白い月

白い月

遊行期

2015-10-18 15:50:16 | 心事ポエム

それは いつも そっと 差し出だされる

 

見るともなく 見えるともなく

私の前を横切ったり 走り去ったりする

時を経て合点、 得心の繰り返し

気づいても知らんふりする時もある

眩ゆい歓喜に泪する 至福を浴びた日の記憶もある

 

劣化しながら  泡立つ夜の闇が消えて

晩秋の空気が冷たい朝 ゆっくり覚醒するわたし。 

 

穏やかな死よ やさしい生よ。

 

腕を回す 許容範囲をまず確認し

眺めやる  遠い山なみ 動かぬ大地。

朝もやの中から立ち上がる太陽を待つ間の

四肢の息災を確認するわたしのルーテイン

 

昨日 若いシメが ガラスに激突して失神した

目を閉じ 口を開けて半時後 

誰かが呼んでいる声に小さく応えて去って行った

 

何が起きても 不思議ではない  《今日の出来事》 

光りの中に さりげなく 何事もなかったかのように 

幽かな呼気を残して還って行った     

 

 

 



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