夜明けの曳航

銀行総合職一期生、外交官配偶者等を経て大学の法学教員(ニューヨーク州弁護士でもある)に。古都の暮らしをエンジョイ中。

カミングアウトします。

2011年04月13日 | Weblog

阪急梅田駅で宝塚宙組が募金活動をしていた。

この1年くらい、初めて若いアイドルのファンになり、初めての経験に自分でも戸惑っている。

今まで若い異性の芸能人を好きになったことがなかったからだ。

十代の頃は、私より7歳年上の新御三家、西城秀樹、郷ひろみらの全盛時代だったが、全く興味を持てなかった。
自分より20も年上の北大路欣也とか、近藤正臣とか、田村亮(芸人でなく田村さん兄弟の末っ子の方。二谷友里恵(私より2歳下。トライの現社長なので父親をCMに起用していると思われる)も十代のとき彼のファンだったと知ってちょっと驚いたが)とかが好きで、彼らの出るドラマを一生懸命見ていたのだった。とにかくおじさん好きだった。

唯一、『岸辺のアルバム』を見ていいと思った国広富之も、高校時代、彼に惹かれて『噂の刑事トミーとマツ』を見るうちに、係長役の林隆三(やはり私より19歳年長)の方がずっと好きになってしまった。(そういえば、このドラマの婦警役で人気の出た石井めぐみを久しぶりにTVで見た、と思ったら、椿鬼奴という女芸人だった。本当にそっくりだと思いません?年齢だいぶ違うけど。)

後は自分も20代後半、30代になってから、年齢の近い真田広之、堤真一、上川隆也、内野聖陽を好きになり、舞台や映画、ドラマは欠かさず見ているが、これは若いアイドルとはいえないだろう。藤原竜也を好きになったのも、『身毒丸』の舞台を見てその演技力に感心したからだった。

ところが、ここ1年くらい、あるアイドルにはまってしまった。
はじめは、出身地が近いとか、母子家庭で苦労した生い立ちとか、アイドルやりながらそこそこいい大学を卒業して偉いとかそういう感想しかなかったのが、いつの間にか、はまっていたのである。

夫には「目指せ、マルグリット・デュラス(それほど年齢差ないし才能も金もないけど)!」とかいって呆れられている。

彼の母親より自分の方が年上と知ってなおショックであり、また、学生に知られたらみっともないと思い(とくに男子学生が引くのではないか、研究室にポスター貼ったりしたらセクハラにならないか、とか)、はっきりいわなかったが、先日、同じ学部の女性教職員とちょっとしたパーティーをしたとき、「いいじゃないですか、別に」といわれ(とくに韓流にはまっている先生に)、ブログに書くことにした。

以下は、ファンにしかわからないしょーもないコメントなので、興味のない人はパスしてください。


彼のコンサートに、昨年の1月に続き、4月2日に行ってきた。ファンクラブに入っている学生がチケットを取ってくれたのだった。

大阪城ホールの周辺は独特の盛り上がりで、そういえば、数年前、後楽園の歩道橋の上で、やはりジャニーズの彼の属すグループのコンサートの直前でうちわをもってすずなりになっている若い女の子たちを見て、「よくやるわね」と思っていたのに、まさか自分がその集団の一部になるとは夢にも思わなかった。

やっぱり、人間は、年相応の時に年相応の経験をしておかないと、後で怖いとつくづく思う。

席は、楕円形の長い方の端、メインステージのちょうど真向かいの2階席の5列目だったが、そのためにサブステージがすぐ側にあり、そこに何回もきて歌ってくれたので、3メートル以内くらいで間近に見られて大興奮だった。間近で見ると、不規則な生活だろうに肌がきれいなのに驚き、そしてそう思う自分のおばさんさ加減に自分でちょっと引く。

私の席は通路の脇だったので、通路に出て思いっきり手を振ったら、目があった(ような気がした)。
中央の舞台もメインステージも肉眼でもかなりよく見えて、やっぱり大阪城ホールはすごくお得だと思った。
今までサザンやユーミンのコンサートに行った東京ドームや代々木体育館、横浜アリーナ等は、ものすごく広く、S席でアリーナでも後ろだと豆粒くらいにしか見えないからだ。

去年とは比べものにならないくらい、力が入っていた。
アンコールも「特別サービスですよ」といって2回もやってくれた。

以下、覚えている限りのことを書いてみる。

1.コンサートのセットやグッズのデザインは、ドラゴンを中心として赤と青で渋く統一、香港ぽいイメージで、このアジアツアーが1月29日に香港でスタートしたという特徴が際立っていた。

2.スタートは、中央ステージでスッポンから登場、いきなり「抱いてセニョリータ」、続いて「青春アミーゴ」と、大ヒット曲を前座のように先に持ってくることに、このコンサートにかける意気込みが感じられた。

3.去年よりはるかにたくさん観客の側に行き、手を出した観客のほとんどと握手してくれた。

4.「今日は、幅広い方にきていただいて、ちびっ子から (ここでしばらく言葉を選んでいたのか沈黙)熟女のお姉さんまで」というのがおかしかった。私と目があった(ような気がする)のは関係ないと思うけど。そう思ったおばさんは会場にたくさんいるのでは。

5.MCも面白かった。しゃべりは苦手らしく、「つたないMCの時間です。今日は質問を何でもうけることにします」かなり率直に答えていた。

Q「Super Good とSuper Bad、どちらが好きですか?」(40代くらいの人を選んでマイクを向けてあげていた)
A「Super Badですね。Super Goodは社長が選曲したので、少し古いですね。ずっと、『You、これやっちゃいなよ』といわれたことをいろいろやってきましたから、いいんですけどね。」

ちなみに私もSuper Badの方が好きだ。ユーロビート調の曲が楽曲としてできがいいと思う。
スローなバラードは彼の歌唱力と声量では少し無理がある。ただし、声量がない分、歌声が話す声に近いので、ファンにはたまらない、ともいえる。

Q「今回のアルバムの中で一番好きな曲は?」
A「そうですね、Party don't stopがノリがよくて好きですね」

Q「夕べ何をしてましたか?」
A「ミュージックステーションを見てました」(しかし、その番組は19時から生放送だから生では見られないはず。わざわざ録画していたのかな?ちなみに、この回は「元気が出る曲ベスト200」がテーマ。「青春アミーゴ」が69位あたりに入っていたと思う。それに、よく見ると、キンキやJ Friendsのバックでジュニア時代に踊っているのを発見)

「みなさん、ほかの歌手のパフォーマンスを見ているゲストの様子を画面の隅で丸の中で写すじゃないですか?僕、昨日それを見てたら、淳之介はノリノリでで頭を振りながら一緒に歌ってました。今度あいつが出たら注目してみてください」

Q「誰と仲がいいですか?」
A「そうですね。昨日亮ちゃんと飯食いましたね」

Q「もうすぐ結婚するんですけど、どんな結婚式がしたいですか?」
A「結婚のことはまだ考えられないですね。」わざわざカメラ目線で力強く「結婚はまだまだですからね」と念を押した。

Q「関西弁で好き、っていってください」
A「(大声で)めっちゃすきやねん!」(かなり目立つ赤いリボンとコスチュームの二人の女の子。「Love you 10 years」というカードをみて)「長い間ファンでいてくれてありがとう」(本人たち、感極まって泣き出す。すごく若い時代のうちわをとりあげて)「わー古いですね、このうちわ、完全に目が死んでますね」

Q(欠食児童とは正反対の体型の小学生の男の子)「どうしたらジャニーズに入れますか?」(会場、大爆笑、仕込んだんじゃないかと思うくらいはまった質問だった。)
A「そうですね、踊って踊って、踊り続ければなれますよ」

6.バックで踊っていたFIVE一人一人に質問。「趣味は何ですか?」釣りという子に、「シゲも最近釣りにはまってて、あいつ、暇だから釣りばっかり行ってるみたいなんですよ。今度テレ東でレギュラー始まるらしいのでみんな見てくださいね」(ちょっと残酷かなと思ったけど)

7.「昨日名古屋で始まって」というコメントにはちょっとブーイング(前の日から大阪でスタートしたから)

8.「後半で、80年代歌謡曲みたいな『罪と罰』という曲で、皆さんにグーパーしてもらいます。みんな、ここには僕と皆さんしかいないんだから恥ずかしがらないで」

9.外国でのツアーで日本らしさを出すために、後半のはじめは、鬼の面を被って登場して剣舞。

10。歌はともかく、踊りはやっぱりすごい。激しく踊りながらでも歌うときに息が切れないのも訓練の賜と思った。

11。通常のアンコールの後、「本日の公演はこれですべて終了しました」アナウンスが流れ、前日の代々木体育館での募金活動のビデオが流れた(朝イチで代々木に行ってから大阪に来て夜のコンサートをやった模様)が、あまりにも長く続く「山P」コールに答え、Tシャツ姿で登場、「本当に特別ですよ」といいながら、「ゴメンネジュリエット」を歌ってくれた。

12 去年は、ほとんど曲を知らなかったが、今回はアルバムを買って、移動中(電車の中は除く)ひたすら聴いて予習していたので、マイクを会場に向けられたとき、他の客と一緒に「最後のラブソング」を合唱できた。こういう一体感はすごいと思った。


彼は情熱大陸に出演したとき、「僕は男だからずっと仕事をしていきたい、小さい頃、お母さんが働いていて本当にかわいそうだった。女の人にそんな思いをさせたくない」といっていた。母親を助けるために自ら希望して小学校5年生で事務所に入り、今までひたすら努力してやってきたわけである。


「こんな時期だからこそ、今日は一日楽しく過ごしてください。皆さんあっての僕です」
ファンに触られまくってちょっと苦笑もしていて、「仕事と割り切ってアイドルしてるんだろうな。ホントは彼女以外には触れられたくないし、もっと遊びたいんだろうなあ。健気だなあ。いじらしいなあ」と思った。彼にとっては、有名になるとか、ちやほやされることは二の次で、とにかく11歳の時からアイドルは母親を助けるためにお金を稼ぐ手段、勤労青年なのである。
そして、どんなに明るくふるまっていても、そのたたずまいに哀しみや影がつきまとうのはなぜなのだろう。

手抜きのないパフォーマンスとサービス精神、プロ根性がすごいなと思った。

それに引き替え、私は、分野は180度違うけれど、彼ほどプロフェッショナルな仕事をしているだろうか、と考えさせられた。
私もいろいろ辛いことがあっても、もっと仕事を頑張らなければならないな、とものすごく勇気づけられた。

アイドルとは、元気づけ、鼓舞してくれる存在、それでいいのではないだろうか。

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