◇ 5月からずっと静止状態 = 円の対ドル相場が、全く動かない。東京外国為替市場の中心相場でみると、5月1日が109円30銭。先週22日が109円96銭だった。この間5月21日には111円台にまで下がったが、この2か月間は109円―111円の範囲内での小動きにとどまっている。さらに年初からの推移をみても、値動きは112円台から104円台の間に限られている。こんなに為替相場が動かないことは、きわめて珍しい。
その理由は、円相場を上昇させる要因と下落させる要因が均衡しているためだと考えられる。しかも、これらの要因はいくつも重なり合っている。最近の円ドル相場は、まるで複雑な蜘蛛の糸に絡めとられた獲物のように、身動きがとれなくなっているようだ。1ドル=110円前後の相場は、日本経済にとっては好ましい水準だと言えるだろう。だが、こうした膠着状態はやがて崩れる。
たとえばFRBが政策金利を2%に引き上げた。これは日米間の金利差が拡大することを意味するから、明らかにドル高・円安の大きな要因となる。にもかかわらず、そのときの円ドル相場はほとんど動かなかった。トランプ大統領が中国などに対する輸入関税の引き上げを発表。これがドル安・円高の要因となって、金融面からのドル高・円安効果を相殺してしまったからだと考えられている。
さらに朝鮮半島の緊張緩和は、円安要因として働く。原油の国際価格が上昇すれば、これも円安の要因。さらにECB(ヨーロッパ中央銀行)が金融緩和政策の終結を打ち出すと、これも円安要因。アメリカの高金利で新興国からの資金流出も、ドル高・円安の効果を持つ。しかし中国やEUなどが報復関税を発表すれば、円高要因に。国内の政治情勢が安定度を増すと、これも円高要因になりやすい。ところが、これらの要因はいつも同じ効果を発揮するとは限らないから厄介である。
(続きは明日)
≪25日の日経平均 = 下げ -178.68円≫
≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
その理由は、円相場を上昇させる要因と下落させる要因が均衡しているためだと考えられる。しかも、これらの要因はいくつも重なり合っている。最近の円ドル相場は、まるで複雑な蜘蛛の糸に絡めとられた獲物のように、身動きがとれなくなっているようだ。1ドル=110円前後の相場は、日本経済にとっては好ましい水準だと言えるだろう。だが、こうした膠着状態はやがて崩れる。
たとえばFRBが政策金利を2%に引き上げた。これは日米間の金利差が拡大することを意味するから、明らかにドル高・円安の大きな要因となる。にもかかわらず、そのときの円ドル相場はほとんど動かなかった。トランプ大統領が中国などに対する輸入関税の引き上げを発表。これがドル安・円高の要因となって、金融面からのドル高・円安効果を相殺してしまったからだと考えられている。
さらに朝鮮半島の緊張緩和は、円安要因として働く。原油の国際価格が上昇すれば、これも円安の要因。さらにECB(ヨーロッパ中央銀行)が金融緩和政策の終結を打ち出すと、これも円安要因。アメリカの高金利で新興国からの資金流出も、ドル高・円安の効果を持つ。しかし中国やEUなどが報復関税を発表すれば、円高要因に。国内の政治情勢が安定度を増すと、これも円高要因になりやすい。ところが、これらの要因はいつも同じ効果を発揮するとは限らないから厄介である。
(続きは明日)
≪25日の日経平均 = 下げ -178.68円≫
≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ≫