助手席での諸注意

下の日記の夫婦に以前、
「いい人だから」　と言われて　暇なのが災いして、ちょっとドライブなんかしてしまったことがある。
抹殺したい記憶の一つだけど。ええーかなり昔の話です。

それはスピッツの「涙がキラリ☆」が大ヒットしてるころで、
私が運転したのはそいつがペーパーでクルマがなかったからで

「後は若くないお二人で　　」と言われ
回りに喫茶店もなくしょうがなく、クルマででかけた。


カセットに発売されたばかりの「ハチミツ」のCDを落として流れていた。
（いまだにＣＤを搭載してない、前時代の人間だ）

「僕「『ロビンソン』　大好きなんですよ」
と言いながら

♪　誰も触われない 二人だけの国　君の手を離さぬように
大きな力で 空に浮かべたら　

の個所にきたら

「えっ　ナニを空に浮かべるんですか？もう一度聞かしてください」

面倒なのでリピートにしてやった。

「えっ　またわからなかった　・・・」　
「なっ　なんて言ってるんですか・・・」


「・・・・さあ？」
歌詞カードはクルマに乗っけていなかった。

なんだかそいつが口を開く度にだんだん腹が立ってきて、
そいつが次に口を開いたら

「おっさん　降りくれんかのう」と、ブレーキに片足乗っけたまま
暇なほうの足でそいつの尻を蹴って落としたと思う

もう一回、口を開く寸前に喫茶店が見つかり
「命拾いしたのお」と心でつぶやいた。

　割り勘でお茶飲んで（こんな奴に　コーヒー一杯だっておごって貰うなんて、末代まで祟りそうな気がしたのと、たしか　アタシが年上だったような・・）

夕飯時間が近くなっていたけど
いい加減な嘘をついて、友達の家に落としてそそくさと逃げ帰ってしまった。

後で友だちに
「愛想がない人ですねえ」と言ったらしく
「顔に似合わず、恥かしがり屋なのよ」と余計なフォローをしてくれたそうだが、はっきり言って欲しかった

「アンタみたいな　タイプ大嫌いですって」


私は唄を聞くときには歌詞を文字にして浮かべて聞いている
「音楽は　歌詞ではなくリズムだ」と言ったのは誰だったか
ニュー・ミュージックという名前が台頭しだしたころだったような。

似たような趣味傾向にあっても、相手の性格に依る。
　


いい人よ　　というコトバはそれ以来、ものすごく注意を払うようになった

いい人よ　ちょっとお金に不自由してるらしいけど（生活費はいれてないけど）
カっとすると暴力ふるうけど、あれで根はいいヒトだから　
いい人なのよ　ちょっと女に甘くて　いい加減だけど

いい人っていう名前のダメな人が世の中には一杯いることを
私たちは知らねばならない



　世界的な大富豪で、このままの私のことを隅から隅まで大好きでいてくれるのなら
とんでもない悪いヒトでも全然構わない、と思っているのだけど、
その考えはどうもあまり一般的ではないのか、みんなが嘘つきらしく、
その友人夫婦も二度と私に誰も紹介してくれなかった。

現在に至る