週の半ばの木曜日、ドラマーのルイスナッシュ、サックス奏者スティーブウィルソンのデュオを聴きにビレッジにあるライブハウス、Sweet Rhythmへ。ピアノやギターなどのコード楽器はおろか、ベースすら無いバンドだ。ジャズというスタイルでリズムが大きな比重を占めているから成り立つこの編成、ドラマーの力量が大きく問われるというもの。
当代随一のドラマーとサックスマンが数年かけて演奏してきた「バンド」なので、一曲一曲がしっかりとした作品に仕上がる。一番の聴き所は、「相手がこう来たら、こう返す」というジャズの掟を熟知しているプレイヤーだけができる会話を、もう即興の余地は無いのか?と云うくらいとことん踏襲しつつもやはり即興を繰り広げるところ、だと思う。元来ジャズは複数の文化から産まれた。そしてそれなりの掟ができた。しかし今でも新しいスタイルを取り込んで変化している。即興のネタは尽きない。
この日の演奏はドラムが刻む一定のリズム、その上にベースラインがあってさらに別の楽器がソロを奏でる、というサウンドではなかった。ひょっとしたら一般のジャズファンには最初取っ付きにくいかもしれない。けれどお馴染みの「会話」が盛り沢山なので、少しでもジャズの楽器間のやりとりに詳しい人だったら何度もニヤリとするだろう。存分にジャズを楽しめると思う。
当代随一のドラマーとサックスマンが数年かけて演奏してきた「バンド」なので、一曲一曲がしっかりとした作品に仕上がる。一番の聴き所は、「相手がこう来たら、こう返す」というジャズの掟を熟知しているプレイヤーだけができる会話を、もう即興の余地は無いのか?と云うくらいとことん踏襲しつつもやはり即興を繰り広げるところ、だと思う。元来ジャズは複数の文化から産まれた。そしてそれなりの掟ができた。しかし今でも新しいスタイルを取り込んで変化している。即興のネタは尽きない。
この日の演奏はドラムが刻む一定のリズム、その上にベースラインがあってさらに別の楽器がソロを奏でる、というサウンドではなかった。ひょっとしたら一般のジャズファンには最初取っ付きにくいかもしれない。けれどお馴染みの「会話」が盛り沢山なので、少しでもジャズの楽器間のやりとりに詳しい人だったら何度もニヤリとするだろう。存分にジャズを楽しめると思う。
これまたあるSOLOを聞いたら「自己満足なんじゃないの?」と思ってしまったり。
ミュージシャンの音楽というか芸術というか挑戦、或いは主張が強いのは「良いことなんだろうな...」と思うのですが、時として「お客のことも考えて欲しいな...」と思う時が有ります。
もちろん、お客の受けだけを考えろとは言いませんが、「何だか解んない物」が音楽に限らず評論家に賞賛される時が有るなと思っています。
この「自分の主張」と「お客への受け」のバランスなんかは難しいんでしょうね。
その音楽にどれだけの商業要素があるのか、というのをミュージシャン、興業側、そしてできれば聴きに来る側がある程度分かっていれば、そうそう場違いな所での演奏に出くわすことは無いと思います。
形態としては「店」で商売をやっているかもしれないけれど、店としては芸術としての音楽を提供している、という所もあります。分かる人に分かって貰えれば良いというような姿勢が感じられる所もあります。こうなると、特定の写真展や絵の個展に行くようなもので、何の前情報もなく来る万人向き、ではなくなるでしょう。厄介なのは、万人向けなのかマニア向けなのか、店は明示しないところです。
自店の趣向を把握している所は、上手くその店好みの人に届くマーケティングをしています。ところが大抵ミュージシャンはどこかで、そのマニアックな音楽がいつかみんなに聴いてもらえるようになる、と信じてやってますから、たまにその熱意にほだされて自店の路線とはかけ離れたバンドを入れる店があります。それが上手くその場の聴衆に受け入れられる時もあればそうじゃない時もある…。
ここからは少し話が変わるのですが、関連しているので…。同じものを別に日に聴きに行ったら違う印象を持つのが音楽です。そういう音楽のうち常に大多数の人に受け入れられるものが、ポップミュージックです。暴言を承知で書きますが、そしてこのポップミュージックが流行るかどうかは、音楽そのものよりもマーケティングの善し悪しで決まるのです。そういう世の中に居ながらそれでもただ自分のやりたい音楽だけやり、それを分からない聴衆が悪い、という態度を大半のミュージシャン、特にジャズミュージシャンがとってきました。結果としてジャズが好きな人口が全体から言えば全く増えていません。むしろ減っています。なぜか?それは大半のジャズミュージシャンに「ジャズはもはやポップミュージックでは無い」という自覚が無いからです。ポップスでは無い、というのはどういう事か?それは聴く側にもそれなりの知識を求める音楽だ、と云う事です。歌舞伎を全く知らない現代の日本人が歌舞伎座に行ったって何一つ面白くないように、ジャズは、知らない人にはこれからどんどんつまらない音楽になっていくでしょう。
ジャズを好きな人を作っていくのは、ジャズミュージシャンの使命です。でもこれだけ演奏の仕事が無く、世の中全てコスト削減になってくると、世の中のほんの一握りの人に自分というジャズミュージシャンが存在すると知ってもらうことすら大変難しくなってきています。というわけで、このブログ、そして僕のホームページ、これからも宜しくお願いします。自分の存在意義を賭けてますので(笑)