冷えて 星も凍り付いた
やせ細った白い月に今年最後の夜を讃えよう
昏い物影にも密やかに差し伸べる光の手
凍った川に迷い込む冬鳥にやさしく息を吹きかけ
在りもしない手で 水色のレースを拡げる
銀色の巻き毛をかきあげてピンでとめる
あなたの起こした乱調の兆し
取り乱したまま 夢見心地のそぞろ歩き
腕の中から するりと身をかわす
解き放たれた猫のように
うっすらと けだるい終わりの月
さらさらと
仄暗い彼方へ傾きながら
ひたすら記憶を遠ざけようとする
すり抜けて逝く陽よ 月よ あなたよ
何処へ帰る
此の世を浸しつくして消える日々のいとしさよ
やせ細った白い月に今年最後の夜を讃えよう
昏い物影にも密やかに差し伸べる光の手
凍った川に迷い込む冬鳥にやさしく息を吹きかけ
在りもしない手で 水色のレースを拡げる
銀色の巻き毛をかきあげてピンでとめる
あなたの起こした乱調の兆し
取り乱したまま 夢見心地のそぞろ歩き
腕の中から するりと身をかわす
解き放たれた猫のように
うっすらと けだるい終わりの月
さらさらと
仄暗い彼方へ傾きながら
ひたすら記憶を遠ざけようとする
すり抜けて逝く陽よ 月よ あなたよ
何処へ帰る
此の世を浸しつくして消える日々のいとしさよ