経済なんでも研究会

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米中貿易戦争の 行くえ (上)

2018-06-19 07:38:03 | 貿易
◇ 二段構えの真意は何か = トランプ大統領は15日、とうとう中国に対する制裁関税の発動を公表した。中国製品500億ドル(約5兆5000億円)分について、輸入関税を25%上乗せする。ただ実施は2段階に分け、最初は7月6日に発効する340億ドル分。残りの発効日は決めていない。対象となる品目は1102品目に及び、産業用ロボット、電子部品など。国民生活に直接関連する携帯電話やテレビなどは除外した。

中国政府は、すぐさま反応した。アメリカ産の大豆やトウモロコシ、牛肉、航空機、自動車など500億ドル分に25%の関税を上乗せ。そのうち第1段階として、7月6日から340億ドル分について実施する。このように中国側の対応措置は、金額や時期をアメリカの決定と全く一致させた。少なくとも、相手側の制裁を上回るような報復は避けたことになる。

アメリカはなぜ実施を2段階に分けたのだろう。国内業界との調整に手間取っているという情報もあるが、それよりは第1段階を実施したあと、ひと息入れて再交渉に臨む時間を作ったような気がする。米中両国は5月以降3回にわたって、閣僚級の貿易協議を開いている。だが、そこでの合意に失敗し、今回の関税引き上げ競争に至ってしまった。

中国は知的財産権を侵害している。これがアメリカ側が制裁に及んだ理由だ。具体的には技術移転の強要などだが、国有企業に対する補助金の支給についても議論は割れたまま。アメリカは鉄鋼などが不当に安い値段で輸出されていると非難するが、中国側は国営企業を育成する重要な政策手段だと考えている。この問題で歩み寄りが出来ないと、仮に協議が再開されても戦争終結は難しいかもしれない。

                                 (続きは明日)

       ≪18日の日経平均 = 下げ -171.42円≫

       ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ

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