ピアノは大きな楽器です。
鍵盤は88鍵もあり、横に長く並んでいます。
この大きな楽器を鳴らすには、
体の先端についた指だけでは鳴らすことはできません。
腕や体の重さを使う必要があります。
これを重力奏法と言います。
現代ではこの奏法が一般的です。
スポーツもそうですが、
力みがあると体は上手く使えません。
それを効率よく、分かりやすく習得できるよう
考えられたメソッドがあります。
腕の重み、体の重みを使えるように
どのように習い始めるかを考えたメソッドです。
何から始めるか。
それは腕を上から下ろすことから始めます。
まずは一音ずつ鍵盤を腕の重さで下せるようにします。
ピアノの広い音域を3の指(一番長い指)で、
ノンレガート(一音一音を離す)で弾くことから
レッスンは始まります。
一音一音弾くと言ってもぶつぶつと切るのではありません。
柔軟な手首とリラックスさせた腕で、
深みのある音で繋がっているかのように弾いていきます。
この時、決して鍵盤を
叩いたり、突いたり、押したりせず、
鍵盤を下げることができるようにします。
指は腕の重さを支えます。
そのためには伸びた指よりも3つの骨が見えるよう
指先で支えた方が支えが効く上に、
肩からの重さが真っ直ぐ鍵盤に伝わります。