シリウス日記

そうだ、本当のことを言おう。

追補の1・飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討

2020-01-24 17:22:14 | 日記
以下、追加の補足となります。

第一章、今後の皿川対応について
今回の事で皿川は飯山観測所水位で8mを越えたあたりからバックウオーター現象が起きる事が明確となった。
その際に、実際はその時点ですでに千曲川からの逆流が発生していたのか、それとも単に皿川の水が千曲川に流れ込めなくなっただけなのかは、現状では不明である。
それで今後の事を考える、としたら「千曲川水位が8mを越えたら皿川の水は千曲川に流れ込めない」と想定しておくのが妥当の様である。

それはつまり、千曲川水位が8mを越えた時点で皿川樋門を閉める、ということである。
そして今回の例でいうならば、それは13日の午前1時となる。
その後は事前待機させた排水ポンプ車3台、状況を見て追加であと2台ほどは投入する想定が必要と思われる。
13日の1時は上流から流れ込む水量のピークであり1時間で26504m^3の水量が増加する。
排水ポンプ車4台、分あたり30m^3の排出量として1時間で7200m^3。

城山雨水排水ポンプ場まで下水道で残りの水を動かせたとして、その量は19304m^3。
現状のポンプ場の能力が分あたり330m^3で1時間で19800m^3。
これでぎりぎり市内には水はあふれない、という事になります。
但し、皿川堤防に水門を作り、そこから下水道まで水を導く水路の建設が必要になります。
そうでないとまた市街地を水浸しにしながらの排水作業という事になります。

あるいは、皿川専用の排水ポンプ場をつくるとしたら、分あたり110m^3の排出能力のポンプが4台では足りず、5台の設置が必要となるでしょう。
しかし上記で述べたような城山雨水排水ポンプ場との共同運用を可能にするような水路構造にすれば、その台数は2台、残りの3台分は城山雨水排水ポンプ場のものを使う、という事になります。

それから排水ポンプ場の浸水対策は必要であります。
ポンプ場周辺の水深が1m程度になろうともポンプ場は稼働し続ける事が必要でしょう。

堤防をかさ上げする、と言う案はJRの線路があり難しいかと思われます。
そうして、やれたとしても多分1m上げるのがやっとでしょうか。
そして、その程度の容量アップではあまり氾濫を防ぐ、という事にはつながらない様におもわれます。

第二章、今回も実際に1時45分に樋門が閉められていて、即時4台の排水ポンプ車で排水作業がやれていた、としたら、、、。
皿川堤防の右岸と左岸近傍の方々の状況はあまり変わりはなかったかとは思われますが、堤防の決壊時刻はもう少し後の時刻となり、ポンプ場周辺の水位も最大で30センチ程度、ポンプ場は稼働し続ける事が出来たと思われます。

但し、前もっての皿川水位の監視体制はできていた事になりますから、避難勧告がおくれる、などという「今回発生したような不手際」は起こる事はなかったでしょう。

そうして市内全域の水深も平均で10センチ程度であり、床上浸水家屋の数は限られており、同様に車の水没数にも相当な相違が出たものとおもわれます。
そして、なによりも千曲川の泥水とそれに起因する泥の堆積物と言うものはありませんから、そこには格段の違いがあった事になります。

第三章、楽農家さんの水位観察記録からのその時刻の樋門入口での皿川水位の推定について。
以下、飯山水位観測所 標高307.14m、河床勾配1/1000,皿川樋門~観測所距離240m、皿川水位標標高309.1(<--飯山市データ)で計算した皿川位置での千曲川外水位の時間ごとの値になります。
0時 4.98m
1時 5.80m
1時45分 6.45m (河川事務所数値6.23m)
2時 6.66m
2時15分 6.84m
3時 7.38m
ピーク 8.97m(標高水位318.07m)

これに対して楽農家さんが皿川水位を観察した結果からの水位の推定値は以下の様になります。
楽農家さん観察数値(内水位)
0時 4.85m
1時 5.85m
2時すぎ 満水 8.5m越え8.7m(標高317.5mに30センチの水の板厚をプラス)

楽農家さんの数値と千曲川の数値が0時、1時でほぼあっているのでこの計算は信頼性がありそう。
但しブロックの厚さを2mとよみ、下端は水位換算で4.85m、上端は6.85mと写真から読み取りました。
http://archive.md/CTqoA

以上より皿川水位標のゼロ点、309.1m(飯山市データ=河川事務所データ)としても良いかと思われます。

「楽農家さんの水位観察記録」
http://archive.md/eHAka
https://minkara.carview.co.jp/userid/2158429/blog/43450150/
『楽農家さん新聞社から取材されるの巻 始まるよ~
ココから午前2時15分に厚さ30cmの水の板が出てきて、道路を越えて車庫へ…を見て市役所に通報したのがリダイヤルの履歴から02:16です。
写真魔なので色々撮ってありますよ。
川が溢れる寸前のとか…メアド教えてもらえば送りますけど」

「0207のエリアメールを見て、ってか中央橋の下を流れる千曲川の様子を見れるライブカメラを12日の夕方から見てたんですが、日付が変わったら<調整中>の画面になって画像が見れなくなったんで、実際に見に来たんです。
子供の頃から川を見て育ったのでココの水位から本流の水位が予測できるんです。
日付が変わる前のライブカメラ映像では河川敷のグラウンド(テトラポットを作っている場所)に乗ったか乗らないかくらいだったので、ブロック積みの下の根継ぎコンクリートの天端くらいの水位だから安心。
次に1時くらいに来てみたらブロック積みの真ん中辺、1時間でこの上昇なら満水になるのは明るくなってからだろうなと帰宅して…0207のエリアメールでビックリして来ようとしたらお宮下が冠水してて通れなかったので、国道を回って来てみたら満水。
ポンプ車も監視役も居なかったから水門は開いている筈だと信じて、でもクルマを脱出させなきゃなって
満水写真を撮って車庫に向かって歩き出したら溢れたからここです」』

0時
ブロック積みの下の根継ぎコンクリートの天端くらいの水位

1時
1時くらいに来てみたらブロック積みの真ん中辺
1時間でこの上昇なら満水になるのは明るくなってからだろうなと帰宅して、、、

2時過ぎ
0207のエリアメールでビックリして来ようとしたらお宮下が冠水してて通れなかったので、国道を回って来てみたら満水。

このように楽農家さんが水位を観察したのは皿川樋門入口にあるブロックの所。
http://archive.md/CTqoA
樋門入口付近全景
http://archive.md/r2YkQ

楽農家さんがそこを観察した場所は、このあたりに唯一ある街路灯の光が使える所でした。
http://archive.md/uKWTs
この辺りの街路灯は皿川橋にたつこれ一つだけの模様です。
そうであれば、楽農家さんはこの街路灯の光を使って皿川樋門入口を観察したのです。

追伸
以下、今回の飯山の被害状況を伝える映像資料をまとめたページのご案内です。
https://rainmakerofnews.com/10425.html#i-3
https://matomedane.jp/page/39432

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