UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 421P

2024-04-07 19:14:52 | 日記
「まったく、こんな人間がいるとはな」
 
 そんなことを言った悪魔。するとその尻尾の先端……三角錐というかそんな感じの形になってた部分がぱかっと開いた。そして尻尾の根元、お尻の部分が一気に大きくなって、それが先端まで移動してくる。なかなかに硬そうな尻尾なんだけど……そんな尻尾がパンパンに膨らんでた。
 そしてそれが先端までくると、一気に先端からピンク色の煙が噴き出した。ここはビルの間の風通りも悪い場所だ。だからその煙は濃く立ち込める。あっという間に二人の姿が煙にかくされた。まあそれでも野々野足軽には見えてる。でも桶狭間忠国からは見えないだろう。
 悪魔の方からは見えてるのか……それはよくわからない。普通に考えたら悪魔の方も見えてないと思えるが……けど自分でも見えないようにするなんて間抜けにもほどがある。
 だからきっと悪魔には見えてるんだろう。野々野足軽は警戒してる。なにせこの何も見えない視界である。下手したら一撃で決まる。桶狭間忠国はかなり戦闘的な勘には優れてるけど、悪魔には人間にはない武器がある。そう尻尾である。人間とは戦いなれてても、桶狭間忠国はその尻尾に翻弄されてた。それに尻尾はイメージよりも全然太いといっても、体全体を動かすよりも、きっと周囲への影響を少なく動けるだろう。
 
 この煙の中、その影響を最小限にして動いて近づき、プスリ……とされる可能性がある。それが心臓なのか、はたまた頭なのかは悪魔の気分次第。実際それが出来るポテンシャルがあることが問題だ。否応なく、野々野足軽は警戒する。
 
「全く、これも効かないわけね。やめよやめ。あんたみたいなの、私の好みでもないし、あの人にだって男を献上なんてできないわ。けど一つ言っとくわ。今度私の前に現れたらその時は――」
 
 トン
 
 ――と気づいたときには桶狭間忠国の胸に一回悪魔はその尻尾の先端を軽く当てた。それにゾッとしたのは桶狭間忠国だけではなかった。野々野足軽だってそうだ。
 
(気づかなかった!?)
 
 驚愕だ。警戒はしてた。実際、防御も厚くしてたから、桶狭間忠国の体を貫かれる……ということはなかっただろう。悪魔にその気があったとしても……だ。でもそれでも……この警戒してる中、こうも簡単に心臓にたどり着かれた。それが野々野足軽に冷や汗をかかせてる。
 
「――容赦なく殺してあげる」
 
 そういって煙が薄くなるころには悪魔はどっかに消えていた。いや、野々野足軽はそのこそこそとして帰っていってる悪魔の姿もばっちりと見えてたわけだが……でも野々野足軽は自身を戒めてた。なにせ今回の戦いでは何回も危ない場面があった。
 下手したら桶狭間忠国は……そんな野々野足軽の気持ちは露知らず、桶狭間忠国は戦闘が終わったことに胸をなでおろしてた。けど安堵はしてない。なにせあんな危険な奴がいるとわかったんだ。
 
 だからこそ、もっとやる気をみなぎらせてた。その大きな拳を握りしめてた。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1060

2024-04-07 19:06:16 | 日記
「あの二人が……この世界に関係ない二人が頑張ってるんだ!! 自分たちの世界は自分たちで守る!! そう決めたんじゃないのか!?」
 
 そんな風に声を出してる人がいます。あの人はジャル爺さまです。別に全然おじいさんじゃないけど、皆はあの人の事をジャル爺と呼んでます。
 私はなんとか意識を保ってるけど……そろそろやばいかも……でも私が意識を失うわけにはいきません。だって勇者様もアイ様も私の渡してるエネルギーを存分に使ってくれてる。あの化け物に対抗するためにはきっとそうするしかないんだ。
 
「ごめんなさい……」
 
 そんな風につぶやく。だってお二人には私の力を直接扱う事はできないと言ってた。そのはずだけど……でも使ってる。多分無理してる。
 それでなんとか……って感じみたい。私の願いに世界が応えてくれたのかどうかはわかりません。けど世界は私が大切だ……と思う人達にエネルギーを供給してるみたい。
 その影響は戦ってるすべての人達へと及んでるみたいです。
 
「ネナン!」
「ネナン大丈夫?」
 
 王様たちが私の回りにきた。そしてプライムくんが私の手を取る。そして王妃様が私を抱きしめてくれた。
 
「一人で無茶をしないで。わたしたちには何もできないけど、せめて貴方の支えになりたいの」
 
 そんな温かい言葉。王様たちも手を繋いでる。きっと皆で私を支えてくれる気だ。私は気を強くもつ。大丈夫……私は一人なんかじゃない。
 
 だから……ね。
 
 私の視界にはお父さんとお母さんが見えた。もう居ないはずの人たち。二人が私を見て微笑んでる。きっと安心してるんだと思った。私が一人ぼっちじゃないから。
 
 そんな二人が背中を見せる。そして次の瞬間、再び世界が揺れました。何やら周囲がとても騒然としてる。何が起きたのか……砂堀の向こうに何かが見える。大きな存在……大きな人形の存在です。
 
「おとうさん……おかあさん……」
 
 私はそんな風につぶやいてた。するとその二体はドスンドスンと走り出す。そして大きくジャンプして空の化け物の方へと飛んでいく。そして両方からヤツをぶん殴った。
 
 それによってどうやらあの存在が敵じゃない……と皆さん思ってくれたみたいです。私にはなんとなく最初から分かってました。あれは……きっと……