UENOUTAのお絵描きとかブログ

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転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮へご招待 1

2024-06-12 23:46:01 | 日記
 私たちは今も尚、世界へとたどり着いてなかった。今まではすぐに次の世界へとたどり着いてただろう。だってそういうものだったからだ。実際本当は彼ら……彼女たちが楽園へとたどり着いたのか確認もしたかったけどね。でもきっと大丈夫だろう。
 なにせ最後のネナンちゃんは希望に満ちていた。だからきっと大丈夫……と思うしかない。それに……だ。それにこっちは今、それどころじゃないのだ。
 世界にたどり着いてない私たちは今、極彩色が永遠に続く場所にいる。どういったらいいのか? 平面ではなく、まるで光が流れていってるワープ空間? そこから出れなくなったというか? 実際光ではなく、この場所は沢山の色が混ざり合ってグルグルとしてる……そんな場所である。
 
「G-01の計算でもなんかバグってるんだよね」
 
 G-01的には本当ならとっくに次の世界へとついてるみたいな? それか近場の世界を探してくれてる。そして実際、見つけてくれてるのだ。でも……すぐにその時間が増えてる。多分だけど、私たちは実際世界に近づいてる。でもその世界へとの扉が開いてないのだ。
 まあそもそもがどうやって次の世界の扉を開いてたのか? とかまったくもって知らないんだけど。でも実際世界は結構開け放たれてるんじゃないだろうか? とかおもってる。だってそうじゃないと、勝手に押しかける……なんてできないじゃん。
 だから……ね。でもなぜか今はどこの世界にも鍵がかかってる……ような? そんな感じになってしまってるようだ。だからこそ私たちはずっとこの極彩色の空間を流れてる。きっとここは世界と世界の狭間みたいな……そんな場所なんだろうと思ってる。
 実際、G-01に表示される数字の意味も私には分かってない。なんか増えたり減ったりしてるから、世界との距離だとは思ってるが、その読み方はさっぱりだ。
 だって数字の多さがおかしいからね。普通こういうのはまあ六ケタ? とか
八桁とかじゃん? あったとしても……ね。G-01が表示させてる数字をなめてもらっちゃ困る。まず表示形態、十字上である。そしてそれが四つ組になってる。重なってる部分は十字の一組部分だけで、他は重ならないようになってるが、明らかに組み合わさってるよね? という感じで配置されてる。それにどれも数字が変わり続けてるのは変わらないからね。それに一つの十字の縦と横にはそれぞれ34桁ある。それが組み合わさった十字四つ分……どう読めと?
 
「これは他者の介入を疑います」
 
 G-01の肩に座ってるアイがそんなことをいう。確かにそれは思ってた。だってこんな事なかったし、私はちゃんとネナンちゃんからサンクチュアリを受け取ってる。条件は満たしてるはずだ。なのに……これってね。
 けどこんなことができる奴って……一人しか心当たり無い。そうそれって……そう思ってると、やっぱりな存在が、私たちの前に現れる。長い髪の毛に、光り輝く目と口をもって、腰までしかない存在……
 
「メタリファー……」
 
 それが姿を現した。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1107

2024-06-12 00:22:30 | 日記
 ネナンちゃんの手が扉に触れる。その瞬間、ネナンちゃんに変化が現れた。ネナンちゃんの背中から青く透明な羽がいくつも現れた。彼女の背中の近くには小さな羽が生えて、彼女から離れてる場所……外側に行くと大きな羽が出て来た。妖精の様な……透明毛細血管見たいなのが見えて、その中に流れてる血液? なのかなんなのかがキラキラとしてる。
 
 とても綺麗な感じになったネナンちゃん。それに……彼女のその服も同時になくなってしまってる。どういう趣味かと思うが、ネナンちゃんの幼い体はみえてない。まあそもそもがかなり高い高度にいるし、地上からならきっとあの羽くらいしかみえないだろうから全く持って問題はないとおもうけどね。
 なにせ羽がかなりデカい。ネナンちゃんの身長が一メートルくらいしかないのに対して、展開したあの羽は五メートルはある。それにネナンちゃんの体は光で守られてる。デリケートな部分だけを隠すエチケットな光じゃない。彼女の前進から発光するような光だ。
 
 皆さんが自然とあの羽を目にして祈りだした。きっと神聖な何か……に見えてるんだろう。そしてそれは間違ってないだろう。実際あれは自然に祈りたくなるような……そんな神聖な力を感じる。ネナンちゃんの中にあるサンクチュアリの力が解放されてるみたいだ。
 
 そして扉とネナンちゃん……さらに言えば空に展開してた太古のこの世界の街の位置を模倣してる魔方陣の光が強くなっていくにしたがって、この世界そのものは暗くなっていく。太陽が陰っていってるんだ。この世界は明と宵を明確に切り替えてた世界だ。
 流れによって変わっていくんじゃなく、スイッチを切ったり入れたりするように明と宵は分かれてた。なのに……今は明確に太陽が陰ってた。燦燦としてた太陽に影が重なって、欠けていき、そして日食のようになった。それによって世界は暗くなる。宵になって崩壊する……ということじゃなく、これは世界全体が陰った状態といっていいだろう。そしてそこで光るのは魔方陣と扉とそしてネナンちゃんだけ。
 拝みたくもなるだろう。
 
「あれは……鬼」
 
 なんと陰った空に鬼が見える。沢山の鬼……そんな鬼の一体が何かを落とす。
 それは扉に触れてるネナンちゃんの元へと向かっていく。どうやらあれは鍵のようだ。あの扉の鍵……ということだろうか? 一つはサンクチュアリを覚醒させたネナンちゃんであり、そしてもう一つはこの世界を幾度となく再構築してきた鬼が持ってた……ということか?
 つまりは今、その二つが合わさって、完璧な姿へと……
 
『ジーゼ様、勇者様、アイさん。それにポニちゃん」
 
 そういって振り返ったネナンちゃんはどこか大人びてて……というかその姿が成長してた。まだまだ子供だった筈の彼女は綺麗な大人の女性になってる。裸だけど光っててよかったね。
 そして髪の毛もとても長くなってる。宝石のようにきらめく瞳が私たちを優しく見てくる。いきなり成長したネナンちゃん。彼女は私たちにその気持ちを伝えてくれる。
 
『ありがとうございます。これできっと皆安心できます』
 
 ギギギギ――と音を立てて空の扉が開き始める。それと共に、この世界がその扉に吸い込まれていってる。この世界の人達だけを楽園に送るんじゃないんだ……と思った。
 この世界そのものを別の世界へ――という事らしい。最後に残るのはネナンちゃんだけ。
 真っ暗になった世界、真っ白に光る扉。その前にたたずむ彼女。この場所に残ったのは私達とネナンちゃんだけ。
 
『お礼です。これが欲しかったんですよね?』
 
 ネナンちゃんはその胸から綺麗な宝石みたいなのを取り出した。世界が授けたサンクチュアリの印……私はそれをG-01の手を伸ばして預かる。それと同時に、G-01の手にもっと重いものが現れた。
 
『彼女は貴方達と共に行くんですよね?』
 
 それはミレナパウスさんだ。確かにそんな約束もしてたね。私はとりあえず頷いておいた。するとネナンちゃんは満足したように笑ってくれる。
 
『それでは……またどこかでお会いしましょう。世界を渡っていたら、私たちの楽園に巡り合うかもしれません』
 
 私はG-01を頷かせる。そして勇者も「ああ、君たちも元気で」といってアイは「その確率は……いえ、またいつか」とかちょっとは感情って奴を理解したような判断をしてた。
 ポニ子は相変わらず「ポニポニ」といって、手を力いっぱい振ってる。ネナンちゃんはG-01がしゃべることもわかってるし、最後だしちゃんと私も別れをいおうと思ったから扉の向こうへと消えゆくネナンちゃんへとこういった。
 
『バイバイ、またね!』
 
 ってね。そしてこの世界は消えていった。そして私たちは新たなる世界へ……