今日の話の舞台はこの花、コボウズオトギリソウです。ヒペリカム・アンドロサエマムなんていう小癪な別名もある
ようですが・・・ 我が家の庭で毎年咲いてくれているのですが、雄蕊も雌蕊も特徴的で優美な花だと思います。
#1
花が終わって実が成るとコボウズの名前の由来がよくわかると思います。この実がなった状態になると面白い味わいが
漂い出しますので、これが生花によく使われるとか。
#2
さて、今回の話の舞台になるこのコボウズオトギリソウ、毎年のようにこんなふうに葉っぱが10数匹のハキリバチに
よって切り刻まれてしまいます。面白い光景でしょう? でも別に嫌ではなくて、逆にハキリバチの役に立っていると
思うと嬉しくなってしまいます。葉っぱのしっとりとした柔らかさがハキリバチたちに喜ばれるんでしょうね。
#3
そしてこの子が今回の主人公、ハキリバチのメスです。なかなか精悍な姿でしょ! この子が毎年葉っぱを切り取って
持ち去っていく張本人です。
#4
早速そのお仕事風景を見ていただきましょう。
#5
葉っぱの端に取り付いて鋭い顎で葉っぱを切り取っていきます。
#6
まぁるくまぁるく、一心不乱に作業を進めます。最後にうまく持ち運べるように体の下に丸めながら切り取っている
ところがこの子の巧みな技だと思います。
#7
その間僅かに7〜8秒、ものすごい手際の良さです。
#8
葉っぱを切り取るとそれを抱えて、どこかへと運び去ってしまいます。それを何度も何度も繰り返します。
#9
時には切り取った葉っぱを抱えながら一休みすることも・・・
#10
また別の個体は切り取る前に一休み。
さてもうひと頑張り、仕事に励むか、とばかりに羽ばたいて行きました。
#11
なかには休憩中にうっかり葉っぱを落としてしまう子もいたりして・・・
#12
残念そうにしばらくそばに留まっていましたが、一度落としてしまった葉っぱはもう拾えないんでしょうね。
やがて諦めて次の葉っぱへと向かって行きました。
#13
ひとしきり葉っぱを切り取って行った後は、今度は花粉や蜜を集め始めます。
#14
腹部にたっぷり花粉をつけて、同時に蜜も集めているようです。
#15
これは雄蕊に腹部を擦り付けて花粉を集めているように見えます。
#16
まさに大忙し、夢中で働いていました。
#17
で、これは何をしているのかというと、自分の子供たちのために産室を作って、その中に餌を入れておいて、自分ひとりで
成長できるように準備してやっている姿だったんです。
どんな産室を作っているのかは以前の私のブログに載せたことがありますのでご覧ください。
こちらが以前の私のブログです
<<おまけ>>
近所で咲いていたネジバナです。モジズリともいいますね。
#18
日本産のランの一種です。地中の菌類と共存して(助けられて)育つことが知られています。
#19
ネジバナには右巻きと左巻きが半々ずつ存在しているそうです。上のふたつは左巻きですが、この花は右巻き。
花を横から見て”ミ”の字に見えるのが、ミだけに右巻き、と覚えれば忘れないかも。
#20
^ ^
○o。。。 ミ・。・ミ 。。。o○
コボウズオトギリソウは面白いですね。
お花が咲くと、真ん中にもうコボウズになる準備ができているんですね。
実の色合いがとっても綺麗です♪
この植物に、毎年十数匹ものハキリバチがやってくるって、
凄いですね!
こちらではハキリバチは見たことがない気がします。
本当に見事なお仕事ぶりですね。
ちょっとずんぐりしていて、顔も可愛いですね。
これから生まれてくる子供たちのために色々な準備をするんですね。
初めてのことなんでしょうに、手際よく作業を進めて行くものですねぇ。
たくましいお母さんだわ~と感情移入して見てしまいました。
以前のブログも見せていただきました。
このホースに、見覚えがあるような気が……
中身は忘れちゃっていました💦
おまけのネジバナ、私も大好きです♪
以前住んでいた家の庭には毎年出てきてくれた気がします。
今の家の周りではとんと見ないのでちょっと寂しいです。
珍しくて楽しい植物や昆虫を見せていただけて
嬉しいです♪♪♪
すごく暑い日があったり、急に大雨になったりで大変ですが、
気をつけてお過ごしくださいね~
コボウズオトギリソウは花も実もユニークな植物ですよね。私もなかり気に入って
います。この実が生花に使われたり茶室に飾られたりするというのもうなづけます。
ハキリバチも何種類かいるようですが、こちらも面白いハチだと思います。
鋭い観察眼をお持ちのひめねずみさんが見たことがないとおっしゃるならば
そちらにはあまりいないのかもしれませんね。よく見るとなかなか綺麗な姿を
しているハチですよね。
ハキリバチのお母さんは器用に子供1匹ずつの産室を作って餌も用意しておく
というものすごい仕組みを発達させたのがさすがだと思います。5億年もの昔から
生きてきた昆虫ならではの巧みさですね。
同じお母さんとして感情移入してしまうのもよくわかります。
ネジバナは日本のランだけあって、昔から日本人に愛されてきた歴史があります。
日本人の心情によくあう花なんですね。
それでもなかなか気難しい花のようで、毎年同じ花を育て続けるのは難しいようです。
はい、気候の激しい日々が続きますが、お互いに気をつけて過ごしましょうね。
珍しいものをありがとうございました。
切り取られた状態の葉っぱだけを見た人は一体誰の仕業かと思うようですね。
ハキリバチの巣を載せた前回のブログにもそういう疑問を持った多くの人が
訪れてくれました。
そういう人たちのお役に立てれば幸いです。