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plainriver music: yuichi hirakawa, drummer in new york city

ニューヨークで暮らすドラマー、Yuichi Hirakawaのブログ

ソメイヨシノ

2005年04月20日 | アメリカあれこれ
もう二週間くらい前の話になってしまうが、奈良に行ってきた。何百年も前からあった天益寺(てんやくじ)の、不審火で焼けてしまったお堂の復興コンサートを聴きに、帰国翌日に慌ただしく東京から出かけて行った。

桜がきれいだった。奈良盆地のど真ん中、平地の至る所に、そしてポコ、ポコ、と盛上がった丘の斜面に満開の桜が目を楽しませてくれた。僕が着く二日前程から急に咲き始めたらしい。この日も翌日も天気は快晴、NYの都会から飛び立って僅か36時間後の別世界だった。あまりの事に、送信するとメチャクチャ料金が高いプリペイド携帯電話で東京の友達と喋りまくってしまった。

しかし世の中、色々ありまして。コンサート後一週間ほどしてから関係者と話をした際、こんな事を聞いた。

或る年の春、天益寺の近くで、アマチュアカメラマンが撮った一本のしだれ桜がかなり良い感じに写ってた。これを見た地元民の一部が、「こらぁいけまっせ!!」とその桜に古めかしい名前をつけて観光パンフに載せたところ、翌春人だかりができた。企画した人々はもうウハウハ状態、トチ狂ってそのしだれ桜の周囲を舗装して遊歩道にしてしまったらしい。何百年も前からの木だから、根が土の中でとんでもなく広がってるのに、その上をコンクリ固めて大勢の人がその上を踏みまくったのである。それは、もう枯れるよ!その辺りには似たようなのが幾らでもあるのだ。今回の訪問の二日目に車で周辺を廻った。いくつもの美しい桜が咲き乱れていた。もうアホでしょ?

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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日本の心 (ひろしま)
2005-04-20 14:09:02
日本てのは、そもそも、自然を制覇しようという感覚とは対極にある、自然を自然のあるがままの状態でその侘び寂を感じる文化を持つ国なわけだよね。



なんか、そういう美しい自然を、人集めに使ったり、それにつられて群がったりするってのは、日本の心から最も遠い、非常にさもしい心だと思っちゃうんだけれどなあ。



遠く海の向こうの郷土に幻想を持ちすぎなんだろうか。そんな気もする(笑)

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殆どの人は自然と共に (yuichi)
2005-04-20 18:16:06
本文にも「地元民の一部」と書いたけど、殆どの人は反対してるんだ。だけど、妙に我が強い奴が押し切るんだろうね、大多数の人の良さに付け込んでさ。



まぁその辺の決定プロセスがまさに日本的としか言いようが無い訳だが。それとやっぱり他の土地のお金で潤っている人を知って、焦るのではないかな。みんな貧乏だったら納得するのにね。
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