タイを見たフィリピン人
マカティ市内で「観光客がすごく多いですね」と、フィリピン人の億万長者が言った。
豪華なホテルにはたくさんの観光客が予約して朝食を食べていた。
タイのバンコクにある高級モール「セントラル エンバシー モール」にはその 20 倍の観光客がいることに、億万長者は気づいていなかった。
タイで事業をしてきた友人と億万長者と3人でコーヒーを飲み交わした際の話である。
億万長者がタイへ出向いた時、王宮の敷地内だけでも世界中から何千、何万もの観光客が訪れている状況を見た瞬間、羨ましさで死にそうになった。フィリピンの観光客すなわちインパウンドの数はたかが知れていると笑いながら言い出した。
タイは2024年度の訪れる観光客数は3600万人と見積もり、最初の3か月で937万人、つまり2024年度フィリピンの一年分の予定観光客と言われる820万人をタイは3ヶ月間で観光客が訪れている。と聞かされた話を始めた。
ビジネスマンらしく、タイ王宮を訪れる外国人観光客は、平均して、毎年 800万人が1人あたり 500 バーツを支払う。入場料を払う人が 500 万人だけだったとしても、観光地 1 つの施設だけで 25 億バーツになる。フィリピンの金額で41億ペソの入場料収入にも及び、仰天して泣き出しそうになった。
バンコクだけで、ホテルや Airbnb の宿泊施設、食事、サービス、交通、ショッピングでどれだけの収益を生み出しているかすぐに想像がついた。
20 年以上前にタイが観光事業開発計画で開発した他の人気観光地は、バンコクには含まれていないと聞かされてさらに驚いた。
億万長者がバンコクで結婚式に出席した際、観光客への羨望の念を抱いた。
たしかにバンコクの交通は悪名高く、おそらくマニラ首都圏よりもひどい。
しかし、Grab、トゥクトゥク、または様式化された三輪車、バン、バス、そして地下鉄「MRT」や高架を走る鉄道「BTS」の公共交通機関は整備拡大され安心な乗り物として営業している。
運河タクシーも運行しており、きれいなエステロに沿って 10 分ごとに乗客を乗せ運行している。
大きな川のフェリーは、パシッグ川に似た川を 10 分ごとに 100 人以上の乗客を乗せて運航しており、地元の人でも外国人でも料金は 40 バーツ(65ペソ)で安く安全に利用出来る。
バンコクの川のフェリーターミナルはパシッグ川沿いのものよりはるかに大きく、また、多くの観光客が集まって利用するからか、川専用の海上警察も配置されていた。
マラカニアン宮殿が川沿いにあることから治安に対する不安が潜むパシッグ川とは異なり、バンコクでは、何百もの水上船や商用船が海軍基地、寺院、神社などのそばを通過している。
単に歩くだけで、ショッピングモールや主要な交通ハブを結ぶ、近代的な高架で完全に日陰のあるプラットフォームの下を歩ける。路上の人の往来が大幅に減少し安全が保たれている。
この解決策は、1平方キロメートルあたりの人口密度がバンコクの約10倍あるマニラ首都圏と比較、確かに、マカティやB G Cはじめマニラ首都圏はいかに遅れているか理解できた。
バンコクは超大型のショッピングモールが数多くあり、8階以上の建物で、そのうちのいくつかは1ブロック以内にあることから、「世界のショッピングモールの中心地」という称号を獲得すると言っても過言ではない。
アイコン サイアムのようなショッピングモールは、食べ物や商品、さらには観光客向けのショップまで揃っていて、タイ人の人々はもちろん訪れる外国人を本当に魅了する大型ショッピングモールが構えている。
特筆すべきことは、バンコク周辺を歩いたり乗り物に乗ったりしていると、道路や歩道がマニラ首都圏よりもきれいで、腹の出た醜い警察官や、交通取り締まり員や警察もほとんどいないことに気付いた。
移動で乗ったGrabの運転手の一人は、20年前からタイの児童は学校で、ゴミを捨てないように、またゴミ収集時以外は家の外に家庭ゴミを放置しないようにと教育・訓練されている。タイは、地域によっては、指定エリアやゴミ箱が設置されている。また、1 日に 2 回清掃が行われるため、通りがきれいだ。ゴミ箱や空き缶が十分にあること、そして公衆トイレでさえ、人々が本当に清潔さに気を配っている。と聞かされGrabの車両の綺麗さと客を安心させる運転に驚きながら、その教育にも驚いた。
警察官が少ないことについて質問をした。理由は、運転手曰く、警察の目と耳となっている多数の CCTV カメラが設置されてるからだ。人間の法執行官の代わりに、デジタル化が進んでいて、違反すると、2 週間以内に郵便で罰金通知書が送られてくると教えられた。
タイシルクの復興と世界的普及に貢献した人物を記念するジム・トンプソン博物館を訪れた後、地元のタイ人数名に出会い、輸出と観光向けに地元で作られた製品を促進する近くの政府施設で限定販売が行われていることを見た。
地元の人々と何度か触れ合ってみて、タイ人は王室、伝統、権威を強く尊重していることがわかった。彼らは自発的に政府機関を推進し、観光客を騙すような行為を容認せず、観光客には評判の悪い地元のタクシーやトゥクトゥクではなく、Grab を使うよう教えている。
専用の警察病院や、コーヒーショップなど「キャンプ」の商業ニーズを取り入れた敷地も視察した。フェンスで囲まれて一般の目に触れないクレイムキャンプやアギナルドキャンプとは異なり、ここは透けて見えた。そして清掃が行き届いていた。
全体的に、バンコクの観光業が成功しているのは、制度やサービスが機能しているからだとわかった。
フィリピンのように、地方政府と中央政府が対立して政治化されることはない。おそらくタイの観光開発計画は継続性、焦点、観光客のニーズや期待への対応力によって成功したのであって、政治家の力ではないと理解できた。
フィリピンの観光業が成功するには、政治を排除し、政府と民間部門からの投資と適切な事業計画に基づき、政治任命者ではなく経験豊富で有能な専門家によって管理されるビジネスのように運営する必要がある。
外国人は昼夜を問わず、安全に危害を加えられることなく歩ける。
外国人を見たら手を出したり、スリを行う。或いは危害を加えるフィリピンとは比較にならない。
インパウンドを活性化するには、観光客が1番の印象を受けるホテルである。
タイのホテルは、スタッフが非常に少ない。それでもしっかりと対応をしてくれる。
そして、非常にコストパフォーマンスが良い。しかもホテルの設備、セキュリティもしっかり確保されている。
観光客が安心して徘徊できる街づくりに感銘を受けた。
これからでも遅くはない。観光にお金をつぎ込むのではなく、観光から収入を得る。この基本を細かに分析し、観光客はもちろん、現地で暮らすフィリピン人も安心した環境で暮らせる街づくりを行いたい。
あと50年かかるかな・・・・・と空をあおぎながら、50年もの無駄な時間を投資するのであれば、明日にでもタイへ移住、タイで商売した方が早い。と爆笑していた。
フィリピンには「敬客愛品」という精神を理解できる人がいない。
無駄な人生を過ごした。と真剣に話をしてくれた。
たとえOFWといえ、池の鯉大海を知らず。目の当たりにしてもなぜそうしなくてはいけないのか。そこまで深入りしない民度なのだろう。
したがって、いまだに、この汚い街並みが改善されることなく、業態すら昔のままなのだ。
改革を行おうとする人々がいても、結局は目先を追う者達に踏み消されてしまうのかもしれない。
億万長者は一隻の釣り舟から初め、遠洋漁業をすることなく、近海漁に徹し、今では100隻もの漁船を持つ大実業家になった。
香港で知り合ってから、今でもお付き合いをしている。タイへ出向いたショックは隠しきれない様子でした。
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