ブログの更新が半年もあいてしまった。
死ぬほど忙しかったからだ。
第一に、初めて単著の研究書を出版したからだ。ロースクール関係の留学本なら1994年に単著で出しているし、共著なら法学関係のものが多数あるが。
原稿はかなり前に書き終わっていたが、情報のアップデートが必要(中国法はしょっちゅう変わるから)だったし、2009年8月に日本で発効したウイーン動産売買条約(CISG)のことも書く必要があると考え、中国契約法とCISG,ユニドロワ国際商事原則、ヨーロッパ契約法原則、UCC(米国統一商法典)、日本の民法改正提案を比較する章を新たに書き下ろしたりした。
中国は1988年にCISGを批准しており、かなり遅れて日本も批准した今、対中国との契約交渉で、中国法でなくCISG等の国際ルールを適用することがよりやりやすくなったので、各契約事項で、どの条項を適用したらいいかという実務的アドバイスも記述した。
中国契約法は1999年と遅くできたため、契約法の大原則にかかわること(無過失責任、瑕疵担保責任と契約責任の統一等)については、国際的潮流に適合している。日本の現行民法はそういう意味では遅れているが、近々予定されている民法大改正では、こうした国際的ルールの採用が提案されており、この点からも面白い分析になったと思う。
第二に、二年生のゼミの発表会があったからだ。
政策を作って府庁で発表するという授業だったのだが、私のゼミでは、「育児における男女共同参画」をテーマにした。
ハード面の調査に特化し、不特定多数が利用する場所に男女ともにアクセスできる場所におむつ替え設備やトイレの個室のベビーチェアなどがあるかどうかの調査を行った。
2006年に施行されたバリアフリー新法の委任を受けて上乗せ横出しをしている各自治体の条例の中には、公共の場所において、おむつ替え設備、ベビーチェア、授乳施設等をジェンダーフリーにアクセスできる場所に設置することを義務付けるものがある。
そこで、全国47都道府県と18全政令指定都市の条例の悉皆調査を行い、これらの規制の有無と適用範囲を調べ、優秀な自治体をピックアップした。top3は福岡市、東京都、京都府だった。
また、京都府内の不特定多数が利用する施設約200にこうした設備の有無をアンケートを行って調査し、京都府および京都市の関連条例の適合の有無を分析した。
報告書は1万字以上でいいところ、わがゼミでは本編と資料編を合わせて13万字近くになったし、発表会でもおほめをいただいた。行政法の先生にも「条例の悉皆調査なんて研究者でもなかなかできない」といっていただいた。
他のゼミの発表を聞き、報告書を読んで、いいにくいことだが、自分のゼミの学生にあまりに過剰な負担を課したのだということがわかり、ものすごく反省した。
私は法科大学院出身なので学部生のゼミを担当したことがなく、加減がわからなかったとはいえ、本当に申し訳なかった。
膨大な調査結果を15分でプレゼンするために、教室を借りて何度も予行練習をしたりした。こんな私についてきた真面目で健気な学生たちにはただ感謝あるのみである。
発表会の後、アンケート調査や聞き取り調査にご協力いただいた団体等に報告書を発送する作業を行い、やっと一段落した。
第三に、民法の講義でtutorialという個人指導をやっていたからだ。
授業中取り上げる判例百選の判例を予め受講生一人一人に割り当てておき、まとめたものを発表させる。事前にひとりひとりアポをとってもらって、書いてきたレジュメを基に指導し、かつ、毎回やっている小テストでその学生が間違った箇所を復習する、というもので、オックスフォード大学で受けた教育にヒントを得たもの。
ということで、学期中は非常に忙しく、春休みになってやっとこうしてブログを更新できた次第である。
死ぬほど忙しかったからだ。
第一に、初めて単著の研究書を出版したからだ。ロースクール関係の留学本なら1994年に単著で出しているし、共著なら法学関係のものが多数あるが。
原稿はかなり前に書き終わっていたが、情報のアップデートが必要(中国法はしょっちゅう変わるから)だったし、2009年8月に日本で発効したウイーン動産売買条約(CISG)のことも書く必要があると考え、中国契約法とCISG,ユニドロワ国際商事原則、ヨーロッパ契約法原則、UCC(米国統一商法典)、日本の民法改正提案を比較する章を新たに書き下ろしたりした。
中国は1988年にCISGを批准しており、かなり遅れて日本も批准した今、対中国との契約交渉で、中国法でなくCISG等の国際ルールを適用することがよりやりやすくなったので、各契約事項で、どの条項を適用したらいいかという実務的アドバイスも記述した。
中国契約法は1999年と遅くできたため、契約法の大原則にかかわること(無過失責任、瑕疵担保責任と契約責任の統一等)については、国際的潮流に適合している。日本の現行民法はそういう意味では遅れているが、近々予定されている民法大改正では、こうした国際的ルールの採用が提案されており、この点からも面白い分析になったと思う。
第二に、二年生のゼミの発表会があったからだ。
政策を作って府庁で発表するという授業だったのだが、私のゼミでは、「育児における男女共同参画」をテーマにした。
ハード面の調査に特化し、不特定多数が利用する場所に男女ともにアクセスできる場所におむつ替え設備やトイレの個室のベビーチェアなどがあるかどうかの調査を行った。
2006年に施行されたバリアフリー新法の委任を受けて上乗せ横出しをしている各自治体の条例の中には、公共の場所において、おむつ替え設備、ベビーチェア、授乳施設等をジェンダーフリーにアクセスできる場所に設置することを義務付けるものがある。
そこで、全国47都道府県と18全政令指定都市の条例の悉皆調査を行い、これらの規制の有無と適用範囲を調べ、優秀な自治体をピックアップした。top3は福岡市、東京都、京都府だった。
また、京都府内の不特定多数が利用する施設約200にこうした設備の有無をアンケートを行って調査し、京都府および京都市の関連条例の適合の有無を分析した。
報告書は1万字以上でいいところ、わがゼミでは本編と資料編を合わせて13万字近くになったし、発表会でもおほめをいただいた。行政法の先生にも「条例の悉皆調査なんて研究者でもなかなかできない」といっていただいた。
他のゼミの発表を聞き、報告書を読んで、いいにくいことだが、自分のゼミの学生にあまりに過剰な負担を課したのだということがわかり、ものすごく反省した。
私は法科大学院出身なので学部生のゼミを担当したことがなく、加減がわからなかったとはいえ、本当に申し訳なかった。
膨大な調査結果を15分でプレゼンするために、教室を借りて何度も予行練習をしたりした。こんな私についてきた真面目で健気な学生たちにはただ感謝あるのみである。
発表会の後、アンケート調査や聞き取り調査にご協力いただいた団体等に報告書を発送する作業を行い、やっと一段落した。
第三に、民法の講義でtutorialという個人指導をやっていたからだ。
授業中取り上げる判例百選の判例を予め受講生一人一人に割り当てておき、まとめたものを発表させる。事前にひとりひとりアポをとってもらって、書いてきたレジュメを基に指導し、かつ、毎回やっている小テストでその学生が間違った箇所を復習する、というもので、オックスフォード大学で受けた教育にヒントを得たもの。
ということで、学期中は非常に忙しく、春休みになってやっとこうしてブログを更新できた次第である。