第一章
2019年12月26日・記述
ここにきて状況が動いてきている。
いろいろな方が河川事務所にアクセスしてくれたおかげの様で、河川事務所もダンマリを決め込むことができなくなったらしい。
そしてここで扱っている問題は現在進行形であって、過去の話ではない。
従ってこのような「現状報告」も随時、このブログには現れる事になります。
1、皿川樋門の台風19号の樋門操作記録が明らかになりました。
樋門操作記録は、日立市にお住いのMさんが、情報公開により入手されたものです。
↑
外水位6・23m、内水位6・43m時点で皿川樋門を閉じ退避〜退避時点で市役所等に連絡〜
https://ameblo.jp/mto193914/entry-12561934623.html
2、千曲川河川事務所からの回答
https://minkara.carview.co.jp/userid/2158429/blog/43569920/
↑
この方は今回の皿川氾濫の第一通報者であり、そうしてまた相当な被害(人的、経済的)に遭われた方である。
しかも、ご自分がそうであるにもかかわらずその後災害復旧ボランティアとして活動されているという、まあ本当に「あきれる程に大した方」なのである。
追伸
千曲川からの逆流で線路の土台が洗掘されている写真
http://archive.md/KCeME
動画もつけておこう。(注1)
https://vimet.tv/videos/1001508
↑
10月13日午前6時08分撮影
見えているのは皿川右岸堤防の決壊場所。
線路は飯山線。
堤防と線路の接続部分に弱点があり、その部分から決壊したのだった。
画面奥が千曲川の方向になる。
その場所に皿川樋門があり、そこで皿川と千曲川が接続している。
よく見るとわかるのだが、水は千曲川から飯山線の方に流れてきていて、線路の下の土台部分を削りとっている。
これが当方が言っている「皿川樋門は開いていた」という状況証拠の一つである。
この状況が続いていって最後にこうなってしまう。
↓
http://archive.md/5IE8G
線路が空中に浮いており、その下がぜんぶけずりとられている。
しかもその範囲はレール2本分の長さであり、これは決壊した皿川堤防幅のほぼ2倍のながさになる。
つまりは「それほどに千曲川からの逆流があった」という事である。
動画の後半(46秒あたり)にちらっと千曲川堤防とその場所で活動中の照明車2台の高輝度照明ライトが写っている。
という事はこの場所で排水ポンプ車が排水作業中ということである。
そうしてこの奥に皿川樋門がある。
この時右手に写っている建物が(「北町ハウス」と呼ばれている?)「県営住宅」である。
水が流れる音と、撮影者がレール下の砕石を踏むときの音が聞こえる。
追伸2
決定的な事を書き忘れた。
「1、皿川樋門の台風19号の樋門操作記録が明らかになりました。」の中で
今まで河川事務所が明らかにしてこなかった「皿川樋門を再び開いた時刻」がようやく開示された。
『ゲートの操作状況等 10月13日1時44分 1号ゲート・2号ゲート閉操作
外水位 6・23m 内水位 6・43m
10月13日15時30分 1号ゲート・2号ゲート開操作
外水位 6・38m 内水位 6・40m
令和1年10月28日報告 報告受理年月日 令和1年11月 1日』
by河川事務所である。
この内容についての詳細検討はのちほど。
ちなみにこの報告は河川事務所が机の前で考えた「でっち上げ」と断定してよい。
理由は「当時の皿川で起きていた事実と全く異なる記述内容になっているから」である。
追伸3
千曲川の水が逆流している事の決定的な写真があった。
http://archive.md/7eHiB
一番下の写真を拡大してJRの鉄橋の向う側の水面を確認して欲しい。
白い泡立ちが上流側に向かって伸びているのがわかる。
これはその場所の上に生い茂っている木の枝の部分がちょうど水面上に出るかどうか、という条件を満たしており、そこに逆流する水が流れて発生している、川のせせらぎ部分によくみられるような白く濁った流れである。
(ちなみにこれが増水前に撮影された川に入り込んでいる木の様子の写真です。
http://archive.md/VhRjC)
この逆流画像の撮影は13日の9時44分。
この時千曲川の水位は飯山観測所で10.5m(水位標高317.6m)。
皿川地点では千曲川の水位標高317.4m。
このとき皿川のダム湖の水位標高は316.9m。
従って千曲川から皿川に向かって逆流がおきていた。
そうして、逆流が起きる、という事はつまり「皿川樋門は開いていた」という事である。
PS
同日6時5分にJR鉄橋の逆方向からこの千曲川からの逆流をとらえた証拠写真が公開されました。(2020/3/2 by 横丁大家さん)
http://archive.fo/RwfVp
写真を拡大する必要もなく、水面に垂れ下がった木の枝が逆流する水の邪魔をして白濁している様子がはっきりと確認できます。
これで6時5分から9時44分の間は「千曲川の水は皿川を逆流していた」という事が証明されました。
追伸4
その後「横丁大家さんのブログ」でもこの動画から切り出したJR鉄橋をこえて逆流する千曲川の泥水の画像が公開された。
https://ameblo.jp/mto193914/entry-12570667859.html
http://archive.fo/qCBmp
注1:動画のリンクが切れている様なので、該当場所の一続きの写真を以下に示す。
・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.md/KCeME
・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.fo/SWNru
・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.fo/Hjg28
・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.fo/gIso6 :流れ出す泥水が決壊場所でJR線路側に流れ出し、線路下の土台を削り込んでいる写真。泥水はその反動で反時計回りに渦を巻きながら線路の反対側にあたる堤防の土を丸く削り取っている。
・その場所で少し左側を見る : https://archive.fo/mWE0a :左側から線路方向に向かって泥水が勢いよく流れ込んでいるのがよく分かる。
・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.fo/uIwKu :同上シーンのより決壊場所に近づいた写真
・同上シーンの左上部の写真 写真の奥方向は皿川の下流になるのだがまるでそちらが上流の様に見える。つまり「泥水はそちら側(下流側)から決壊場所に流れ込んでいる様に見える。それはつまり「皿川の下流側の水面の水位が決壊場所の水位より高い」という事である。それで「どーしてそんな事が可能になっているのか」と言うのが大問題なのである。: https://archive.fo/D1brr
次の一連の写真は、その様にして流出した泥水のその後の状況を示すものである。
・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.fo/uIwKu :決壊場所から外側にある遊園地(滑り台が見える)に流れ出す泥水。この泥水が左側にある北町住宅に向かって流れる。
・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.fo/EncRq :少し左側をみる。奥に写っているのが北町住宅。
・上記画像の左側部分にある遊園地の写真 フェンスの左側が遊園地 : https://archive.fo/hJCg5 :この泥水が北町住宅をはさんで南側と北側から皿川橋に通じる市道に向かって流れ出す。
・これは川ではない。決壊場所から流れ出した直後の濁流の姿であり、北町、県営住宅直下の南側道路を流れ下る泥水である。 :この泥水が13日10時35分
・これは湖ではない。同上の位置から少し西側を写したもの。奥に見える建物は飯山高校の校舎。 :13日10時35分
・川の中に家が建っているのではない。北町住宅から流れ出した泥水の先にある北町の浸水状況 : https://archive.fo/GZ4NE :10月13日朝撮影 赤い屋根と後ろの青い屋根のあいだに市内から皿川橋に北上する道路が走っていて、その道の奥が畑になっている。青い屋根の後ろが千曲川堤防でその後ろが千曲川。
追伸の5:(2021/7/12):皿川樋門のゲートが降りていなかった、という決定的な、直接的な画像がありました。
・水門の閉鎖、国伝えず 長野・飯山の皿川、堤防決壊 (中日) : https://www.chunichi.co.jp/article/39265 <-写真をクリックすると拡大できる。皿川で排水作業中のポンプ車1台、確認可能。ちなみにこの画像は昼ごろ飯山市がとばしたドローンによるもの。
拡大画像で皿川樋門を見てください。ゲートが降りていない事が確認できます。
見にくい時は150%に拡大しましょう。はい、お疲れ様でした。貴重な画像を提供していただいた飯山市には感謝する次第であります。
おまけ:◎総務部長(栗岩康彦)
ドローンにつきましては、13日の午後1時半ごろからドローンによる撮影をして、市街地の状況調査を行っているところでございます。
おまけ2:近づいて堤防の上からゲートを見るとこう見えます。: https://archive.fo/nms1F
おまけ3: https://archive.fo/dHJuW
補足:皿川樋門関連 ゲート上端位置と千曲川の水位について
・ゲート上端高さ : https://archive.fo/7pRbN :写真からわかる様に8.5mである。そうしてこの数字は皿川側にある水位標の高さと同じである事をしめす。
・外水位計 水位標 : https://archive.fo/xF3E6
・ゲートが開いた状態での千曲川側からの画像 : https://archive.fo/pzIvW :ゲートが降りた場合は手すりが写っている作業用の通路の部分あたりまでゲート上端が降下する事になる。
ゲートが降りた状態では・外水位計 水位標の値で5m以下にゲート上端が降りる。これは飯山水位観測所の数値に換算すると7m以下になる、ということである。
いっぽうでゲートが開いた状態では上端は8.5m、水位観測所の数値に換算で10.5mの位置にある。
さて13時半の千曲川の水位は9.17m@水位観測所である。
そうであればこの時にゲートが降りていたならば、その上端は千曲川の水の下にあって、上からでは見えない。
他方でゲートが開いていたならばその上端は千曲川の水面上に1.3m程出ている事になる。
さてそういうわけでドローンが13時半に撮影した皿川樋門の写真にゲートが写っていた、という事は「13時半にはゲートは開いていた」という事である。
ちなみに河川事務所の報告によれば「樋門操作員が皿川樋門のゲートを上げる為に再出動した日時は13日の14時」と記載されている。
・情報公開請求によって河川事務所から提示された皿川樋門操作記録:https://archive.fo/NOD6b : https://archive.fo/ffrn2
つまり「13日の13時30分には樋門操作員はまだ自宅待機中だった」のである。にもかかわらず「13時30分にゲートが上がっていた」という事は、「夜通しでゲートは上がっていた」という事になるのである。
補足の2(2021/9/3):皿川樋門側から堤防決壊場所に水の流れがあった証拠の画像
ゴミが樋門側から堤防沿いに流れてくる元画像 : https://archive.fo/6PpWP
↑・画像は皿川ダム湖の右岸堤防であるが、その堤防沿いにダム湖の水面をゴミが流れてきているのが分かる。このごみは千曲川由来のゴミ(木くず)であって、千曲川から皿川樋門を通じてこちら側に流れ込んできた。そして、そのごみは通常は皿川樋門の入り口辺りで浮かんでいるものなのであるが(その状況は2021/8月大雨の時の皿川樋門のライブカメラで状況確認した : 千曲川から皿川樋門を通じて皿川側に逆流してきた、千曲川由来のゴミ、見えているホース3本は排水ポンプ車による排水の事前準備 : https://archive.fo/G117t : https://archive.fo/QUnt2 )、皿川堤防決壊により、皿川樋門側からこの決壊場所に向かって千曲川からゲートが開きっぱなしの皿川樋門を通じて逆流する強い水の流れが生じた。その水の流れにのって、樋門入口あたりに在ったゴミがここまで流されてきているのである。 : https://archive.fo/Qr36Z :<--このページの右側画像参照
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討・一覧 : https://archive.fo/6GhEK