MN files

復習命

斉藤 滋 先生のプレゼン方法

2008年12月18日 11時41分55秒 | 学会,idea集
1) プレゼンテーションは内容です

プレゼンテーションの目的は何でしょう。色々な場面でプレゼンテーションが行われます。その中には政治的あるいは 宗教的色彩に濃い主張もあるでしょう。あるいは私たちが日頃行っている医学の学術的科学的主張もあるでしょう。 その背景が何であれ、プレゼンテーションとは、他者に対する自己主張です。相手に、自分の考えていることを如何に 納得させるか、それが重要なのです。
自分の考えていることを相手に納得させるためには、私が思うにいくつかの要件が重要です。

自分の主張の中に、相手が冷静に納得せざるを得ない合理性がある
限定された時間内に相手に理解してもらう
この中で最も重要な要素は言うまでもなく内容です。特に、発表内容が科学的主張に基づくものであれば なおさらのことです。科学的内容についてのプレゼンテーションであれば、内容が空虚であれば、誰も納得しない でしょう。

では内容が良ければ、それで相手を納得させるプレゼンテーションになるか、と言えばそんなことはありません。何故ならば、 プレゼンテーションでは、限られた時間内に、相手に自分の主張を納得させる必要があるからです。発表する自分は、その 内容や論理展開について当然のことながら良く分かっているでしょう。しかし、相手はほとんど無知の状態からその内容を 理解せねばなりません。こう考えると更に重要なことがわかってきます。

相手に短時間で理解してもらうためには、自分の論点を整理し、複雑な論理を隠し、自信を持って要点を 述べていくことです。これは学会発表の抄録あるいは、論文のAbstractと同じです。しかしながら、ここにも落とし穴が あります。多くの人々は、学会発表は流暢に 行うことができても、論文を書くことは苦手です。何故なのでしょう。その最大の理由は、 発表は相手の論理的理解を得ることなく行うことも可能だからです。論文の場合には、研究の方法論の妥当性と根拠、そして データの正しさ、さらにデータ解釈の正当性などが相手により詳細に検討されます。その上で、結論および結論に至る論理展開 も相手に詳細に検討されます。つまり、いかなる隙も見せられません。
これに反し、発表においては、相手が論理的についてくることは困難であり、演者の"勝手な"論理展開でも何となくそれらしい 発表となってしまうのです。

ここであらためて記すのもどうかな、と思いますが、プレゼンテーションに必要なのは

プレゼンテーションする内容の目的・意義・あるいは現在の問題点
もちいた方法論
得られた結果
考察と結論(主張)
以上のようになります。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿