飲酒も、okです。

また、経過を連絡しますね。


●●● 3ヶ月目 ●●●
ハイドロキシクロロキンを服用して、3ヶ月が経ちました。
特に、服用後2ヶ月と変化はないような気がします。
右肩の関節の痛みが、少しなくなったかなぁっというぐらいです。
すごくマイルドな薬みたいで、自分でも気がつかないうちに、良くなっているみたいな気がします。
悪くなっている気はしないです。

でも、手の指の関節は痛いですし、指のむくみは、まだあります。結婚指輪がはめられない状態です。

風邪をずっとひいていましたが、年末から今現在は、風邪はひいてません。

日本は定期的に、病院で検査をしてもらえるみたいですが、イギリスは、病気の診断をされて、薬を服用後3ヶ月目で、2回目の検査をしてもらえます。
わたしも、そろそろ検査をしてもらえると思うのですが、年末に、また引越しをしたので、病院探しをする事から始めなければならないので、2回目の検査は、まだまだ先だと思います。

検査結果と経過を、またご報告しますね。


●●● 4ヶ月目 ●●●
こんにちは。
服用4ヶ月が経ちました。
今回も、特に変わったところはありません。
と、書く予定でしたが、このコメントを書く3日前に、急に歩行が困難な、左足の関節の激痛がありました。
夜中、左足の膝が、少し痛いなと思い、少し仮眠(子供の寝かしつけ)をしました。
仮眠から覚めると、左足の股関節、膝の関節、足首の関節に激痛があり、歩行できませんでした。
布団の重みにも絶えれないほどの痛みで、医者からもらっていた、痛み止めをまず1錠。それでも痛かったので、もう1錠(計2錠)飲んで、やっと就寝できました。
次の朝、歩行できるかとても不安で目覚めました。
しかし、かなり痛みはひいていて、歩行はできましたが、無理をせずに、安静にしてました。
その次の日は、痛みは嘘のようになくなっていました。

この激痛の2~3日前から、ちょっと頑張ってたくさん歩いたり、子供を連れて遊びに出かけたり、家事をいつも以上に頑張ってしてみたりしてました。
激痛の前日も、4時間以上歩き周り、慣れない環境でストレスも、かなり溜まってました。

薬の服用から、体の調子が良いので、治ったのかと錯覚していましが、そんな甘くありませんでした。

指のむくみも、まだあります。
左肩の関節も、押さえると痛みが少しあります。
レイノー現象も治ってません。
薬の副作用は、ないです。

病院へ登録はしましたが、
まだ専門医には会えてません。

では、また経過を報告しますね。

●●● 6ヶ月目 ●●●
こんにちは。
ご無沙汰してます。

日本で、ハイドロキシクロロキンの臨床試験が始まったのは、本当に嬉しいニュースですね。
この薬は、本当にマイルドで、副作用が今のところ、私の体にはおこってないので、はやく日本の皆さんも使えるといいなと、常々、思ってました。

さて、私ですが、専門医の予約が6月に、やっと取れました。日本では考えられない遅さですよね。
やっと、薬を服用後3ヶ月の定期検査をしてもらえます。また、結果をお知らせしますね。

しかし、最近は、体の調子は良いです。
指のむくみがすごくて、指輪が全然入らなかったのでが、少し大きめ指輪(右手の薬指にしていた指輪)が左の薬指に入るようになりました。
でも、まだ少し、指のむくみは、あります。

大きな関節の痛みは、最近ありません。
ずーと痛かった、右肩の痛みも、なくなりました。

風邪を引きやすくなったと、書きましたが、最近は風邪をひいてません。

しかし、疲れやすいので、休憩は意識してとってます。
無理しすぎると、やはり足の膝の関節等に、違和感(痛くなりそーな感じ)を感じるので、無理はしないように心がけてます。

また、定期検査後、報告しますね。


●●● 7ヶ月目 ●●●
こんにちは。

先日、定期検査に行ってきました。
通常は、3ヶ月に1回、定期検査があるみたいなんですが、私は、引越しをしたため、薬服用後、初めての定期検査でした。
まず、尿検査をして、問診、その後、血液検査をしました。

尿検査の結果はすぐに出るみたいで、ドクターが結果を見ながら、問診をし、大きな関節の触診をしました。

薬が効いているみたいで、症状がかなり抑えられてるみたいです。引き続き、同じ量の薬を飲んでいくことになりました。
1日目、2錠。2日目、1錠。3日目、2錠。4日目、1錠・・・

血液検査の結果は、問題があれば、後日、家に連絡がくるそうです。
問題がなければ、次の定期健診で教えてもらえるそうです。
ちょっと、びっくりですよね。ゆっくりしてますよね。
日本の敏速さが、恋しいです。

検診後、関節の痛みが、また出てきちゃいました。
やっぱり無理しちゃうと、出てきますが、1週間もしないうちに、痛みは治まりした。
レイノー現象は、まだありますよ。これは、なくならないですねぇ。改善されてない気がします。

ではまた、連絡しますね。



まきさん、ありがとうございます。
ハイドロキシクロロキンは、ゆっくり効くことや、免疫が抑制されることがあること、レイノー症状(血行の問題)はちょっと苦手という印象を受けました。
また、ご紹介させてください。

全身性エリテマトーデス(SLE)のお薬として、ステロイドは使いこなされているお薬ですが、やっぱり選択肢が広がることはうれしいこと。ハイドロキシクロロキンが日本でも選択肢のひとつになっていけたら本当にいいと思います♪


にほんブログ村 病気ブログ←参加中!
ハイドロキシクロロキンがちょっと身近になったかも♪、と思ったら、クリックを♪

Comments (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハイドロキシクロロキンの臨床試験、いよいよ!

2012-04-24 | ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
だんだん陽射しが強くなって、皮疹に気をつけないといけない季節になってきましたね。

何度もこのブログで取り上げてきたハイドロキシクロロキン(プラケニル:Plaquenil)
日本で、どうしてハイドロキシクロロキンはSLEの治療薬として認可されないの?」という記事には、本文をはるかに越えるコメントをいただいていて、日本語での情報がほんとうに限られていることを実感します。

なかなか記事にまとめられていませんが、初めての記事のコメント欄にはイギリス、アメリカ、東南アジア、日本から、実際に服用されている方々がリポートをくださってます!

このハイドロキシクロロキンの臨床試験(治験)がいよいよ日本でも始まってます。

「全身性・皮膚エリテマトーデスおよびシェーグレン症候群患者の顔面等に生じる(環状)紅斑に対する未承認プラキニル(ハイドロキシクロロキン)についての臨床研究」が、「一般募集中」というページを見つけました。(英語はこちら

臨床試験を準備しているお話は伺っていたのですが、一般募集もしているんですね! ご自身の主治医の先生と相談して、薬を飲みながら、情報を提供するという形でも参加ができるようです。

細かい条件はありますが、ステロイドやタクロリスムの塗り薬がうまく効かない紅斑があって、全身の症状とリンクしない患者さんや、皮膚症状だけで困っている患者さんなどが対象のようです。

もちろんお薬ですから副作用はあります。今の治療でいいバランスが取れているなら、一から調整を始めるのはリスクがあります。ステロイドや免疫抑制剤と同じように、このお薬で免疫力が下がると、他の病気に対して使える治療が限定されることもあります。

お薬は「自己調達」となっていますからお金がかかります。欧米では特許期間を過ぎて、とても安く手に入るようですが、日本では今はまだ個人輸入する必要があってちょっとめんどうかもしれませんね。

ちなみに、わたしの場合はもちろんすごく興味はあるのですが、ステロイドが比較的よく効いているし、あまりにいろいろ病気が絡み合っているので、臨床試験の基準を満たすのは難しそうだね、ということになってしまいました。
臨床試験ということは、書類作りなど仕事が増えますから、ただでさえお忙しい先生には少しご負担をおかけすることになるのに、それは大丈夫といって、確認してくれたのに、残念。

治療の選択肢を広げる新しいお薬の可能性は大きな希望です。
この臨床試験で集まったデータによって、このお薬が承認されると、日本でのSLEの治療では大きな一歩になるように思います。ステロイドがうまく効かない人、比較的軽症でありながら不快な症状がつづく人、皮膚の症状に困っている人も光があたるのではないでしょうか。

承認されるまで見守りたいと思います♪
◆◆◆

※ハイドロキシクロロキンの日本での臨床試験のお話、上記のリンクした金沢大学の情報は、認可のためのものじゃなかったようです。(フェーズは該当なしになっていて、すでに募集を終了しています)。関係する先生方に直接、お話を伺ったのにリンクを間違えていてたいへん申し訳ございません。

新薬承認のための臨床試験の情報はこちらです。施設は東京を中心に、神奈川、埼玉、千葉、石川、愛知、和歌山、長崎、熊本など。まだ参加される患者さんを募集中です。住所からすぐ思い浮かぶ病院がある感じがします..臨床試験を担当するサノフィアベンティスの問合せ先も掲載されています。
http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01551069
もぐさんという方から指摘をいただきました。ありがとうございました!(2012/8/18)


にほんブログ村 病気ブログ←参加中!
いよいよですね!、と思ったら、クリックを♪
Comments (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハイドロキシクロロキンの治験を進めるむずかしさ

2009-07-31 | ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
治験のコストは、数億、抗がん剤の場合は、数百億にもなると言われます。そして、確認する期間が長くなればなるほど、とうぜん、費用も膨らみます。
今は、「リスクがあるから参加してね」と言ったからといって、リスクに対して、保障が求められるような例も起きていますから、そんな部分も想定しないといけないかもしれません。
そんなわけで、製薬会社が主導する治験は、「成功すれば、売れっ子だ!」という夢がなければ、なかなかたいへんなようです。

製薬会社主導の治験がむずかしいということに加えて、行政主導でもなかなか進めにくい、というのが、先生がおっしゃっていた「劇的な効果をアッピールしにくい」という点のようです。

今は、日本医師会治験促進センター特定非営利活動法人 先端医療研究支援機構NPO法人 日本臨床研究支援ユニットのように、製薬会社でなくて、お医者さん主導の臨床試験を進める機関や団体もあるのですが、やっぱり、「劇的に効果があるんだから、認可しよう」ということが、基本的に求められるようです。

たとえば、副作用によって認可が取り消されていたサリドマイドは、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定され、特許が切れたあとであったにもかかわらず、がん治療薬(多発性骨髄腫の治療薬)として再認可されました。
オーファンドラッグというのは患者数5万人未満の重篤な疾病が対象で、医療上、特にその必要性が高いか既存の医薬品と比較して著しく高い有効性又は安全性が期待できる薬のことで、研究開発促進制度として、国から開発を手助けしましょうという制度があるのですが、ここでも、「著しく高い有効性又は安全性」があるから、ということが決めてになるようです。

ハイドロキシクロロキン(プラキニル)の場合は、劇的な効果というより、「数ヶ月かけてじっくり」「穏やかに」効くことがいいところでもあるので、こういう「この薬は特別♪」という処置をするのが、なかなかむずかしいようです。
「著しく高い安全性」をアッピールすることになるのでしょうか。

多発性骨髄腫の患者数が約13000人、毎年新たに4000人が罹患しているのに対して、全身性エリテマトーデスは、特定疾患を申請している人だけでも患者数はきっと5万人を越える可能性はありそうです。というところで、希少というところもなかなか言いにくいところがあるかもしれません。

「採算は度外視だ、患者さんのためにやる!」と言ってくれる製薬会社さんが急に出てこない限りは、患者さんの方で「なんとかこれを認可して欲しいんだ!」と熱い声を出して、公けの流れの中で認可してもらうほかに、あまり方法がないように見えます。

それだけの、熱い要望があるのかな…。
SLEは、重症化すれば、すぐ長期の入院が必要になったりする病気です。このハイドロキシクロロキン(プラキニル)が保険適用されれば、それほど高いお薬でもないし、軽症例に使える適切なお薬を出して、重症化させない…という意味では、医療費を抑えることにもなると思います。けっこう有効な薬だと思うのですが、熱く訴える方向がうまくみつからないで、どうしたものかなぁと思ったりしています。

にほんブログ村 病気ブログ←参加中!
経済と患者の期待がうまく噛みあう方法がどこかにあるといいね!、と思ったらクリックを♪
Comments (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハイドロキシクロロキンが認可されないわけ

2009-07-30 | ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
今日も、発熱は37.5度まで♪ それで喜んでいていいのかどうか、微妙ですが、やっぱり38度に届かないと、ちょっとほっとします。

さて、以前に、全身性エリテマトーデス(SLE)や円状性エリテマトーデスの治療で、欧米では、ハイドロキシクロロキン(プラキニル)が非常にポピュラーだけれど、国内では認可されていないというお話を書きました。これまで治療されず、がまんしてきた紫外線過敏や皮膚症状、易疲労などにも、有効だといわれています。

ある膠原病の先生に数分、お時間をいただいて、ハイドロキシクロロキン(プラキニル)ってどうなんですか?と質問ができました。

「この薬が認可されたら、先生はこの薬を使いますか?」と先生に伺うと、この薬は、やはりマイルドで、非常に有効な薬で、この先生の患者さんでも、先生の指示のもと、個人輸入をしてこれを飲んでいる方もたくさんいらっしゃるとか。

現状では、基本的に、SLEの治療には、ステロイドと免疫抑制剤しかないので、この治療法で効果がでにくい人や、副作用などによりあわない人は、治療の選択肢がない状態です。患者の立場からすると、日本でも、ハイドロキシクロロキン(プラキニル)を非常に、非常に認可してもらいたいと感じます。

「じゃあ、なんで認可されないのですか?副作用による裁判がつづいているからですか?」と聞いてみたら、特許が切れているために、認可されても、すぐジェネリックがどんどんでることになり、何億ものコストがかかる治験をするだけのメリットが製薬会社にないこと、また、強い薬でなく、何ヶ月もかけて効果が出るような穏やかな薬なので、「劇的な効果」をアッピールしにくいそうです。

…それは、かなり前途多難です。
言われてみれば、ずいぶん昔からあるお薬ですものね。以前にも「おじいさん薬に新しい効果!」というような記事の書かれ方をしていました。
折りしも、半世紀ぶりのSLE治療のための新薬ベリムマブが最終臨床試験を終えそう…というタイミングで、この劇的!華やか!な新薬が市場に出てくるかも…というところで、治験を進めてくれるということは、かなり望みが薄そうな気がしてきました。うーーん。

実は、いま、厚生労働省が、「医療上の必要性が高い未承認の医薬品又は適応の開発の要望に関する意見募集」ということで、パブリックコメントを集めているので、ハイドロキシクロロキンについて、意見書を出してみようかと思ったのですが、短い期間に資料を集めて出したところで、むずかしいということになってしまいそうなのが、とても残念なところです。
大きな利益がなくても、治験に必要な費用だけでも回収できる方法があればいいのですが。

特許について、日本国内に限って言えば、特許期間延長制度や、SLEに特化した形での再出願のようなことが可能であれば、少しは希望が出てきそうですが、そんなに簡単にもいかないでしょうか。

今でも、いろんな会社が個人輸入を支援するサービスをしていますが、輸入支援の手数料などを加えると、1日1錠で、1ヶ月、約5000円~20000円の負担になるようです。安価のジェネリックの品質を確認して、輸入サポートをする企業を探した方が、早いかも…と、ちょっと心が折れてみたりしています。

にほんブログ村 病気ブログ←参加中!
それでも治療の選択肢は広い方がいいし、マイルドな治療法は必要だよね、と思ったらクリックを♪
Comments (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハイドロキシクロロキンは糖尿病の予防効果まであるという人がいました

2009-07-09 | ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
今日は、長~い打ち合わせ。長くなってきて、わたしの頭も止まってきたので、「つづきはまた改めましょうか?」と何度か言ってみたのですが、あえなく失敗(涙)途中でわ~!!と叫んで帰ろうかと思ってしまいました(笑)

さてさて、もともとマラリアに効くはずのハイドロキシクロロキン hydroxychloroquine(商品名:プラケニル/プラキニル Plaquenil)が、なぜかリウマチやエリテマトーデス(SLEやDLE)に効くらしいという、効き方のしくみを探していますが、まだよくわかりません~。

このお薬のマルチぶりはすごくて、2007年には「ヒドロキシクロロキンは糖尿病の予防効果があるかも」という記事までありました。(hyをハイと読む場合とヒと読む場合があるようで、この記事ではヒドロキシクロロキンと呼ばれています。)
何で効くのかはよくわからないけれど、統計的に低血糖傾向であったり、関節痛で運動不足になっていても、この薬を飲んでいる患者さんは糖尿病の発生率が低めという傾向があったりするようです。

SLEについては、メルクマニュアルでも英語版を翻訳したページでは、軽症のSLEには、ヒドロキシクロロキンを使うという記述がありました。
軽度または弛張性の場合

ほとんどまたは全く治療が必要ないことがある。関節痛は通常,NSAIDによりコントロールする。アスピリン(80~325mgを1日1回)は,抗カルジオリピン抗体と関連する血栓傾向の患者と血栓事象がこれまでにない患者に有用であるが,SLE患者に大量投与すると肝毒性を起こしうる。抗マラリア薬は,特に関節と皮膚症状が著明であるときに有用である。ヒドロキシクロロキン200mgの1日1回または1日2回の経口投与がよく行われる。その他の選択肢には,クロロキン250mg,1日1回の経口的投与や,キナクリン50~100mg,1日1回の経口的投与などがある。これらの薬物の併用もときに行われる。ヒドロキシクロロキンは,網膜毒性を発生しうる。眼を6カ月毎に検査すべきである。

…これによると、関節痛には、まずは消炎鎮痛のNSAIDsを使うようですね。

光線過敏にも効果があると記述されています。
多形日光疹やエリテマトーデスによる光線過敏の患者では、ヒドロキシクロロキンやステロイドを内服すると効果があることがあります。


ずいぶん幅広い効果があります。この薬、一体、どういう構成になっているのでしょうね。ふしぎです。

にほんブログ村 病気ブログ←参加中!
昔の万病薬とは違うと思うけどマルチだね~、と思ったらクリックを♪
Comments (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハイドロキシクロロキン(プラケニル)のリスクは、どんなことがあるの?

2009-07-06 | ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
ハイドロキシクロロキン(商品名:プラケニル)がなぜ承認されないのだろう、という資料をいろいろ読んでいたのですが、うまく根拠があまり見つからないので、ハイドロキシクロロキンと同じ系統のマラリア治療薬で、少し副作用の頻度が高いと言われるクロロキンを調べてみたら…、認可が取り消された時期のことが書かれているサイトがいくつかありました。

クロロキン網膜症は、1959年から1975年にかけて発生しています。
網膜症というのは、眼底の血管(網膜血管)で細くなるなどの問題がおきて、視力が低下したり、ひどくなると失明もしてしまったりするもの。(糖尿病がひどくなると、失明することもある…と言われるのも、網膜症ですね。)

クロロキンは日本では1955年に抗マラリア薬として販売を開始、その後、慢性腎炎、妊娠腎、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、癇癪などについて、承認されました。
ただ、その後、網膜症の報告があいつぎました。1964-1965年には、リウマチ学会でクロロキン網膜症の集中討議されていたようです。1969年、クロロキン網膜症を添付文書に記載の指示が出たそうです。
当時は、治療法がなく、薬の服用を中止しても、網膜症はしばらく進行したようです。この治療で失明した方は、推定で1000人ほどいらっしゃるのではないかと言われていて、心が痛みます。

ただ、今でも、アメリカやイギリスでは、SLEの初期のお薬としては、「副作用が少ないから」といって、ハイドロキシクロロキン(プラケニル)を使用することが多いそうです。日本でも、最近、リウマチや間質性肺炎で、「使ったよ」という人もいるようです。
クロロキンも現役みたいです。リウマチやSLE以外でも、がん治療に使われることもあるようです。USの代表的ながんセンターである、M.D.アンダーソンがんセンターの研究グループによると、休眠状態のがん細胞に対して、癌細胞の再成長が阻害する効果があったという報告があるようです。

副作用について、どう考えているのかということを調べているのですが、問題だ!と取り上げているのは、60年代の資料ばかりがヒットします。
アメリカ、イギリスの現場では、網膜症が起きているのは、大量投与で、最低2年に1度の定期検査も受けていない場合に起きているとされているようです。今は、網膜症については、レーザー治療で、眼底の出血やむくみを止める治療をする方法などが出てきて、60年代とは状況は違ってきているようです。

今のエビデンスでは、1日の服用量の上限を守り、5年を越える長期使用になった場合は、よく観察しておけば、問題ない としている資料が多そうです。
眼底検査は、ちょっといやですが、SLEの場合は、どっちにせよ、眼科の検診はありますし、眼底検査は、切らずに血管の検査ができる貴重な検査ですしね。

なんだか甲状腺のプロパジールの使用が2年を越えた場合は、Ancaを検査するというのと似ている気もします。Anca関連血管炎だって、機序がよくわかっていないし、けっこう命にかかわるような腎不全が起きるし、治療もステロイドパルスになるし…と生易しくないようにも思いますが、だからと言って、承認が取り消されるわけではありませんからね。むしろ、バセドウ病の治療薬がメルカゾールだけになる方が、「薬疹がでたら、あとはステロイドか手術」みたいなことになりかねませんから、リスクが高い気がします。

リウマチの場合と比べて、SLEに対してこのお薬を使う場合は、お薬の量も少ないから、やっぱり、使う先生がリスクをよく知って、経過観察をしながらなら、導入の可能性があるんじゃないかなぁと思うのです。

ああ、先生にいろいろ聞きたいときに限って、次の外来が遠いのが残念(笑)

にほんブログ村 病気ブログ←参加中!
クスリのリスクは知りながら、上手に使えるといいね、と思ったらクリックを♪
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本で、どうしてハイドロキシクロロキンはSLEの治療薬として認可されないの?

2009-07-06 | ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
もう何十年も、全身性エリテマトーデス(SLE)の治療は、ステロイドと免疫抑制剤ばっかり、ということを知って、今、新薬は、どんなものが開発されているんだろう、と調べてみました。そしたら、まったく別のことを発見しました!

アメリカやイギリスでは、臓器障害のないSLE患者には、ハイドロキシクロロキン(hydroxychloroquine; 商品名:プラケニル Plaquenil)というお薬を使うことがよくあるようです。米国食品医薬品局(FDA)で1955年4月に承認され、1959年ごろから使用されているとか。

これは、もともと抗マラリア薬なのですが、抗リウマチ薬としても利用されていて、腎臓や肝臓などの臓器障害がない場合、SLEの治療でも非常に効果があるという報告を見かけます。関節痛、光線過敏、疲労感、脱毛、紅斑のような症状が改善するとか、シェ―グレン症候群の口内乾燥が改善するとか言われていたり、ステロイドが効きにくい間質性肺炎でも効果があったという報告もあったり。
まさに、わたしが求めているものでは!?

ただ、日本では、このハイドロキシクロロキンは、網膜症の副作用(網膜での核酸・蛋白合成阻害による)があって、1976年に日本薬局方から削除されたそうです。きれいに削除されてしまっているのが不思議です。
サリドマイドの副作用について、大日本製薬や国と被害者の和解が成立したのが1974年なので、もしかしたら当時の時代背景として、影響があったのでしょうか…。(ちなみに、サリドマイドは、2008年、多発性骨髄腫の治療薬として再度、承認されています。)

アメリカやイギリスでのある統計では、1錠が200mgで1日1~2錠(6.5 mg/kg/day)の服用しても、投与期間が5年までは、網膜症はほとんど起こらないと言われています。
実際に使用している場面では、半年から1年に一度、眼科検診してね、と言われるくらいだとか。
妊娠中は使えないとか効果が出るのに3週間から数ヶ月かかるという面もあるようですが、選択肢が広がるのは捨てがたいです。

※追記: 米国食品医薬品局(FDA)の定義では、胎児危険度分類基準では、カテゴリーCで「リスクについて否定できないもの」でした。(ほとんどの薬剤がここに分類されています。)妊娠を予定している場合は、主治医に服用に関するリスクとメリットを検討してもらって決めるのがいいだろうというところのようです。

海外の治療が絶対とは思わないし、たとえば黄色人種に出やすい副作用の統計が少ないのかもしれないけれど、副作用のない薬はないわけで、ステロイドにもリスクがあることを考えると、承認が検討されたらいいのに…と思うのです。
ちょうど先月、「ハイドロキシクロロキン使用はSLEにおいては安全ではないか」という記事も出ていました。リウマチに対する服用と比べて、SLEの場合の服用は量が少ないのですが、比較的、長期服用しても問題ないという報告もあります。

副作用で入院しても、保険適用されないのかなぁ、なんて勝手に想像を膨らませて、ハイドロキシクロロキンを個人輸入するだけの情熱はないかな…と思ってしまったり、このつらさが楽になるなら、100錠で8,000円(3ヶ月分?)は出す価値があるかもと思ったりしてます。
次の外来(ってずいぶん先だけど)で、このお薬をどう考えるか、先生に聞いてみよっと!

海外でこれだけ臨床データが出揃っているのだから、日本で承認されたらいいのに。そのための治験なら協力してもいいなぁ。

にほんブログ村 病気ブログ←参加中!
こんな知らない薬が当たり前に使われている国もあるんだねー、と思ったらクリックを♪
Comments (56)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする