市村清さんが、どういう風に会社を立ち直らせたかと言いますと、
まず、アメリカの三つの特許の使用権を得て、自分が神様から得たアイディアで
それを結び合わせまして、そして電子リコピーという、非常に優秀な複写機の発明を
完成させたのです。それでぐーっとリコーの経済状態が立ち直ったのであります。
今では(昭和四十年当時)この複写機は、日本中で一番売れていて、なんでも七十%のシェアを持って
いる素晴しい事務器械の会社にリコーは蘇生したのです。見事に蘇(よみがえ)ったわけであります。
これはすべて、法則によるのです。つまり、心の世界に希望の成就する様を描いて、
そして‘ 神様に波長を合わす ’ んです。神はどんな希望でも、正しい希望なら実現さすところの
不思議な力を持っていられるわけです。‘ それ ’に波長を合わしさえしたら、
あとは法則が自(おのず)と実現させてくれるというわけです。
皆さんは、ただテレビのスイッチを入れて チャンネルを合わせて、そして微調整して
放送局の電波に合わしさえしたら、あとはどうこうしなくてもいいんです。
法則が、放送局にあるものをそのまま われわれの眼の前に象(かたち)として
現わすということになるのです。
【 努力しなくとも法則が希望を実現させる 】
その放送局に当るのが、神様のお創りになった実在の世界、実相世界であります。
そこで われわれは、常に実相世界に存在する善きものに波長を合わす練習をすることが
必要になってくるのであります。
次に実相世界からの波長に合わしましたら 自然に内から動いて来る動きを止めることなしに、
発明でも何でも思い付いたら 思いついた動きを直ちに実行しなきゃ駄目なんです。
祈っているだけではいかんのです。
そのことについて、テキストの九十六頁には、「“ 希望 ”はこれを妨げない限り
法則が成就する 」 と題して、こう書いてあるのであります。
『 あなたが百貨店のビルの七階の屋上(ルーフ)に立って 下を瞰下(みおろ)す。
そしてあなたの希望する物を百貨店の売場で買って来て 既に手に握っていると想像せよ。
屋上は、「 心の世界 」 の譬(たとえ)であるとし、百貨店は、何でも凡(あら)ゆるものが
用意されている 「 実相世界 」 の譬であるとし、瞰下されている 「 下界(げかい) 」 は
現象世界( われわれが肉眼に見える世界 )の譬であるとせよ。
そして、あなたが手に握っている物は 「 あなたが下界 即ち現象世界にそれを実現したいと
思う希望するもの 」 の譬であるとする 』
こう考えなさいと ここには書かれているのです。
そしたら あなたは、その百貨店の七階の屋上から腕をつき出して ただ掌を開くだけで、
あとは落下の法則、つまり地球の引力で物が落ちる法則ですね、その落下の法則が
その屋上で握っておった物を下界まで、運んでくれるのです。
なにも自分が努力して、その握っている物を押してやらなければ下へ落ちないという
わけじゃないのです。法則がそれを実現してくれるのである、と。
― こういうように書かれているわけなんであります。
しかし、努力して押す必要はないと言っても、それなら なにもしないのがいいのか、というと、
そうじゃないのであります。
つづく・・・