5/15(日)
上尾二輪會
今年に入ったあたりから、毎月コンスタントに乗りに来てくれているライダーがいます。
その昔90年代後半のシーンを乗っていたとのことで、そのライディングスタイルたるや、僕と同じくブレーキ、スカッフを巧みに使いこなしており、なるほど、世代と経験を言わずもがな物語っています。
暫しのブランクがあったようですが、いわゆる「復帰組」というやつでしょうか、毎月会うたび取り戻している感が増し、着実にトリックが洗練されてきているのを、僕も乗りながら遠目にチェックしていました。
・・ところが、いや、それは実に大歓迎な心境の変化ではあるのですが・・
ある時を境に突如開眼したのでしょうか、氏曰くオリジナルトリックをやりたいとのこと、イメージはそれなりに固めて来たようです。
ライダー本人の意思を尊重し、この場では細かいトリックの概要説明は控えますが、ひとつ間違いなく言えるのは・・
宇宙系。
とにもかくにも、大気圏もオゾン層もゆうに脱出していることでしょう。
あれよあれよと言う間に、ひとり、またひとりと練習中のライダーの動きは止まり注目の的に。
僕がこれまで見てきた彼の姿はあくまでもフェイクだったのでしょうか「彼はこういうライダーだったっけ?」抱いた印象は誰しも同じだったようで、一同驚きの感情を隠せませんでした。
あんなに真面目な子がこんなことをしてしまうなんて・・
挨拶のできる良い子でした・・
クラスの人気者でした・・
僕の脳裏にそんなワードが駆け巡りました。
そして早くもイメージが形になり始めた次の瞬間、
鈍い転倒音が聞こえた方を振り返ると、氏はしばらく起き上がっては来ませんでした。
乗り場は騒然、ここ数年間で稀に見る流血劇・・
たちまち紅く染まって行く神聖なるフラットランド。
これに負けず、ライディングスタイルも燃えたぎる自分色に染めて行って下さい。応援しています。
・・ただ、今だけは・・
怪我が完治するまでは、お大事になさって下さい。