フランス中を踊らせるNo.1ライブバンド
TRYO トリヨが11月に来日します!
トリヨ~本国での人気の様子
友情をたよりに出発したバンド、トリオは、今ではフランスの国民的人気バンドだ。250公演からなるツアーや、延べ40万人動員記録や、トリプル・プラチナ・レコード獲得などのデータでその人気ぶりは証明済みだが、なぜフランスではこんなにトリオが愛されているのか、あくまで私なりの解釈でお話したい。
まずは、口コミ力。彼らがパリ郊外を拠点に活動を始めて以来、地道にフランスじゅうの小さなライヴ・ハウスを回り、そこから「すごいライヴ見たよ!」という人たちが増えていった、というのはよくあるサクセス・ストーリーかもしれない。だが、彼らはそこでスター・システムに迎合しスノッブになることなく、そのまるで親戚のあんちゃんのような愛すべきルックスと楽しくパワフルなライヴを武器に、ひたすら我が道を進み続け今日まで至っている。そのような頑固一徹とも取れる地に足の着いた姿勢が、フランスのポピュラー層の信頼度を高め息の長い支持を得ているのではないだろうか。
また、彼らの社会参加もその人気に貢献しているだろう。もちろん非の打ち所のない国民性では決してないが、フランスはおおむね社会問題に対する国民的意識が高い。そして音楽において非常に重要な位置づけの詞に、政治的社会的な意思表示を織り込む歌手たちもいる。トリオもそういったアーティストたちのひとつで、環境問題、社会問題に積極的に取り組み、発言している。そして彼らはあくまで熱心に問題に取り組む有言実行派。アルバム・ジャケットも必ず再生紙を使うなど、実行したくても「コストが…」と周囲の反対を受けそうなことがらも、あくまで自らの思想を貫き理想を着実に現実化しているのが彼らのあり方。その誠実さも人気の秘訣だろう。
もちろんトリオとて、メジャーなアーティスト。アルバムが出ればプロモーションもするし、ツアーが始まればどこの街にもポスターが貼られる。だが、そのようなメジャー・アーティストとしての活動の中でも彼らのあり方や信念に妥協を感じることがないというのは、この規模のアーティストではおそらく至難の業なのではないだろうか。そういった意味で信頼し尊敬もできるけれど、あくまで親近感を感じられるアーティスト、それがトリオがフランスでここまで人気が出たゆえんではないだろうか。
文:山田蓉子(パリ在住音楽コーディネーター/ライター)
ル・グラン・ジュール via フランス~フランス経由の音楽の日
出演:テテ/トリヨ
11/18(月)梅田クラブクアトロ
11/19(火)名古屋クラブクアトロ
11/21(木)新宿文化センター
お問合せ:プランクトン03-3498-2881
http://plankton.co.jp/tryo/