ブガウに見放された日本人

久しぶりにマラテで有名なブガウに会った。

特徴：とにかく顔を見る限りやられそうな顔をしていて、歯はあちらこちらが抜けている。とにかく太っている。

このブガウとは６年目の付き合い。
見かけからしてなかなか危ないですと自ら誇示しているような様相。によらずなかなかのお人好し。で現在もブガウなんです。
結構飲食業の社長様に好かれるタイプ。小銭は取れても大金は決して取れないブガウ。
顔見るなり１００ペソ貸して。客いなくて飯も食えない。・・・・・相変わらず面白い事を言ってくる。笑って終わり。

マラテ通りやエーマビーニで去年から見かける一見不審な日本人がいる。
このブガウが昨年はいつも一緒に近辺や起きや案内していたのだが。
見るからに一癖ありそうなこの日本人。このブガウを小間使いのように使っていた。
去年１１月くらいにブガウが日本人から突然離れ、最近ではいつも一人で主にこのマラテの安ホテルのガードと話している姿を見かける。

ブガウが離れるには、喧嘩別れ。客自身が学習、手数料支払いがばかばかしくなり断る。客自体が金に乏しくなる。等が多い。

ブガウに聞いてみた。
・まだ日本人食ったのか？
「違います。あの日本人無職でどうやら金がないようなので。」
・この近辺に住んでいるんでしょう？
「あの日本人はホテルのお金払えなくなったので、チェックアウトしました。」
・じゃどこに住んでいるの？
「私かわいそうでしょう。あの文無しの保証人にまでなってアパテル借りてあげたんですよ。」
・最近は世の中変わった・・・・・

昔は日本人が貢人。今はフィリピン人から金を取る人。

ブガウ曰く、あの日本人は　
「義理も人情もない奴と激怒している。散々親分肌気取って小間使いさせておいて、金が無くなったら媚売ってきて、挙句の果てに飯まで食わせてやった。あいつのボスがいなければ別に関係ないのだけど。たまに金あるようなんだけど、金あるときはこのあたりには出てこないよ。一人で上手いもの食ってる。」

どうやら、不法滞在しているな。ビサのエクステンションする金も無く、日本からもボスが金持ってきていないようだから。

・あの日本人もうすでにビザは切れているでしょう？
「そう。あの日本人はもうすでに１ヶ月以上オーバースティーです。」
・理由をつければオーバースティーでも罰金を支払えば出国ができるけど、下手に警察などに摘発されると面倒なことになるからね。
「幾ら言ってもあの日本人頭固い。」
・言葉が通じないのでは？
「全部日本語。何いっているかわからない事が多いですよ。」
・あなたガイドだから。
「神様どうぞ早く日本から金が来て草々に日本へ帰国してくださいますように。アーメン。」

この日本人はマラテ界隈で、全く言葉ができないのにもかかわらず、このあたりの人はすべて日本語が通じると勘違いして仕事中のガードへ声かけては迷惑がられている様子。
ブガウが思わず口にした言葉
「ワラン　ウータン　ロオブ」　（義理のわからない人）　の日本人といわれるほど。

行動半径は決して広くは無いのだが、身なりはきちんとしている。時間をもてあましているのか、暑い時間帯は「日本人ブランド」でホテルなどのロビーで休んでいる。
お金に相当困っているようで、ホテルなどの従業員へ、ジーンズ、偽時計、携帯電話、日本から持ってきたＴシャツまで売りながら食費に充てているようで、よくパンパシフィックホテル横のトロトロで食事をしている姿を見かける。

とあるホテルのベルボーイに相談に乗ってあげてはといわれた。はっきり「遠慮しております。」と答えた。ブガウの話を聞いただけで「かかわりたくない」
フィリピン人から「ワラン　ウータン　ロオブ」と言われるということは、フィリピンの風習を全く知らないのか、日本人ブランドを行使しているかのどっちか。
金があるときは一人で上手いもの食っているといわれるくらいだから「ワラン　ウータン　ロオブ」なのかも。
本人は気づいていないようなのだけれど、この近辺のブガウは都合の良いことは縦横の連絡網が凄い。どこで誰が何をしていたなどはすぐにテキストで送られるほど。
なかなか侮れない連絡網を敵にした場合、すべての行動が一目瞭然に分かってしまう。　

年のころ４５歳から５０歳くらい。当初見たころにりなんとなく痩せてきたようにも思える。
今日日本からボスが来る。といい続けて約１ヶ月目。今ではこの界隈のブガウ連中も挨拶すらしなくなってきたようだ。

日本大使館へ出向いて相談すればすぐに解決は付くのだが。
界隈を歩いている姿は、なんとなく何かにすがりたいようにも見える。

気を引き締め、明日はわが身にならないようにしよう。