経済なんでも研究会

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EUに迫る 新たなる危機 (上)

2018-06-07 06:29:24 | EU
◇ 反対勢力を鎮静できるか = ヨーロッパ大陸で、反EUの動きが高まり広がっている。イタリア、スペイン、ハンガリーでは、反EU的な政権が誕生した。オーストリア、ポーランド、チェコでも、その傾向が強まっている。ドイツやフランスでさえも、総選挙ではEUに懐疑的な姿勢をみせる政党が議席を伸ばした。発足から26年、いまEUは最も困難な事態に直面していると言えるだろう。

イタリアでは先週、大学教授のコンテ氏を首相とする新内閣がやっと発足した。3月の総選挙で過半数を獲得した政党がなく、大統領による組閣工作は二転三転。第1党となったポピュリズム政党の「五つ星運動」と極右の「同盟」が手を組んだことから、政局はややこしくなった。コンテ氏は中立の立場だが、反EU的な「五つ星運動」からの入閣者が多く、EU離脱を主張する政治家も閣内に取り込まなければならなかった。

スペインでは1日、下院でラホイ首相に対する不信任案が成立。7年間続いたラホイ内閣は総辞職した。後任には中道左派「社会労働党」のサンチェス書記長が就任したが、「社会労働党」は少数与党。いくつかの政党と組まなければならない。そうした政党のなかには反EU的な政策を掲げているところも多い。サンチェス氏自身も、EUの緊縮財政路線には反対している。まだ組閣中だが、いずれにしてもラホイ内閣よりは反EU的になるとみられている。

ハンガリーの場合は強烈だ。4月の総選挙で圧勝したのは「連合」で、オルバン党首が首相に再任された。ところが、この政党は選挙中「移民の排斥」しか公約しなかった。EU離脱には慎重なようだが、移民反対だけで選挙に圧勝したことに専門家は驚きを隠せない。東欧圏ではオーストリアが難民問題に厳しい「国民党」が第1党に。またチェコでも、ポピュリズム政党が勝利を収めている。

                             (続きは明日)

       ≪6日の日経平均 = 上げ +86.19円≫

       ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ


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