想い出のモスグリーン

高知のリハーサルスタジオ【プレイヤーズラボ】の店主のブログです。

三谷さんのギター

2016-12-24 10:37:48 | THE GUITAR
12月23日、金曜日、天皇誕生日。
メロディックパンクバンド、Abnormal Cooking Schoolのギターボーカルを担当する三谷さんのギターを見せてもらった。


メタリカや10-FEETの影響で入手したというギブソンのゴシックシリーズのエクスプローラーだ。
3、4年前にヤフオクで落札したものだというが、果たして三谷さんは落札者として、非常に良い・良い・どちらでもない・悪い・非常に悪いのどの評価を受けたのであろうか。気になる人は直接三谷さんに聞いてみてはいかがだろう。年明けの1月15日には高知X-pt.でライブらしいのでチャンスですぞ!


まずボディの塗装に関しては、元々はつや消しブラックだったものを、前オーナーの手によって塗装がキレイに剥がされていた。
そして三谷さんの手に渡った後、激しいピッキングによりボディのショルダー部は木部が削れてしまっている。

フロントピックアップは1弦側にテープが貼られているが、これはピックアップのボビンに1弦が引っ掛かるのを防ぐためのもの。ちなみにリアピックアップはダンカンのSH-5に交換されている。


回路的にはリアピックアップとリアのボリュームしか生きてないため、そこだけハットノブから、コントロールしやすいスピードノブへと交換してあるのだ。
このエクスプローラーを、愛用のアンプであるメサブギーのレクチファイア、足元にはボリュームペダルのみというシンプルな構成で鳴らす。そのサウンドは、ミドルが強く、ヌケが良い訳ではないが、音の伸びは良いとの自己分析だ。

ところで、エクスプローラーに至る迄のギター遍歴はどうかというと、エピフォンのレスポール、ギブソンのレスポールと2本続けてレスポールを愛用していたらしい。そして、このエクスプローラーが3本目のギターとのことだ。



だが、それは嘘だ。

嘘なのだ。


本当は短命で終わった別の3本目が存在したのだ。
グレコ RG-550。
リッケンバッカーのコピーモデルである。
ピックアップのハウリングが酷かったため、グレッチのハムバッカーに交換して使用していたそうだが、うっかり倒してネックを折ってしまい、数回のライブで使用しただけの短命に終わってしまったそうである。なので、RG-550に関しては数に数えていないのだそうだ。
したがって今回紹介したエクスプローラーが三谷さんにとっては3本目のギターであるとともに、三谷さん以外の人類にとってはあくまでもエクスプローラーは4本目であるという見解の相違が生じてしまうのである。
これはどういうことかというと、最近オーパス本店にて新たに入手したというギブソンのファイヤーバード2017年モデルが、4本目のギターなのか5本目のギターなのかという新たな問題を生み出してしまったということに他ならない。

これが嘘の恐ろしさであり、永遠に連鎖を繰り返していくのだ!


三谷さんは語る。

「エクスプローラーは信頼できる親友であり、ファイヤーバードは一目惚れした恋人ですね」



あ、はい。

一生もの

2016-11-24 09:42:08 | THE GUITAR


この高級感漂うギターケースに収められているのは、トリノレッドが美しいフェンダーカスタムショップ製のストラトキャスター・エリッククラプトンモデル。



KS委員会のしゅうじさんがこのギターを入手したのはいつ頃だったのだろうか。
聞くのを忘れたから分からない。
だがその時、しゅうじさんは一生もののギターを買おうと決意して大阪の地に降り立ったのだ。向かった先は三木楽器アメリカ村店だった。
お目当てのギターは決まっていて、フェスタレッドのストラトキャスター。
だが、店内に展示されていたそれはレリック仕様で、現物を見たしゅうじさんは「なんか汚らしい」と感じたそうである。

「なんか汚らしい」物に大金をつぎ込み一生大事に使い続けられるだろうか…
そんな迷いが生じたしゅうじさんの目に、にわかに別の赤いストラトが飛び込んできた。

あっぶ…

マークケンドリックの仕業である。

希望していたフェスタレッドでは無かったが、とりあえず試奏させてもらうことに。三角シェイプのネックはこれまでにも握った事があったが、そのどれよりも作りが良く握り込みやすい。しかも、極上のバリトラという見た目も手伝って、しゅうじさんの心は激しく掻き乱されたのだ。



狙い続けてきたフェスタレッドか、一目惚れのトリノレッドか。
悩めるしゅうじさんは三木楽器の店内から、何度も何度もバンドメンバーの竜一さんに写真を送ったり電話をかけたりしたそうである。

その時、竜一さんは「写真じゃわからん」と伝えたという。

こうして、三木楽器アメリカ村店が売りに出したばかりのストラトキャスターは、わずか2日程で高知のバンドマンに売れてしまったのだ。

よりどりみどり

2016-11-22 09:36:13 | THE GUITAR
なんのきっかけだったか忘れたが、ちょっと前に、嫁さんに「俺はどうも緑色が好きながやにゃー」と話しかけたら、「そうやおね」ととっくの昔から知ってます的な態度で返された。
色の好みは人それぞれだが、僕の印象では物の色として緑色の人気は低いのではないかと感じてきた。実際はどうなのだろうか。こんなミドリやこんなミドリはなぜミドリであるのか。

さて昨夜の事。

ある日、市販のギターでは見かけない「黄緑色」のギターが欲しいと思ったアルパカスのサトミさん。
Yahoo!知恵袋でも黄緑色のギターについて質問をしてみたのだが、希望する探し物には辿り着かなかった。
諦めきれないサトミさんは、無いならば手持ちのギターを黄緑色に塗装するしかないと思い、オーパスのMさんに相談をしてみた。すると、ストラトのボディのリフィニッシュ費用として4~5万円という見積もりが出された。

だが、サトミさんは費用を抑えるために自分で再塗装することにしたのだ。
まずは希望する黄緑色を探すためにネットの画像検索で世界のあらゆる黄緑の物を見比べてみたそうだ。
そして、サトミさんの目に留まったのが、どこかの誰かが作ったバイクのプラモデルの画像だったのだ。

カワサキグリーン
である。
なぜ実車ではなくプラモデルだったのかという謎のカワサキグリーンである。


ついに希望の塗料を見つけ出したサトミさんは、ネットを通じてバイク店から塗料を取り寄せ、その他必要な物を揃えていよいよ作業が始まった。


まずは分厚い塗装を剥がす作業から始まった。ドライヤーで熱を当てながら、庭に落ちていたヘラのようなもので剥がしていった。
剥がし終えれば、続いて砥の粉→プライマー→シーラーで下地処理をし、サーフェイサーを吹いたら、いよいよカワサキグリーンだ。やっほー!


嬉しそうな笑顔でギターを紹介してくれたサトミさん。
画像では分かりづらいが塗装の仕上がりは決して綺麗ではない。
前の塗装の剥離が不完全でボコボコだったのだ。ある程度は均し作業をおこなったのだが、それでも塗装職人の仕事のようにはいかなかった。

ギター内部の配線等については自分ではできないので、オーパスに依頼する事に。
黄緑色に塗り替えられたストラトキャスターを見たオーパスのMさんは「ダッサ…」と心の声を吐露した後、プロに任せれば綺麗に仕上がったのに~と楽器店としては当然の見解を述べたそうである。

このギターは誰に見せても「ダサい」と言われるらしい。
だがそんな中、高知のバンドマンでただ一人、「サトミくん、オシャレやね~、ギターも私服もオシャレやね~」と褒めてくれる人がいた。ロックバンド「Z○○○○○」のベーシスト、Mーさんである。


今回はサトミさんの方から是非見てほしいとのことで、このギターを紹介させてもらったが、実は最近僕も自分でギターを塗り替えたばかりだった。色も緑系だ。だが、やはり仕上がりは雑である。
ついでだからそのギターの画像ものせておこう。きっと多くの人がダサいと思うのだろうな…。




中越千春

2016-09-16 16:27:37 | THE GUITAR


ある日、ネットで知り合った東京で活動するシンガーソングライター・片山さゆ里さんの誘いを受け、東京でライブをしてみることになった中越千春さん。実はそのライブの共演者の中に、先日当ブログでも紹介させてもらった中村アリーさんがいたのです。そこで、中村アリーさんが同じ高知出身ということを知り、なんらかの影響を受け1年程前に上京したのです。現在は東京を中心に月1回ペースでライブ活動をされています。

そんな中越さんが、帰省中の本日夜、高知Cafe'de Blueで主催ライブをします。
練習に寄ってくれたのでギターを見せてもらうことになりました。

普段はギブソンハミングバードで弾き語りをしている中越さんですが、現在調子が悪くなっていて、修理がライブに間に合わないということで、急遽フェンダーメキシコのテレキャスターに持ち替えてライブに臨むようです。
このギターは大学時代に組んでいたパノラマジョーカーというバンドで使用していたもので、ギターショップ・スローハンドで新品を取り寄せてもらって買ったそうです。当時好きだった名古屋のインストバンド・mudy on the 昨晩の影響もあって選んだ赤いテレキャスター。その色合いがとても気に入ってる様子でした。

中越千春HP


突然

2016-08-30 10:38:50 | THE GUITAR
8月27日 土曜日

もうすぐ午後5時になろうとする頃、突然店のドアが開いた。予約客ではなかったが見覚えのある顔だった。
アノ娘だ。僕は咄嗟に記憶を手繰り寄せていた。
当店の古いブログの記事に、アノ娘の使用するアコースティックギターを紹介する記事を書かせてもらったことがあった。それを覚えていたのだ。

しかし、あれから7年ぐらい経っている。
アノ娘はもうアノ頃のアノ娘ではないのだ。
アノどなたですか?
しばらく見ない間に、中村アリーになっていた。

中村アリーは店に入ってくるなり、突然岡山土産のきびだんごを食べ始めた。
そういえば、以前もこんな感じだったな…
実は中村アリーがまだ中村アリーでも、その前のアノ娘でもなく、まだ制服を着た女子高生だった頃に、当店のロビーで突然宿題をやり始めた事があった。
それを思い出した。
どうやら中村アリーになった今でも、行動パターンはあまり変わっていないようだ。



にわかに勢いづいた中村アリーは何本かきびだんごを頬張った後、今年2月にロックイン吉祥寺店にて購入したという【K.Yairi YFL-55CE VS】をケースから取り出し、突然1曲歌い始めた。ス、スタジオへは入ってくれないのかね。

僕は観念して中村アリーの使用ギターについて話を聞く事にした。
どうやら、このK.Yairiを購入するにあたって2本の対立候補が存在したようだ。
ギブソンのDOVEとグレッチのランチャー。
それぞれに個性的なギターであるが、中村アリーが最終的にDOVEを選ばなかった理由は、中村アリーにとってボディサイズが大きい事と、値段が高い事。ランチャーを選ばなかったのは、せっかく取り寄せてもらって試奏したのに、エレキ弦を張ったそれは「音がブス」だったからだそうである。
しこうしてルックス、サウンド、プレイアビリティの面で一番しっくりくるYFL-55CEが愛機となった。

現在、中村アリーはソロ活動以外にも、突然段ボールの松浦徹氏とのユニット【いっそもう】や、バンド【アープンクッカ】で東京を中心に月に数本のライブを精力的にこなしているのだ。

逆襲のジャズマスター

2016-07-29 10:32:30 | THE GUITAR

先日買ったギターマガジン8月号はジャズマスターの総力特集。触発されて久しぶりにジャズマスターを引っ張りだして、一昨日から店で時々触っていた。

昨夜、最後のお客さん達が休憩でロビーに出てきた。

2年前、当店主催のライブへ出演して頂いたostrich headの皆さんだ。


なぜかギターの上岡さんだけ楽器を持って出てきた。

その機種がなんとジャズマスターだったのだ。
ロビーでお客さんがギターを弾くことは、たまにある事で珍しくはないのだが、それがジャズマスターとは…
んー、こういうのもカラーバス効果って言うんかな…

ま、何はともあれ上岡さんに練習後にお話を伺う事にした。


このFender Mexico製ジャズマスターは4、5年前にオーパスイオン店で試奏してみたいからと言って取り寄せてもらった物らしい。
それまではずっとグレッチのテネシーローズを弾いていた上岡さんだったが、ソリッドギターも欲しいと思った時に目に留まったのがジャズマスターだったのだ。実はオーパスを訪れる前に愛媛の島村楽器で初めてジャズマスターを触った上岡さん。最初は変な形だと思ったが、音はしっくりくると感じていたのだ。

実際に入手してみると、最初は嫌いだったボディシェイプも見れば見るほど可愛くなり、すっかり馴染んでしまったそうだ。
ストラトキャスターの形が嫌いで、ジャガーの名前が嫌いな上岡さんは、ジャズマスターが醸し出す柔らかい雰囲気が気に入ってる様子である。

プリセットコントロールはまだ使いこなせてないと感じているようだが、次に買うなら、もう1本ジャズマスターが欲しいという上岡さん。色んなジャズマスターを弾き比べてみたいとのことだ。


Guitar magazine (ギター・マガジン) 2016年 8月号 [雑誌]
ギター・マガジン編集部
リットーミュージック

MARTIN D-12-28

2016-07-14 14:37:12 | THE GUITAR
当店の旧ブログ(lablog)の2009年3月6日付けの記事【guitar #30】にて、ギタリストの宇佐さんの使用ギター&ウクレレを紹介させてもらった。
あれから7年。昨夜再び、宇佐さんのギターを見せてもらうことに成功した。


機種はMARTIN D-12-28。4年位前にOpus本店で購入したそうだ。


サウンドホールにはL.R.BaggsのM80ピックアップがマウントされている。

宇佐さんがこの12弦ギターを購入するきっかけとなったのは、友人から「弾いてみたら」と薦められたジョンバトラーのOCEANという曲だった。


この曲をやりたくなった宇佐さんは、知人に12弦ギターを借りて練習を始めたのだが、いつまでも借りてるわけにはいかず、借りたギターと同じタイプのこのD-12-28を買ったのだ。

D-12-28はOCEANを弾くためにオープンC(CGCGCE)にチューニングし、更にカポを4フレットにはめて使用する。また1~2弦の副弦はわざと微妙にピッチを上げてコーラス効果を増しているそうだ。この設定のため、このギターで弾くのはOCEAN一曲のみとのこと。

コピーを始めた当時は楽譜がなくて、とにかくコピーするのが大変で「死ぬかと思った」とちょっと大げさに振り返る宇佐さん。1年位前にようやくギター雑誌にスコアが掲載されたらしいが、宇佐さんはあえて見ない事にしてるらしい。

そんな宇佐さんのライブスケジュールはこちら
7月15日(金)・高松 RUFFHOUSE
7月16日(土)・尾道 OYE COMO VA
7月17日(日)・広島 D-Bar
7月18日(月)・高知 A'Bar

Gretsch G6119-1962FT Chet Atkins TENNESSEE ROSE

2016-06-17 14:20:03 | THE GUITAR

浅井健一やチバユウスケが好きという、Android Mariaのフロントマン・西村卓さん。
その影響もあって4、5年前にミーハー心で購入してしまったのが、Gretschの1962年仕様の6119 Chet Atkins TENNESSEE ROSEだ。


中の橋にあったギターショップ・スローハンドが現在の南はりまや町へ移転した時、西村さんは移転祝いを兼ねて「1本ギター買うたら~!」とT店長さんを喜ばせていた。だが、それからずるずると数ヶ月が過ぎたある日、西村さんは広島の地を訪れることになる。たまたま入ったギターショップで、グレッチを抱いてしまった西村さん。それまではグレッチに触ってはいけないと、自分を律していたのだが、旅先でつい魔が差してしまったのだ。そして、高知に戻ってもグレッチの事が忘れられずに、ついにスローハンドのT店長さんを本気で喜ばせにかかったのである。
広島で弾いたのはハイロートロン(シングルピックアップ)が搭載されたモデルだったが、スローハンドではフィルタートロン(ハムバッカー)が搭載されたモデルを取り寄せてもらったそうだ。

グレッチに関してはとにかく形が気に入ってるとのこと。
音作りに関しては「ギタリストではないので、細かい事はよく分からない」そうだが、BOSSのブルースドライバーで作る硬めの乾いた音が好きらしい。

そんな西村さんのバンド・Android Mariaのライブが7月24日にウルトラロックバーJ'sで予定されている。
共演はthe JUMPS / the SMARTS / STRIKES

メーカー不明

2016-06-15 23:15:20 | THE GUITAR


ポジティブパンクバンド・LTD SOCIETYのギター&ボーカル・秋山さんのギターを見せてもらった。
このメーカー不明のストラトモデルは、元同僚から貰った時点では出力が弱く、全くと言っていい程使えないギターだったそうだ。
ある日、ジュリアナのライブを観に行った秋山さんは、そのライブでジュリアナのギタリストが破壊したストラトモデルを譲り受ける事になる。そのギターのリアポジションにはダンカンのピックアップが付いていて、ペグやブリッジ等、ほぼ全ての金属パーツと共に、元々持っていたストラトモデルに移植した。こうして出来上がったのが、現在の状態となったメーカー不明のストラトモデルなのだ。
2本が合体したことで、やっとまともなギターになり気に入っていると秋山さんは言う。

特徴としては、
・ヘッド…ボディと同色にマッチングされているが、これは元同僚が塗ったのだそうだ。
・ピックガード…100円ショップで買った黒いカッティングシートを貼っている。
・ストラップ…外れないようにネジで固定してある。
・トレモロアーム…使わないのに付けている。
が挙げられる。

現在、LTD SOCIETYはメンバーを募集中だ。
募集パートはドラムとギター。
ドラムは決まりかけの人がいるそうだが、ギターを見つけて秋山さんはボーカルに専念したいらしい。

ブライアンセッツァーモデル

2016-06-02 10:50:08 | THE GUITAR
5月19日付の記事で持ち込みアンプを紹介させてもらったブローセルクリーパーズのギター&ヴォーカル・カズさんに、今回は使用ギターを見せてもらった。


5、6年前に中古で購入したという1999年製のGretsch 6120 Brian Setzer Hot Rod。


アームを多用するというカズさんはペグをシュパーゼルのロックペグに、ブリッジをローラーサドルタイプのものに交換してチューニングの狂いを抑えている。
ピックアップはフロント、リア共にTV JONESのBrian Setzer Signatureに交換。合わせてポットやジャック、配線材もOPUS本店で交換してもらったそうだ。こうした改造によりギラギラとしたハイが出るようになり、音のヌケも良くなったと言う。


アジャストロッドカバーやピックガードも交換し、更にはボディにブライアンセッツァーを真似てピンナップガールのステッカーを貼り、ルックス面でもこだわりを見せている。

ミントコレクション

2016-05-05 11:40:22 | THE GUITAR
インストバンド・odid∀nのギタリスト・ウォッチさんのギターを見せてもらった。


シリアルナンバーから1989年製と思われるグレコのミントコレクション期のレスポールカスタムタイプ。10年くらい前、ウォッチさんがまだヒルコをやっている頃に、ハードオフ葛島店で8000円で購入した物だが、値段の割にちゃんと良い音で鳴ってくれるところが気に入ってるそうだ。


山口県のピンストライパー・Mellowさんの手によるピンストライプがボディトップに映える。


ヘッド部のアジャストロッドカバーは天地が逆になっているのだが、以前外した時に向きが分からなくなったためであり、odid∀nの∀がAがひっくり返ったような数学記号を使ってる事との関連性はないらしい。なので、将来元に戻ってるかもしれないと一言添えてくれた。

そんなウォッチさんが所属するodid∀nのライブが明後日に迫っている。



odidan

手作りギター&ベース

2016-04-25 09:34:57 | THE GUITAR
前野(仮名)さんの手作りギター&ベースを見せてもらった。

まずはギターから。

最初は3弦ギターを作ろうとしていたのだが、ペグを1個壊してしまったために2弦ギターとなってしまったものらしい。なので弦を通す穴は3つ開いているし、ナットも3弦分の溝が切られている。フレットを打ってないのは専用の工具も無しに正確に打つのは難しいからとのこと。
ちなみにチューニングは、エレキギター用の5弦を張った低音弦側がGで、エレキギター用の4弦を貼った高音弦側はDに合わせているそうだ。

ピックアップはアコースティックギターのサウンドホールに取り付けるタイプのものを改造して、それを弦に対して90°回転させて搭載している。
ギターのボディは元はツルハシであり、仕舞うためのケースは竹刀用の袋である。

次にベースを見てみよう。

ベースはフレットレスの1弦ベースになっている。
元はハンマーだったボディにはアップライトベース用のピックアップ(シャドウ製のピエゾ)が取り付けてある。

ペグはオーパスイオン店で特別に1個だけ売ってもらったらしい。

またフィンガーレストとして何かの取っ手を利用している。ここに薬指と小指を引っかけて、人差し指と中指で弾くツーフィンガースタイルでプレイしてるそうだ。

ネックにはフレットの位置を表す線と、ポジションを表す穴がある。
ショートスケールのこのベースは図面用のケースに仕舞われる。

個性的な2本のギターとベースを見せてもらったが、前野(仮名)さんがこれらを作ろうと思ったきっかけは、YouTubeで海外のプレイヤーが自作の1弦ギターを弾く動画を見て、自分でもやってみたくなったからだそうだ。
ギターとベースの他に、手作りしたドラムも所有しているため、今後は手作り楽器に興味のある友人たちを誘って、手作り楽器バンドをやってみたいと語っていた。

Schecter BLACKJACK ATX

2016-04-21 11:23:39 | THE GUITAR
ラボの10周年ライブで、観客と一体となったかっこいいライブを見せてくれたREDMAN。
ギタリストの河村さんのギターを見せてもらった。

REDMANは今月に入ってから、以前のプルコギというバンド名から改名したのだが、そのプルコギというバンド名さえなく、まだライブ活動もしていなかった5年くらい前に、楽器堂本店で購入したものだと言う。


SchecterのダイアモンドシリーズのBLACKJACK ATX。
何か買おうと思って楽器堂本店に行った時、委託販売されていたジャクソンVとどちらにしようか悩んだ。そして、試奏室でコッホのアンプで鳴らしてみて、このBLACKJACK ATXを選んだのだが、その事を河村さんは憶えて無く、そばにいたバンドリーダーの山下さんが話してくれた。
もともと河村さんはエフェクターをあまり使いたくなかったので、当時話題となっていたダンカンのアクティブタイプのピックアップが搭載されたこのギター単体で、いい感じで歪んでくれたことが購入の決め手となったらしい。

音の他にはペグがロック式なのがお気に入りポイントらしいが、逆に気に入らないのが指板のインレイのデザインがクソダサイことだそうだ。

河村さん及び山下さん曰く『』みたいなインレイが購入時から悪い意味で気になっているらしい。

最後に、今回この記事を書かせてもらうために河村さん及び山下さんにお話を伺った時に、二人がその場で急遽このギターに『V村』という名前をつけていた事実を記しておこう。

Gibson Flying V

2016-04-15 10:43:14 | THE GUITAR


爆音バンド"GODFREE HO"のギタリスト・Masakiこと、高校時代のあだ名はマイクさんの使用ギターはGibson Flying V。19歳の頃、高校時代の同級生から、ほぼ新品の状態で5万円で買ったものだ。

このギターを手に入れる前は重いレスポールを弾いていたため、フライングVに持ち替えた時はその軽さに「これ楽やわ」と感じ、それ以来気に入って10年以上使い続けている。軽いのでライブの時に動きやすいのだそうだ。

ところが、肝心の音に関しては決して満足できていないようなのだ。
中域は出るがハウりやすく、爆音バンドでは扱いづらいと嘆く。
オリジナルのリアピックアップは壊れてしまったため、現在は以前から試してみたかったというダンカンに交換されている。


アンプはクリーンの設定で、MESA/BOOGIEのディストーションペダル・THROTTLE BOXで歪みを作っているそうだが、歪みが強く低音が出過ぎるらしい。
GODFREE HOのベーシスト・白石さんは「もわもわして、あまり良くない」と苦笑いする。

そんなマイクさんが、金があれば欲しいというのがレスポール・カスタムである。
「重いけど音が良いから…」と、10年以上たって再びレスポールの魅力に気づいたのかもしれない。


ボディはステッカーに侵蝕されている。

レイドバック

2016-04-13 12:04:02 | THE GUITAR
今回見せてもらったのは、ガレージパンクバンド『ケンカキック』の練習で来店してくれたセキさんのギター。島村楽器のオリジナルブランド・Laid Backのテレキャスタータイプ。


全体的に打痕や塗装はがれ等、相当な数の傷がついている。友人から譲り受けた時にはとてもキレイな状態だったという事から、かなり酷使されていると思われる。最初からレリック加工されたギターもたくさん売られているが、やはりバンド活動の中でリアルに刻み込まれていった無数の傷跡は、唯一無二であり単純にカッコイイと思える。

セキさんと言えば、アルパカス、SeeBooZ、REVEAL、前駆ナと複数のバンドで活躍するドラマーだが、更にギターを担当するバンドを2つやっている。その一つがケンカキックなのだが、結成するきっかけとなったのは高知のライブハウス・カオティックノイズの「普段やってないパートでバンド組もうぜ」という趣旨の企画だった。この時からセキさんは、部屋の何処かで埃をかぶっていたギターを引っ張りだして、ギタリストとしての道を歩み始めたのだ。二足のわらじ。つまり右足でドラムペダルを踏み、左足でワウペダルを踏んでいるのだ。ウソやろ。

もともとテレキャスターの音が好きだったというセキさんが、このギターを手に入れたのは大学時代。元の所有者である同級生・W辺レオさんのそばで、「欲すぃ~欲すぃ~」とささやく日々。W辺レオさんがどういう心境だったのかは分からないが、結果としてセキさんは友人から譲り受けるという形でLaid Backを手にすることができたのだ。

使用しての感想は、ケンカキックではテレキャスターサウンドがマッチしてて良いそうだが、もう一つのバンド・STAD FILLERではパワーバイオレンスというジャンルのせいもあって、もう少し低音にパワーが欲しいといった不満もあるそうだ。


ピックアップセレクターはテープでセンターポジションに固定されている。セキさん曰く「一番いい音がする」からだそうだ。またトーンコントロールのメタルノブの外回りが剥がれている。なんともワイルドなコントロール周りがカッコイイですね。


黒いピックガードに激しいダウンストロークによる白い弾き傷がついているのは、使用している白いピックが削れてこびりついているのだ。う~ん、カッコイイ…かもですね。


6個のストリングブッシュのうち偶数弦のとこだけが無くなっている。う~ん、う~ん、これはあんまりカッコイイと思わない…きゃもですね。

以上