UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 437P

2024-04-29 19:27:56 | 日記
「いい! 夕食まで部屋でしっかり勉強してるのよ。すぐに呼びに来るからね」
「……はい」
 
 強く言われて、結局野々野小頭は自身の部屋へと続く階段を上がる。この家には外に出る導線として、表の玄関とキッチン横の裏口がある。けどどっちも母親は気にしてるだろう。実際キッチンの近くの裏口はそもそもが使えない。なにせ母親がそこにいるんだからもしも外に出るとしたら普通なら玄関一択になる。
 けど母親はリビングとかの扉を開けて、しっかりと音とかを気にするようだ。階段から降りるとき、どんなに気を付けても「ギシ、ギシ」と鳴ってしまう。それに玄関の扉だってガチャ……という音がする。実際どっちにもそんなに大きくはない。テレビの音とかでかき消される程度だ。
 けど気にしてたらちゃんと聞こえるくらいの音量ではある。扉もあけられてたらよりちゃんと聞こえるだろう。野々野小頭は階段を上がりきってスマホを見た。それは知り合った大学生たち……大川左之助たちのチャンネルである。今やぐんぐんと視聴者が増えてるそのチャンネルは、どんなテレビよりもまともに映像を流し続けてくれてる。だからこそ、どんな状況なのか……それを知るためにも誰もが彼らのチャンネルへと押し寄せてる状況だ。
 なにせ彼等以外はもうほぼ映像がない状態になってる。きっと現場まで来てたんだろうけど、おかしくなってしまってどこもかしこも映像を伝えることが出来なくなってしまったんだろう。大手の地上波のテレビ局とかなら、何回も人を送れそうだけど……それをしてないところをみるに、誰もが現場に行くのを拒否してるのかもしれない。
 どうやらテレビのジャーナリズムというのは死んでるらしい。真実をなんとしても放送するんだ!! とかいう心意気……それはなくなってるという事だ。けどそんなのはこの国に住んでる人たちならみんなもうわかってる事だろう。
 
 ネットが普及してテレビから情報の取得手段が取って代わられたくらいから、テレビの不正が取り沙汰されることが多くなった。それで真実に目覚めた人たちがたくさんいた。昔はテレビは真実を伝えてると思ってた。けどそんな事はなく、真実を求めてネットに行く人達がいっぱいいる中でも、テレビはどうやら何も変わってない。
 まだ国民を馬鹿だと思ってるらしい。嘘、捏造……そんな事ばっかりやってたから、沢山いるテレビ局の中には「嘘でいい」という考えが広まって自身を危険にさらしてまで真実を放送しようって気概はどこのテレビ局にもなくなったらしい。むしろ動画サイトの方なら大川左之助たち以外にも今も生放送をしようとしてる人たちが増えてる。
 
 もちろんその人たちは面白がって……というのが大半だろう。けどそれでも危険を承知でやってるのである。よっぽどネットの方が真実があると皆思うだろう。
 
「うわ……」
 
 そんな声が野々野小頭はでた。なにせ……だ。なにせ今まさに動画の向こうではパトカーが爆発してた。どうしてそうなったのか……は流石に野々野小頭にはわかんない。けどそんな事になってるのは確かだ。そしてその音とかは動画の中だけではなく、リアルの方でも遠くの方からその音が聞こえてた。わずかに振動したような感じもした。
 どんどんとサイレンの音は増えていってる。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1076

2024-04-29 19:21:13 | 日記
『勿論、エネルギーさえあったら私でも世界を作れるかもね』
 
 私はそんな感じの返答をした。なにせ世界を解明したのである。まあこの世界が前提として完璧な世界じゃない。実際完璧な世界とはなんだ? って気もする。けどある意味で完成形に近づける事はできると思う。
 
 だって不完全だけど、そこを補完すれば完璧に近づくってことだからね。だからもしかしたら世界を私は創造できちゃうかもしれない。まあそんな事をする意味も無いんだけど。
 
『冗談はさておき、落とし所はあるのでしょうね』
『勿論。もうこの世界での物語はクライマックスだよ』
 
 私はアイにそう言ってあげる。最後まであくまでも私達はこの世界の人たちの手助けをするのみ。それに変わりはない。色々と途中主役に取って代わろうと勇者とかはしたかもしれない。
 
 けどやっぱり最後に選ぶのはこの世界の人たちでないといけない。この世界ととともに歩んでた滅びの道。私達が来たことでそれを回避できた? いや違う。確かに私達はこの世界に多大な影響を与えただろう。
 
 でも……だ。でもそれだけじゃない。結局、自分たちの道を選ぶのはこの世界に生きる人達。わたしたちはあくまで部外者って事を忘れてなんて無い。決断……選択……それにはしたがって来たつもりだ。
 
 もしもこの世界の人たちが、世界の命運というか……その先に絶望しか見てなかったのなら、私達はそもそもがこんなに彼らに肩入れなんて知なかっただろう。ネナンちゃんというサンクチュアリを見つけた時点でそれを強引に奪って世界を渡ることだってできた。
 
 けどそれをやらなかったのは、この世界の……普通の人達が絶望なんてしてなかったからだ。こんな世界でも……彼らは一生懸命に生きてた。こんな終りが見えてる世界でも、砂しかなくても……それでも懸命に生きて、わたしたちの様なよそ者にも優しかったからだ。
 
 それは別に皆意識してたわけじゃないのかもしれない。ただ心のままの行動。でもそれもまた、一つの選択。それによって私達の協力を得られた。
 
『今、私の中にはこの世界がよく見える』
 
 それはこの世界の結末……そしてそれ以降に示されてる道。どれを選べば何の道が開くのか……全部だ。いつの間にか、空の扉は全ての玉が白く輝いてる。砂獣とかが得てた筈の都市核は赤く表示されてたはずだろう。
 そしてそれらを取り返したわけじゃない。でも考えてみてほしい。私は沢山の鬼のエネルギーを取り込み、元々が圧倒的なエネルギー量に、さらにこの世界で私は成長した。
さらに言うと、G-01に搭載されてるユグドラシルシステムはエネルギーを完璧に変換できる。
 
 もっと言えば私の有り余るエネルギーとユグドラシルシステムを使えば、擬似的に都市核を再現するなんて事……造作もないということである。なにせ全てのデータは得た。全ての都市核の街の識別番号……そのパスワード、全てを私は分かってるのだ。