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絵じゃないかおじさん

言いたい放題、自由きまま、気楽など・・・
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あ@仮想はてな物語(逸話) 痩せ塩 (1/3)

2019-02-04 12:53:29 | 仮想はてな物語 


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 * 痩せ塩(034)


 例の汐吹岩のくれた塩をOさんに勧めてみた。
 ガンとして受け付けない。
 膚が痛むのは分かり切っていると言う。
 とうとう最後には、
 「馬鹿なことを言うな!」と怒り出してしまった。

 Sサヤカが教えてくれたこと、手の平を傷つけながらも、
 痩せ塩を受けとめたことなどは、話すわけにはいかない。
 もし話したとしても、何一つ証拠はないし、
 ましてやバイクがしゃべる事など頭から信じはしないだろう。

 そりゃそうだ。
 サヤカは、私一人の時しか話しかけてはこないし、
 ワープロも人前では打ちはしない。
 汐吹岩にしたってそうだ。
 Oさんは見ていない。
 目の前にあるのは、ビニールパックされた、
 何の変哲もない普通の塩。
 そんなもので痩せられる筈がない。
 私だって、そう思うだろう。

つづく


あ@仮想はてな物語  痩せ塩 (2/3)




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 Oさんは、例によって、
 春の陽気で私の頭がイカれ出したのかと思っている。
 私は、春先は気分がハイになってくる。
 いろいろとあちらこちらに手を出す。

 子供達や新入社員からの刺激を受けて、
 何かせずには、いられなくなってくるのだ。
 Oさんは毎年のことなので、文句を言いながらも見逃してくれる。
 どうせ長続きをしないのだからとタカを括っているのだろう。


 内職のせいでOさんはよく肩を凝らす。
 私は、時々肩を揉んでやる。
 その時、スキを狙って、手にあの塩をつけて、
 三段腹を揉んでやろうと策を練っていたのだ。


 4月のある日のこと、例によって肩が凝って、
 歯が痛いと言い出した。
 この機会を逃すものか。
 私は、密かに上着のポケットに
痩せ塩を隠して肩を揉んでやった。
 肩には、ごっそりと中年肉が付いている。
 押しも押されもせぬ中年オバはんの肩だ。


 少し揉むと、こちらの手が痛くなってくる。
 あるマッサージ師は、悪魔が手に乗り移ってくると
表現していた。
 まさにその通りだ。
 Oさんの肩から魔性が私の手に移動してくる。
 そのきつい坂を越え魔性を慣らすには30分はかかる。
 それぐらい経つと悪魔に対する抗体も出来、
 また毒素も中和されるのだろうか?


 こちらの手も慣れてくるし、Oさんも気持ちいいのか、
 うっとりし始める。


 今だ!

つづく


あ@仮想はてな物語  痩せ塩 (3/3)



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 私は、痩せ塩を取出して、
 Oさんのセーターをたくし上げ、
 三段腹の塩モミをしてやった。 


 「キャーッ。何するの?!」

 Oさんの大悲鳴。
 私は、一瞬たじろいだ。

 「痛いっ。何なの、コレは!! ナニしたのっ!!」

 ワァーッ、もの凄い形相。

 「あの塩、塗った」

 Oさんは風呂場の方に駆けて行った。
 洗い流しに行ったのだろう。
 帰ってくるなり、ボカボカ、ボカン。
 強烈な数発の鉄拳。

 私は、やっぱり悪いことしたのかな ??? 


 Oさんの 肩の内なる 憎らしき
  浮き世の柵(しがらみ) 削ぎ落としたし 
                      
                    ち ふ


                         
  この項おわり








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