UENOUTAのお絵描きとかブログ

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1103

2024-06-06 07:02:31 | 日記
「う……うん?」
 
 頭を振ってネナンちゃんが苦しげに目を覚ます。実際どんな攻撃を食らったのか……それって私にもよくわかってない。きっと時空間的ななにか? だったんだと思うんだけど、ネナンちゃんの体にも精神にもその影響は見えない。ならば……エネルギーか? 魂と言ってもいいけどね。
 目を開けたネナンちゃんは混乱してる。まあそうだろうね。だって何故か外装である大型のポニ子が勝手に動いてるのだ。それは驚く。
 
「な、なんで?」
 
 そんな風に言って、キョロキョロとしてたネナンちゃん。すると何やらフムフムとしだして「よし!」といった。きっとポニ子と話してるんだろう。そして再び復活したネナンちゃんは勇者とアイに協力しようと動き出す。
 
「ごめんなさいジーゼ様! 私行きます!」
 
 そう言ってネナンちゃんは直ぐに動き出した。本当ならあんな小さな子が痛い思いをしたのだから、怖くなってもおかしくないとおもう。けどネナンちゃんにはそんな様子は見られない。いや、実際怖いとは思う。でも……ポニ子がいるから……なのかもしれない。
 ポニ子が全体で包んで守ってくれてるから、怖くないと思える。実際あの巨大なポニ子の皮を作ったのはネナンちゃん自身何だけどね。
 それにポニ子自身が溶けて、本当にネナンちゃんと一心同体みたいになってる。それがネナンちゃんの恐怖を抑えてるのかも。
 
 ネナンちゃんはポニ子を寸胴の体を折りたんだ。どういうことなのかというと、ポニ子の大きく寸胴なその腹から下のところがグググッ――とバネみたいに縮まったのだ。
 そしてそれを一気に開放して、「ぽーにーーーーーーーーーーーーーーーー!」――と飛んでいく。まっすぐに前に飛んでいくんじゃなく、巨大なポニ子は上の方に飛んでいった。
 あれからどうするのか? と思ってたら、数秒後ポニ子は頭上からなんの脈略もなく落ちてきた。そしてそれはメタリファーを押しつぶす。一気に砂に埋れたメタリファーに向かって、勇者とアイがチャンスに追い打ちをかけようとしてる。
 
 でもその時砂からいくつもの光が走る。不味そうな気配。でも今度は素早くネナンちゃんとポニ子が動く。ポニ子は一回メタリファーからどいた。けどその腕はメタリファーに巻き付いてて、そのまま勢いをつけてメタリファーを砂から引っ張り出して投げ飛ばした。こっちへ……
 
「え?」
「ポニ!」
 
 何その任せた! みたい力強い声。確かにその判断は間違ってない。寧ろ正しい。けど……ね。私が狙ってるのはネナンちゃんの覚醒だ。後ちょっとだと思うんだけど……

ある日、超能力が目覚めた件 464P

2024-06-06 01:49:12 | 日記
「何がどうなってるんだ?」
 
 映像が乱れて、駅のタイルと誰かの足元しか映らなくなった映像を見て、パソコンの前で映像を食い入るように見てたその男はモニターに顔を埋めそうな程に近づいてる。
 実際何かがおきたということはわかった。人が空中を飛んでたところまでは確かに映像としてちゃんと見えてた。でも……その後、いきなり映像は乱れた。そして聞こえるのは汚い鳴き声。それからはカメラは床だけを映してて、何が起こってるのか、映像を見てる視聴者たちは想像するしか無い。
 今もなんとか伝わってくるその音と声……それによってどうやら草陰草案だけは無事なようだと言うのはわかった。けどモヤモヤとする視聴者たち。思わず――
 
『何やってんだ!?』
『女の子だけにするなんて!』
『はやくどうにかしろよ!!』
『映像を映せー!!』
 
 ――とかの攻撃的な言葉がコメントには飛び交ってしまう。エンタメ感覚でこの配信を見てる人達はこの面白い状況が少しでも楽しめなくなったら、ゲームが取り上げられたかのような……そんな感覚に陥ってるのかもしれない。あくまでもエンタメ……だから自分たちを楽しませる義務が配信者にはある――とでも思ってるのかもしれない。
 
 それにきっとこんな無責任なコメントをしてるのは多分首都圏以外の人達なんだろう。遠くに居たら、それこそ関係なんてないと思えるだろう。けど彼は……タワマンに住んでる彼は沿線が同じだけにそんな風には思えない。どうやら電車に乗って元凶が来る……というのは無いみたいだが……
 
(人間が飛んでた……)
 
 そんな事を思う。最後に見えた映像で確かに彼は……いや彼だけじゃない。視聴者たちは見ただろう。飛んでたあの女性を。実際どれくらい飛べるのかとか……それはわかんない。
 人間一人のサイズはそれこそ鳥とかとは重さが違うだろう。飛び続けるために軽量化だってしてるわけじゃない。だからこそ、そんな遠くまで飛べないかもしれない。けど……飛んでたという事実は消えない。そもそもが人が飛ぶ……なんてのはこの世界の……この科学が蔓延してる世界ではありえないことだ。
 
「羽をつけたから飛べる? そんな馬鹿な……」
 
 ――である。そんなのは科学を否定してるだろう。でも実際彼女は飛んでた。つまりは電車なんてもう使う必要なんてない。どこにだって現れるかもしれない。
 
 カタカタカタカタ――
 
 そんな音を出すキーボードを彼は打つ。
 
『頑張れ……』
 
 そんなコメントを彼は打った。それを彼らが見るとはわからない。けど……きっと彼らが止めてくれないと、あの女性は解き放たれるだろう。警察? そんなのは宛になんてならないのは証明されてる。
 相手はもう常識では測れない『力』を示してる。なら……それに対抗できるのは同じような常識では測れない『力』を持つものだけ。配信を見てたらわかった。伝わっただろう。あの場の人達で不思議な力を使ってたのは『草陰草案』だけじゃなかった。あの元凶を特定してた人もそうだし、その道中おかしくなった人達を退けてた人もそうだ……草陰草案は同じような力を持つ『仲間』がいる……それは確定だ。
 だからこそ、彼らしか無いんだって彼は思ってそう書き込んだ。彼だけじゃない。状況をわかってる視聴者たちは責めたり攻撃的なコメントの中にポツポツと彼と同じような言葉を書き込んでいく。
 
『が、頑張って!』
『応援してるぞ!!』
『そうだ、諦めるな! いや、お願いします!』
 
 たとえそれが届いてないとしても……書き込まずには居られなかった。批判だけじゃないんだって、心配してる人達もいるんだって事を伝えるために。