毎年ブログに載せてしまう大好きなビロウドツリアブ(ビロツリ)です。春のほんの一時期だけに見られる希少な虫です。
ただ幸いなことにビロツリは後翅が変形した平均棍を持っていますので、ブーンというクマンバチやスズメバチが奏でる
音をこの子も出してくれます。そのためけっこう見つけやすい相手ではあります。
でっぷりとしたお尻にビロウド風の衣装を纏い、鋭く尖った嘴を持ったツリアブです。
#1
左右の複眼がこんな風にくっついているのがオスの目印です。
#2
こちらも同じくオスです。
#3
メスはこのように複眼が離れています。
#4
こちらもメスです。
#5
後脚を広げたこんな飛び姿を見ると、そのかわいらしさに思わず頬が緩んでしまいます。この広げた後脚で体のバランスを
とっているつもりなんでしょうね、本人の気持ちとしては。
#6
空中でホバリングしながらモミジイチゴで吸蜜していました。長い雄蕊の奥にある蜜を吸うためにこの長い嘴が役に立って
いるようです。
#7
満足したのか別の花へと飛び去っていきました。嘴の先が二つに分かれているのは蜜を吸ったばかりだからですね。
ビロツリは嘴の先をこんな風に開いて蜜を吸いますので。
#8
タチツボスミレも花の奥の方に蜜がありますので、ビロツリのお得意さんかも知れません。
#9
生物学的にはこの子はハエ目ツリアブ科だそうで、ハエの仲間と言われれば正面の顔からはそんな雰囲気も感じられます。
蜜を吸うときに嘴の先がふたつに分かれるのも、考えてみればハエみたいな特徴と言えるのかも知れません。
#10
英語では large bee-fly だそうで、ハチでもありハエでもあるという苦渋の名前をもらっているような気がしてしまい
ました。
#11
<<おまけ>>
以前、クマンバチは自分が飛べると信じて疑わないから飛べるんだという話をしました。信じればきっと飛べるという
ピーターパン理論と呼ばれてます。航空力学で有名なベルヌーイの定理では説明できないからこんなメルヘンに
行き着いたんでしょうね。
小さなクマンバチにとっては空気もネバネバした粘性を持った流体であるという流体力学のレイノルズ数という考え方が、
彼が彼女が飛べることを証明した学問だそうです。
ビロツリだってクマンバチほどではありませんが、大きな体の割には小さな翅で飛んでいます。この子もレイノルズ数を
上手に使って飛んでいるのかも知れません。
そんな繋がりからクマンバチを今回のおまけにしてみました。
ニホンタンポポをふたつ並べて吸蜜していました。体重をかけて左のタンポポを右のタンポポの方に引き寄せて蜜を吸って
います。
#12
左の花の蜜をたっぷり吸った後、その花から右の花に乗り移り蜜を吸いはめました。最初に吸っていた花は左上に戻っています。
巧みな欲張りさんです。
戻ったタンポポに向かって小さな小さな虫が飛んでいきます。人間が知らないだけでたくさんの小さな虫も元気に生きているん
ですね。地上に生存している生き物のうち、半分以上が昆虫だそうですから地球は虫の惑星なのかもしれません。
#13
^ ^
○o。。。 ミ・。・ミ 。。。o○
しろねこ仙人さんは、英国BBCテレビで世界中の自然・環境についてよく放送している David Attenborough の番組をご覧になったことがありますか。しろねこ仙人さんのブログ記事を読んでいると、彼の番組を見ているような気分になることが多いです。
古い動画ですが一例です。
「Kung Fu Mantis vs Jumping Spider」
https://www.youtube.com/watch?v=7wKu13wmHog
ご紹介のYouTube、面白いものを見せていただきました! まだ最初の1本を
見ただけですが、見たところハナカマキリの仲間とハエトリグモの戦いのように
見えました。
でもこれだけリアルに撮っていると、まるでスターウォーズの世界に入って
しまったようにも見えてしまいます。さすがはBBCと素直に思ってしまい
ました。
私は直接イギリスBBCの番組を見ることは残念ながらありませんが、幸いな
ことにBBCとNHKがタッグを組んで放送するNHKの番組はよく見ています。
こういう番組はとっても大好きです。Sparkyさんもそんなお仲間なのかな?
そう思うととっても嬉しくなります。
David Attenborough は昔からよく知っている人で、彼の解説も大好きで
いろんな機会に楽しんでいます。お兄さんの、俳優で映画監督の Richard も
大好きな人のひとりです。「大脱走」の頃からのお付き合いです。
嬉しいコメントをありがとうございました。
春は楽しいですね~
愛嬌のある丸い体のビロードツリアブは沢山の毛でふっくらとしていて、
こうして見せていただくと、透き通った飴玉のようですね。
眼の付き方の違いや長いくちばしの先までもよくわかって、
可愛らしさや面白さも存分に味わえて嬉しいです
モミジイゴやタチツボスミレとのコラボ写真も素敵で惚れ惚れします
ビロツリちゃんたちは「ここにいるよー」って、教えてくれるんですね。
(次の)春になったら、音にも気をつけて、ビロツリちゃんを
探してみたいものです!
クマンバチくん、ずっしり感が出ていますね。
春の暖かさもたくさんいただけて元気が出ます!!
地球は虫の惑星なんですね~♪
海外の方とも繋がれるのも素敵なことですね♪♪
春は草木も新しい芽を出して精力的に育っていきますし、虫たちも自分の人生を
(虫生を?)開始する目覚めの時ですね。まさに山笑う季節です。
ビロツリ、なるほど、まさに透き通った飴玉ですよね。なにかに似てるなーとは
思っていたんですが思いつきませんでした。
こういう例え話をいつもうまくまとめていただいて感心してしまいます。
毎年なんとか飛んでいる姿を撮ろうとして悪戦苦闘しますが、デジカメは
たくさんシャッターが切れるのはありがたいことだと素直に思います。
花の吸蜜シーンは楽しい写真になりますもんね。
ビロツリは日本国中どこにでも普通にいる虫ですから、ひめねずみさんの
ご近所でも見つかると思います。ただ春のひと月ほどしか成虫ではいませんので
うまくタイミングを合わせてみてください。
クマンバチも目の前を飛んでくれると嬉しい虫だと思います。
以前教えていただいたフルートで演奏する「熊蜂の飛行」、今、しょっちゅう
楽しく聴いています。フルートの凄さ、可能性の高さをこの曲で初めて
知りました。
地球はまさに虫の惑星だと思います。地球の生き物の半分以上が虫だ
そうですが、それでもまだ名前がついている虫は半分もないだろうとか。
計り知れない生き物だと思います。
イギリス在住のSparkyさんと最近お話しできるようになりました。
ひめねずみさんともお話が合いそうな方のような気がします。
彼女のブログも訪問してみてはいかがでしょうか? とっても素敵な方だと
思います。
わたしならまとめて蜂さんと言ってしまいそうです。イギリスにお住いのSparkyさんのブログも拝見させていただきました。
野原も楽しいですね。毎日のように歩いていると園芸種よりも野の花に愛着を感じるようになりましたよ。
幼い頃から虫をはじめいろんな生き物が大好きで、たくさん飼ってきましたからね。
三つ子の魂百まで、といったところでしょうか。
山野草には園芸品種にはない素朴な美しさがありますね。私は園芸品種の花よりも
野山に自然に咲いている花が好きです。同好の士が増えるのは嬉しいことです。