UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 419P

2024-04-03 23:57:35 | 日記
(信じる心……か)
 
 どうやら桶狭間忠国は心の底から野々野足軽の事を信じてるからこそ、悪魔の精神支配ともいえるその力に抵抗することができたみたいだ。でもその心を知ってしまったから、申し訳なく思ってしまう野々野足軽だ。だって桶狭間忠国はきっと悪魔に何かをされたと思ってて、そしてそれが自分に効かなかったのは野々野足軽に守られたから……と思ってるのだ。
 
(いや、まだ間に合う!)
 
 気づいてない……そして信じてるのなら、まだ間に合うと野々野足軽は思う。確かに一度は野々野足軽の力が悪魔に突破された。けどそれを桶狭間忠国は強靭な精神ではねのけた。それは野々野足軽にもだけど、悪魔にだって予想外……そしてそんな桶狭間忠国を見て、悪魔はきっとこう思ってる。
 
((まさか、この筋肉ダルマにも力が?))
 
 ――とね。桶狭間忠国の言葉的にはその裏に誰かがいる……ととらえるのが普通だけど、実際そんな存在なんて早々いないだろう。悪魔が悪魔的コミュニティを持ってる……とかなら桶狭間忠国の発言を深堀してその裏にいる人物を探ろうとしてるはず。でも悪魔はあくまで、目の前の桶狭間忠国を警戒してる。
 
 つまりは悪魔は、自身の力を防いだのがあくまで桶狭間忠国だと……そう思ってるということだ。きっとそんな存在がそうそういるはずないから、桶狭間忠国が自身の力を隠そうとしてる……とか思ってるんだろう。自己承認欲求とかが強い奴なら『力』を隠すようなことはしないだろうが、けど今の世界……そんな『力』はファンタジーの産物としか認識されてない。それってつまりは、もしも同じような力を持った奴らがいたとしても、大半はその力を隠してるからってことだ。
 
 それこそ野々野足軽のように。だからこそ、自身の力を隠そうとするとこに悪魔は違和感を持たないんだろう。
 
「厄介だけど、行幸よ。私はあんたをくらって、より力を高める。誰も上り詰めたことがない領域までいく」
 
 そういう悪魔はよりその力を高めてる。そして尻尾を自己修復した。そんな事できるのか……でもそれなら……
 
(悪魔があくまで桶狭間忠国に力があると思ってるのなら……)
 
 そう思って野々野足軽も桶狭間忠国にへと力を通す。それは桶狭間忠国を青い光で包んで、その傷を癒しだした。それに一番びっくりしたのは当の本人である桶狭間忠国だ。けど彼は何もいわない。ただそれを享受する。ただ心では「感謝します」とだけ呟いてた。
 
 傷を回復させたことで、桶狭間忠国は立ち上がる。そして一つ……彼は目の前の女へと質問をする。
 
「お前は人……ではないんだな?」
「私は覚醒したわ。もう私は人間なんて下等な存在じゃない。より上位の存在へと至ったの。下劣な質問はやめてくれる?」
「そうか……わかった……」
 
 そういった桶狭間忠国は静かに拳を上げて、そして半身を斜めにかむけて片足を後ろにずらし、腰をわずかに落とした。つまりは構えをとった。これまでどうにか暴力を振るわないようにしようとしてた桶狭間忠国が……だ。彼はどうやら、その圧倒的肉体を使う事を決めたらしい。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1057

2024-04-03 04:41:08 | 日記
 様々な方向へと走っていく黒い光線。とりあえず自分は上の方へと行くのは無視することにした。だって空の方へと向かうのなら、大地を穿つことは無い。それなら無視していい。
 それよりも大地を穿つ方……そしてこっちにむかってくる方が問題だ。とにかくまずは一閃!! 迫る黒い光線を渾身の力で切り裂いた。けど普通は切り裂いてもそれだけじゃ意味なんてない。けど……そこは信頼と信用の聖剣だ。なんか黒い光線は聖剣に斬られた瞬間に、光の粒子になっていく。そしてそれは自分が切った一本だけじゃない。
 周囲のかなりの数の黒い光線が同じ様に光となっていく。そのせいでこの場にはまるで光の粒が溢れてるかのようになってる。
 
(流石だ、これなら!!)
 
 そういう風に思った。一体何がおきたのか。確かに自分が切ったのはたった一本だったはずで、扉の化け物は一気にその黒い光線を放った。それは三桁には届かないが、近いくらいの数があったのはたしかだ。だからこそ、たった一本を斬る……なんてなんの意味もないことは分かってた。
 
 その中の何本かの光線は空のほうに行ってて無視できるとしても、それでも上に行ってるのは全体の二割くらいだ。一つでも世界を穿つほどの力が込められてるこの光線の他の八割が世界に影響をもたらしたら……この世界が耐えられる保証はない。
 だからこそ、たった一本なんて意味なんてない。自分は二本になってる聖剣を踊るように操って更にまた別の光線を何処かに着弾する前に切る。するとやっぱり同時に別の光線も光の粒となる。
 確かに勇者としての自分は一人だけ。けど、どうやらこの装備? といえるのか、聖剣が体にまで取り付いたこの効果だと自分は確信してる。二本の剣で流れるように体を動かし、そして切ると、その現象をどうやら別の場所で再現できる……そういう機能がある。
 だからこそ、同時にいくつもの光線が消えてるんだ。この装備があれば更に速く移動できるようになったりするのか? と最初はおもってた。実際、この聖剣が体にまで拡張されたことに驚いたんだ。なにせ聖剣は武器なんだ。防具じゃない。けど確かにすでに聖剣は色々と形を変えてた。なら……こんな風になるのは何らおかしくないのかもしれない。
 
 そしてこの力……どういう風に聖剣がそれをやってるのかはわからない。一回武器を振ると、同時に剣戟が飛ぶ……とかなら元の世界で見たことがあったりする。けど、そういうことじゃないらしい。
 どうやら必要なところに自分の剣閃を複製してるというのか、そんな感じろう。けどありがたい。なにせ自分がこの黒い光線を切れば、同時多発的に別のも切れる。
 
 踊るように切り結ぶ中、黒い光線はあっという間に少なくなった。それはきっと数秒のことだ。けど……この力がとんでもない事をやってることが分かってたのに、その力を行使してきた代償は突然来た。
 
「がはっ!?」
 
 口から飛び出る鮮血……そして異常に早くなってる鼓動が体を止めた。
 
『だからいったっすよ!!』
 
 そんなノアの声が中から聞こえた。