練馬区 すぎぶち ぴあの教室

都内のピアノ教室です。ピアノレッスンのことを綴った真面目なことしか書いていない、でも少し役立つかもしれないブログ。

なぜ3の指?

2024年03月25日 | レッスン

 

 

 
指は5本ありますが、
ピアノはどの指から習い始めると思いますか?
 

多くのピアノ経験者のかたは

親指(1の指)からだったと思います。

 

では、1の指は弾き易かったですか?

 

初めてのピアノだから慣れていないし

こんなものだろうと思っていませんでしたか?

 

実は、付き方が1本だけ違う親指より

一番長い真ん中の中指(3の指)から習い始めた方が

無理なくピアノの正しい奏法を身に付けることが出来ます。

 

素晴らしいピアニストを多く輩出している

ロシアや東欧はその方法で習い始めます。

 

 

さて、ピアノを弾く人の多くが憧れる作曲家ショパン。

 

ピアノの詩人と言われているショパンは

美しい曲を書いただけではなく、

ピアノの腕前も見事でした。

 

ショパンのピアノ技法が

ピアノ曲を大改革したと言っても過言ではありません。

 

 

ショパンは言っています。

ハ長調のスケールは一番難しいから

長い指が黒鍵に来る調から練習をした方が良いと。

 

調号が3つ以上のものということです。

 

 

ショパンの曲にシャープやフラットが

3つも4つも5つも6つもと

たくさんついているのはそのような理由からです。

 

手の形に合っている調で書いてくれているのです。

 

 

ショパンは上流階級のアマチュアにピアノを教えていたので

このピアノ奏法の秘密が専門家の間に広まりませんでした。

 

しかし、この秘密を正しく理解した作曲家がいました。

 

ドビュッシーです。

 

ドビュッシーはショパンの弟子と言われている

モテ夫人からピアノを習いました。

 

ショパンの教えがモテ夫人からドビュッシーに

受け継がれたのだと思います。

 

ドビュッシーは晩年

ショパンのエチュードを校訂しました。

そして、それをきっかけに自分もエチュードを作曲。

À la mémoire de Chopin(ショパンの追憶に)

献呈されています。

 

実際、ドビュッシーも調号の多い作曲家で、

手の形に合った曲が多く作られています。

 

 

やっと本題ですが、

3の指で黒鍵を弾く所から習い始めることは

実は理にかなっているのです。

 

最初に長い3本の指

234の指から習い始めた方が

力みのない手で弾くことが可能になります。

 

さらに黒鍵で弾くと

ピアノを弾く大前提でもある

腕を少し持ち上げた状態で弾くことが出来ます。

 

ショパン発信ともいえるメソッドの教本のひとつが

「不思議な音の国」です。

このメソッドで作られた教本は

私の知る限り日本にはまだ3冊しかありません。

 

この3冊が数巻シリーズ化されています。

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする