知識の階層

http://blog.livedoor.jp/med_nyc/archives/51191183.html
より


最近はスーパー・スペシャリストというのを意識しています。

知識の階層化
１．医学生や研修医の誰でも知っている知識。
２．内科医が知っている知識。
３．専門医が知っている知識。（僕の場合感染症）
４．専門医の中でも特定の分野にSubspecialize された知識。（僕の場合HIV/AIDS）
５．さらにSubspecialize された知識の中での絞られた分野での知識。

リサーチのテーマを決めてからその限られた範囲の論文をひたすら集め、読んでいます。すなわち、５．にあたる知識を広めるということです。自分の絞った分野の論文ならば殆ど目を通していると思います。５．のテーマだけで大体200～300程度の論文に目を通す必要があるでしょうか？（全部は読みきれない）

その分野で活躍している人の名前はほぼインプットされて、どこの施設は５．の中でも特に何が強いのか（さらに絞られた６．という階層が存在する）が把握できて来ました。

２．の内科医としての知識としてUSBフラッシュメモリに入れていた800近くの論文は本当にジェネラリストのための最低限の論文で「広く浅い」テーマが多かったんだなー、と思います。最近はもう使っていません。だんだん古くなってきたので過去に自分がどれだけ頑張ったのかを示す、郷愁的な意味でしか存在しない論文のコレクションです。

３．の感染症の論文関係はフェローになってからやっぱり増えてきました。内容もエビデンスなんて言ってられない、とにかくデータが欲しいというものにもなってきています。でもまだまだ浅いんですよね。中身が。

実はこの階層の２．や３．の知識を４．や５．に力を入れながら保つのは至難の技です。殆どの人はギブアップしています。僕はシングルで「自分の家族と過ごす時間」というものがないのでこの時間をきっと２．の知識の補充に当てているような気がしますね。いいんだか、悪いんだか、、、イヤ、イト悪シ

感染症フェローのプログラムでも臨床志向のプログラムならば、３．＞ ４．という比重で勉強すればいいのですよ。Clinical Track な方は。
リサーチを重視すると、３．＜ ４．＜ ５．という比重にしないと戦えない。



恥ずかしい話ですが、Citation Software というものを使い始めたのはつい最近の話です。Division Chief に1年目のうちに使い方をマスターすることを言われました。今回のエレクティブでかなり使いこなせるようになりました。今ではこれがないと文章が書けません。自分の思考をまとめるのにもCitation Softwareを応用しています。

リサーチ期間がもうすぐ終わりますが、クリニカルな能力もあがったような感覚です。論文を扱うことや解釈の仕方にちょっと変化が出てきた。クリニカル・リサーチを本格派のもとで勉強させてもらうと色々タメになります。