ORGANIC STONE

私達は地球を構成する生命を持った石に過ぎないのですから。

柘榴と手榴弾:American Idiot(2004)/GREEN DAY

2006-11-09 18:54:44 | 音楽:オルタナティヴ、プリーズ!
American Idiot(2004)/GREEN DAY

 オルタナ3連発第2弾はグリーンデイ。アメリカを代表するパンク・オルタナ系バンド、1989年結成、カリフォルニア出身の3人組。「グリーンデイが好きだ」といかにも平均的アメリカ人に言ったら、露骨にやな顔されたぞ。それでこそパンク。一般大衆に好かれてどうする。この明るいアナーキズム溢れるアルバム、明確に現在のアメリカに中指立ててます。このアルバムからのメガヒットシングル「Wake Me Up When September Ends」は、9.11のことを歌った歌。ダイレクトにテロのことは歌っていませんが、「9月が終わったら、起して欲しい。失ったものを決して忘れる事は無い。」と歌われれば、あの9月のことしかありません。

 血の流れる心臓型手榴弾を持つ手をシンプルに描いたイラストのジャケットのこのアルバム、ジャケットイメージのままシンプルで分かりやすい、ポジティブ・パンク。どの曲も明るく覚えやすいメロディーで、完成度の高い一枚です。ビルボードで初めてNO.1売上を記録した記念すべきアルバムでもありました。アルバムコンセプトは"the propaganda."、目指すのは「ロック・オペラ」。たとえば、いくつかの短い曲を組にした「Jesus Of Suburbia」は、組曲としてストーリー性を持たせ、一曲一曲際立った個性で、曲の繋ぎも職人芸。 ビデオもある若者の体験をストーリー仕立てで見せてくれます。また、このビデオは、彼らが計画しているという映画「American Idiot」にも関係あるらしい。「Wake Me Up When September Ends」のビデオも7分のストーリーで、こちらも感動させてくれますが、私のお気に入りはアルバムの1曲目「American Idiot」のビデオ。余分なストーリーが入らず、曲の荒削りな疾走感をそのままに、がっつんがっつん体のばね利かせてプレイするメンバーがかっこいいです!そして最後は緑の液体がどわーっと流れるだけなんですが・・・色もアクションもとても曲に合っていると思います。監督はサム・バイヤー、MCR「Welcome To The Black Parade」と同じ監督。
見たい人こちら→「American Idiot」

 歌詞がメンバーのノート手書き風にデザインされているインナーもお気に入りです。ボールペンで書きなぐってあったり、紙を貼って修正してあったり。決して新しいアイデアではありませんが、バンドの洗練されたとは言いがたいイメージ(つまり生意気なパンク野郎)にぴったり。現在ネットでダウンロードすることが音楽を購入する主流となりつつありますが、私はあくまで現物購入にこだわりたいです。このアルバムのインナーに代表されるような、音楽を包む入れ物:ジャケット&インナー、そしてCDレーベルも、彼らの自己表現の一つです。もちろん音楽は音楽として楽しめばいい。しかし、自分たちの生み出す音楽にこだわる人ほど、それを包むパッケージにもこだわります。もちろんネットDLで購入しても、ジャケットやインナーデータもDL可能です。が、自分でプリントアウトしたとしても、色もクオリティも違うのです。デザイナーはテクスチャや紙質を考え、作品として一連のデザインを行います。ネットDLでの購入は、ジャケットのデジタルデータを各自DLし、パーソナルプリンターでコピー用紙にプリントしたりする。いや、プリントさえしない。それはデザイナー(特にDTP)にとっては嘆かわしい行為なのですよ・・・

アルバムリスト
39/Smooth(April 1990)
Kerplunk!(January 7, 1992)
Dookie(February 1, 1994)
Insomniac(October 10, 1995)
Nimrod.(October 14, 1997)
Warning:(October 3, 2000)
American Idiot(September 21, 2004)

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