UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 472P

2024-06-17 20:00:09 | 日記
(行ける。このまま――)
 
 ふと桶狭間忠国の拳が止まる。それは戸惑い。桶狭間忠国の拳は悪魔のような女性の目の前で止まってた。そしてそれを許すほどに悪魔は優しくない。
 
 ズシュ――
 
 「桶狭間さん!」
 
 その声は野々野小頭だ。このメンバーなら野々野小頭しかその苗字をしらない。それに一番関係性がこの中では深い。だからこそ、叫んだ。けどそれでも野々野小頭だってそこまでの関係性ではないんだが……なにせ今日の数時間前に会ったくらいである。
 でもそれでも知り合いの腹に穴が開くというのは女子中学生にはショッキングな光景だった。そう、背後から見てる野々野小頭達にもわかる。その大きな桶狭間忠国の背中から、うねうねと動く鋭利な尻尾が飛び出てた。
 
「ぐっ……ふ……」
 
 桶狭間忠国の片膝が地面についた。あれだけ屈強で悪魔とも同等に動けてたあの桶狭間忠国が……と衝撃を受ける。
 
「アギャギャギャギャギャ――ぎゃあ!?」
 
 あざ笑うような声が高鳴った。人のそれではないような声。不安が皆の心に広がっていってた。でもそこで唐突に悪魔のような女性の声が止まって、吹っ飛んだ。でもそれだけじゃない。もちろんそれをやったのは桶狭間忠国だ。
 彼しかいない。人の体が数メートル単位で吹っ飛びそうなくらいの勢いが彼女にはついてた。でもとんでもない事をさらに桶狭間忠国はやった。
 
「うんぬぃぃぃあああああああああああああああああああ!!」
 
 歯を食いしばって桶狭間忠国は体を奮い立たせた。最初の一発を食らわせて、それで悪魔のような女性は吹っ飛んだ。けど桶狭間忠国は逃がさなかった。自身に刺さった彼女の尻尾……それを桶狭間忠国は握ってた。わざわざ抜けないように。そして伸びきったその尻尾をもう一度引いて彼女を近くに寄せると再びその拳を叩き込む。
 
 ドカァン! ドガァン! ズガァン!
 
 とかもう鳴ってはいけないような音と共に、悪魔のような女性の体が何回も何回も舞う。まるで壁に当たって跳ね返ってきてるボールを撃ち返す壁打ちをやってるかのようだった。
 とんでもない……誰もその場で声を出すことが出来なかった。桶狭間忠国のその鬼気迫る勢いに皆が飲まれてた。そしてそれはこの場にいる草陰草案達だけじゃない。モニター越しの何百、何千、何万という人達もそうだ。ただ食い入るようにその映像を見てた。
 
 でも次の瞬間、悪魔のような女性は反撃した。あれだけ殴っても彼女は無事だった。何回も自身に叩き込まれた拳。それを直前で回避して逆に桶狭間忠国の顎に蹴りをぶち込んだ。そして尻尾の拘束をといて、さらに今度は一方的に彼女が桶狭間忠国を攻撃しだす。
 
 そして彼は……桶狭間忠国は全身を血まみれにして、白目をむいて大の字にその場に倒れ伏した。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路へご招待 4

2024-06-17 19:49:06 | 日記
「こうやって見ると……とてもその……なにやら違いがありますね」
 
 そんな風にいったのは勇者だ。私たちはいつまでも眺めてても仕方ないってことで、船の残骸へと近づいていった。そして勇者のあの言葉である。『船』といっても、この場所に積み上げられた残骸といって差し支えない船はそれこそ千差万別といっていい。
 それこそなんか手漕ぎボートな様なものから、戦艦といって差し支えない大きさの物とかある。それにテクノロジーの差とかも半端ない。手漕ぎボートなんてそれこそ、なんでこんなところに? だしね。
 
 
「とりあえず……」
 
 私は肩の所をガシャンと開き、G-01から特殊なレーザーをだして、一気に見える範囲をスキャンする。それによって何があるのか、どんな材質なのか、そして危険はないのか? って奴を確かめた。
 
「とりあえず生命反応は……いや、あるな」
 
 なにやら小さな反応がある。それも結構たくさん。それを伝えることにした。
 
『気を付けてください。何者かの生体反応があります』
 
 取り付いて調べようとしてた勇者やアイ。そして既にそこらをとっとこと歩いてるポニ子。するといきなりポニ子が歩いてたところがはじけた。そのせいでポニ子が「ポニー!」とかいって吹っ飛んだ。
 まあポニ子なら大丈夫でしょう。それよりも……ポニ子を吹っ飛ばして出て来た奴が問題だろう。それは大きな目玉……それに触手の様なものが生えてた。
 それは生物というか? 機械生命体の様な……そんな見た目をしてる。まるで泳ぐようにその存在は、その触手というか、腕というかをゆらゆら揺らして移動してる。
 そしてある程度の高さにいくと、その触手の先端を開いて残骸に憑りついて、その瞼? といっていいのかわからないが、デカい目玉にかかってる瞼部分を大きく開く。いきなり攻撃してこないから案外知性的なのか? とか思ってた。
 そしてそれは多分間違ってない。何やらあいつ、通信してる。それを把握することは出来ないが、でもそういう電波を出してるのはわかる。
 
『何か、嫌な予感がしますね』
 
 私がそうつぶやくと、唯一G-01にしがみついて残ってるミレナパウスさんがそれに同意してくれた。そしてそれはどうやら正しかった。女の勘はやはりさえわたってる。
 
 なにせ残骸から次々と同じようなタイプの奴らがいっぱい……いや沢山? もっというと無数に出て来たからだ。
 
『うわっ……』
 
 思わずそんな声が出ちゃっても仕方ない。