オステリア白樺の料理ノート | ビーナスライン・車山のレストラン

注文ごとに作るPizzaや茹で上げパスタが人気の小さなイタリア料理店。季節の料理は当店HP上でご覧下さい

2023-2024冬シーズンのご案内

~冬季営業案内~

ランチ お休みです
 

ディナー(完全予約制・おまかせのみ・グループ、団体不可。乳児含み5名まで) 
18時スタート 18時半スタート


定休日     完全予約制
冬季営業期間     2023年12月23日~2024年3月中旬

遭難時刻と発見時刻 

2011-06-14 | よもやま話

 後輩のK君が北アルプス剱岳で行方不明になったのは12月29日の朝だった。前日までの猛吹雪は少し小康を見せていた。視界こそ悪いものの、冬の剱岳ではそこそこの天気であった。

 一行は早月尾根2.400mに張ったアタックキャンプで一日沈殿した後、剱岳のアタックを開始した。冬山未経験の1年生を3人抱え、また前日までの積雪であまりペースがあがらない。2.600mの乗越しにさしかかったのは午前9時少し前である。その頃になると視界はほとんどなくなっていた。

 K君がトップで登り始めた。晴れていれば乗越しのスカイラインに沿って、覆い被さるように雪庇が発達しているのが見える。K君が雪庇にさしかかる頃、突然雪庇が崩れ、轟音とともに池の谷へ消えた。パーティの誰もK君が落ちた所を見ていない。唯一人、青いものが視界を通り過ぎたような気がする、というだけだった。そして、遙か下の方で誘発されて起こった雪崩の音がしばらく響いていた。午前8時56分だった。

 その時僕は2.200mにある早月小屋にいた。山酔会のメンバー2人とクリスマスイブに入山し、剱岳を登った後、そのまま小屋番としてお正月を過ごす予定にしていた。お正月登山のピークはまだだったが、小屋には富山県警山岳警備隊の常駐隊員、カメラマンのTさんAさん、我々と賑やかだった。

 開きっぱなしにしていた無線にリーダーのY君の声が飛び込んできたのは朝食を終えて思い思いにくつろいでいる時だった。緊迫した声が無線から食堂に響く。心の動揺を抑え、詳しい状況を聞き、指示を出した。横目で見ると、先ほどまでのんびりと寝そべっていた皆が装備を身につけ、あっという間に準備を整え次々に出ていった。

 連絡を終え、僕も後を追う。現場に到着すると、警備隊員がありったけのザイルをつないで池の谷へ下降を始めていた。危険な作業を楽々と行う警備隊の佐伯さん、佐々木さん(当時)に頭が下がる。しかし風雪はますます激しくなり手がかりを得ることはなかった。万に一つの可能性に備え、現場でテントを張って数日間K君の還りを待ったが、ついに第一次捜索は打ち切りになってしまった。

 我々の苦闘が始まった。多くの人の協力を頂き、積雪調査・落下ルートの推定を行い捜索計画が立てられた。滑落地点からは急傾斜の斜面が続き、約300mの岩壁を経て万年雪の池の谷に至る。

 本格的な雪解けが始まると現場付近と池の谷に捜索キャンプを常設し、交代で毎日のように巡回した。万年雪の狭くて深い谷は山の芽吹きから忘れられたようだ。
 なかなか溶けない雪に、ついにはチェーンソーを担ぎ上げて、落下予想地点の氷の切り出しをしたりもした。

 短い夏が過ぎた。山の紅葉が見事になると、それはいつ初雪が来てもおかしくないという合図でもある。谷の氷も堅さを増し、時折チェーンソーがはじき返されるようになった。

  9月の下旬、捜索の打ち切りが囁かれる中、僕と2人の部員は池の谷の捜索キャンプに入った。事故発生から9ケ月が経ち、捜索が日常のようになっていて、正直なところ何のために山に入っているのかが分からなくなってしまうようになっていた。
 その日もまるで子供が学校に通うように準備をし、テント場を後にした。雪渓の中、一歩一歩高度をあげていく。剱尾根の末端が見えるようになったころ、その右下に青いものが見えた。もしかして・・・僕は一気に駆け上がった。見覚えのある青いヤッケ、ザック・・・・K君がそこにいた。

 山岳部への入部を迷っていた彼と早春の鍬崎山へ登った。良く晴れた山頂から見える北アルプスの景色に彼は山をやろうと決めたのだろうか。彼はめきめきと実力をつけ、剱岳北方稜線、そして厳冬の源次郎尾根など、岩登りで鍛えたバランスの良さは冬山でも発揮された。
 僕が彼と登った山は、彼の登山歴のほんの一部でしかなかったけれど最初とそして最後の下山に付き合うことになったのは不思議な気がしてならない。発見時刻は、9月29日午前8時56分、月命日の同時刻であった。

  その一年後、僕はパキスタンのG1に遠征した。K君のご両親から彼の遺骨をお預かりし、コンコルディアと、G1の標高7.400m付近に散骨した。どちらも良く晴れた日には素晴らしく景色の良い場所である。

オステリア白樺


ソーセージのピッツァ

2011-06-06 | ピッツァ

国産ソーセージたっぷりのピザ

 

「おすすめは何ですか」

初めてこられるお客様に良く尋ねられます。

たいていはフォルマッジオのピザをお薦めしてしまいます。

他の店にはない味で、あのピザを食べに何度もご来店くださる方が多いのです。

当店のリピート率No1のメニュー。

ですから、お客様に何度も足を運んで欲しいオーナーとしては、

「フォルマッジオのピザです。」と言ってしまいます。

(同じ理由で、雑誌の取材でも最近はたいていフォルマッジオに。

 写真映りは地味なんですが。)

 

だけれども、

もしお客様が

「マスターが、一番よく食べるピザはどれですか?」

という質問をしてくれたなら。

文句なしにこの、「国産ソーセージのピッツァ」とお答えします。

信州の会社が、国産の原材料を使って真面目に作っている

おいしいソーセージ。生地、チーズとの相性もばっちりです。

 

どんな気分の時でも、たいていの人に、安心しておいしく食べられる、

ソーセージのピザなのです。

 

いつもフォルマッジオをご愛顧いただいている皆さま。

たまに違うピザもいかがでしょうか。おいしいですよ。

 

高原の小さなイタリア料理店
オステリア白樺