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徒然なるままに 平和と音楽を求めて

平和憲法のもと日本は戦争しない国として、いろんな国の国民から賞賛されてきた。この日本が戦争する国に変質しようとしている。

川田忠明氏の「名作の戦争論」から名曲を考える(2)

2009-02-10 | 読書
モーツァルト「不協和音」

西東三鬼の半生を描いたNHKドラマ「冬の桃」、もう30年以上前の作品ではあるが、この話のなかで、ドラマで流れたいた曲のなかで、三鬼をめぐる不穏な雰囲気にマッチしていた曲として、モーツァルトの弦楽四重奏曲第19番K465 通商「不協和音」について、面白い説明をしている。
 曲の冒頭から本当に不協和音、低音のチェロの歩みから始まって、ビオラ、第2バイオリン、第1バイオリンへと少し遅れながら入ってゆくのですが、その音が、「ド」「ラ♭(ラの半音下)」「ミ♭(ミの半音下)」「ラ」となっており、「ラ♭」と「ラ」は半音違いなので、調和していない濁った響きになります。これが「不協和音」と呼ばれる所以なのです。
 川田氏は、「この不協和な響きは、調和的な『勝利』に導かれることなく、突然未解決のままに終わる。その後に展開されるのは、このうす気味悪い響きとはまったく隔絶した、いつものモーツァルト、『神の秩序』ともいうべき響きの均整だ。それはあたかも、現実の世界がはらんでいる不条理をあるがままに見せておきながら、『いやいや失礼、これではありませんでしたね』ととぼけて、皆がお気に入りのフィクションをあらためて演じ直す、といったパフォーマンスのようだ。」と指摘している。「この曲がつくられたのは、フランス革命の4年前である(1785年)。18世紀の市民革命は、理性と合理、啓蒙による新しい調和が社会を超克していく、精神的、文化的大転換でもあった。この前後の時期に普及するソナタ形式(序―提示―展開―再現―結尾の構成からなる)の、展開と相克を経て、最終的に調和的大団円を迎えるというスタイルは、まさにこの時代の精神を反映したものだ。」と、歴史ののなかで、この曲をとらえている。
 これまでの曲の解説と異なるわけではないが、わかりやすい解釈だ。
 だが、次の分析は素晴らしい。
 曰く「K465は、その序奏部分に『不協和』なものを置くことによって、古典派的調和にたいする、ある種の懐疑と疑念を付加している。そして、そのことによって、完結した時代の勝利ではなく、実はその中に孕(はら)まれている矛盾を暗示し、特定の時代の枠を超える、普遍的な響きをもたらしているのである。」
 そして、「三鬼の作品は、軍国主義と和解することのできない『きしみ』であった。『大東亜共栄圏』『八紘一宇』の旗印のもとに、新たな秩序の形成に社会が雪崩をうっていくなか、特高警察の監視下におかれながらも西東三鬼は、その奔流の底にこびり付くように生きる人々と暮らす。」と。
 そうして、あらためて、この曲を聞くと、現在の暮らしにあえぐ、多くの人の声が聞こえるような気がする。「不協」は「不況」に通じるか。



築地市場:理事長選、移転推進・反対が同数 再々投票でも決まらず、15日再再々投票へ

2009-02-09 | 政治
 築地市場の水産仲卸業者で作る「東京魚市場卸協同組合」(東卸)が5日に2回行った任期満了に伴う理事長選挙で決定できなかったため、9日に3度目の投票を行いました。
 しかしこの日も、移転賛成の候補と反対の候補が15対15の同数のため、きまらず、15日に4度目の投票を行うこととなりました。
現職で移転推進派の伊藤宏之理事長と反対派で作る「市場を考える会」の山崎治雄代表幹事を支持する票が3度目の同数で、前例のない展開となった。 東卸は水産仲卸約760業者で構成する築地市場最大の事業者団体。
東京都が強引に進めようとしている豊洲移転に、市場の業者の強い不信を表明したものとなりました。

神代植物公園の梅の花

2009-02-08 | 公園
風は冷たいが、晴天の空。神代植物公園に梅を見に行く。まだ少し早いが、半分近くの梅は花が開いていた。真っ赤な花の「紅乙女」、早咲きの「大輪緑顎」、「蝋梅」が満開。私を含めて素人カメラマンが熱心に撮影。
茶屋で、甘酒一杯飲んで、休憩。公園内を散策。




川田忠明氏の「名作の戦争論」から名曲を考える(1)

2009-02-07 | 読書
 昨年11月に発行された川田忠明氏の著作「名作の戦争論」(新日本出版社)、書名に惹かれて購入した。
第2話に『愛の喜び』『愛の悲しみ』『美しきロスマリン』で有名な「クライスラー」。第一次世界大戦でロシア戦線に召集され、このときの体験に、ロシア軍兵士とタバコを交換するという、戦闘中とは考えられないことが起こったこと、食料がなくなり、餓死寸前のロシアの兵隊が食料を恵んでほしいとの申し入れを受け入れ、クライスラーは、とっておきのチョコレート2枚を提供したこと、これを彼は「残忍な近代戦争のもっとも野蛮な残虐行為の中にあって、文明のもっとも優しい花々が咲いた、素晴らしい例だ」と自賛している。この結果、翌日に、ロシア軍にオーストリア軍は壊滅させられ、クライスラーも命からがらウィーンに戻って行く。が、クライスラーはロシアを「恩知らず」とは責める言葉がないという。
これは、ロシアとオーストリアの間でだけのことではない。ドイツとフランスの間をはじめ、ヨーロッパの戦争では、よく見られたことのようである。
川田氏は、20世紀の戦争は、クライスラーが体験したような『騎士道』的ロマンチシズムの可能性を抹消することによって、悪魔的変貌をとげていったのである」と、指摘している。
日本でも、戦国時代、明治維新戦争のなかにも、そのようなことがあったのでは、それがあの中国・アジアでの戦争は、「ロマンチシズム」を一切奪い取ってしまった。



都民芸術フェスティバル2日目は読売日響

2009-02-04 | 音楽 クラシック
2月4日の都民芸術フェスティバルは、読売日本交響楽団。
当日券販売なしの満席。3階の最前列で、演奏者全員がよく見え、ソロの演奏もよく見える。
チャイコフスキーの2曲、やはりすばらしい曲。

指揮/小林研一郎  ヴァイオリン/藤川真弓  
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲 
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 作品64
アンコールは、ブラームスのハンガリー舞曲第1番


自然豊かな野川

小金井市東町の南側を流れる野川。 国分寺崖線のはけの道に沿って。