UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 393P

2024-02-27 23:53:34 | 日記
「なんっ!?」
『そうでしたね。あれも私の一部です』
 
 穴の中からドラゴンのでっかい爪が出てきてた。それのせいで、穴はそのままだけど、その穴を中心に空にヒビが入ってた。せっかくいい雰囲気だったのに……と野々野足軽は思う。というか、既にもう解決した体だった。どこかに腑に落ちないって感じてたが、風の子と風の少女が抱き合ってるのを見てたら、これでよかったんだ――と野々野足軽は思ってめでたしめでたしって感じになってた。
 いや、というか風の少女がこっちに来たんだから、ドラゴンは消えたのかと勝手におもってたのもある。だってあのドラゴンは風の少女だったんだ。彼女が絶望して変質した姿。それがあのドラゴンだった。なら本体は風の少女だったはずだ。核といってもいい。でも実際、どうやらまだドラゴンは生きてる? と表現していいのかわかんないが、そこにいる。風の少女が野々野足軽の手を取って表れたから、野々野足軽はその時に穴から手を抜いてた。
 
 あの穴とこっちの世界は隔絶してる。いくら向こう側に力を残してたといっても手を抜いてしまったら、穴の向こうの状況は全くわからない。だから確かめるなんてことはできなかった。それにやりたくなかった……というのもある。だってなにせ一番危険なのが、手を突っ込む時なんだ。だからこそ、もう一度あれをやるのは怖い。
 それに実際、ドラゴンはいた。まだあの穴の向こうに。ある意味であのまま忘れられるのなら、それが一番良かったのに……との野々野足軽は思う。けど今、ドラゴンは外に出ようとしてる。今度こそ……絶対に……その気概というか、なんかめっちゃ執念? というのが漏れ出てるというか? そんな感じだ。なにせ爪が一回引っ込んで、今度は穴の上の部分に爪が出てきた。そしてバリバリバリとした斜め方向に切り裂く。けどそれでも出てこれないのか、今度は口の先が出てきた。そしてさらにはそこをぐりぐりして無理矢理引き裂いた空を広げようとしてる。
 まさに絶対に出る……と感じる行動だ。
 
「こいつ! させる――っ!?」
 
 力を使って吹き飛ばしてやる……と野々野足軽は力を集める。あの穴は力とかを全く通さなかったが、今やドラゴンはこっちの空間にその口をだしてる。なら、こっちの攻撃も通ると思ったんだ。けどそれはできなかった。なぜなら、ドラゴンが口の全体を出して、わずかにその深い怒りの目が光ったと思った瞬間、やつはブレスを吐き出したから――空に黒い炎が吹き荒れたんだ。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1032

2024-02-27 23:48:05 | 日記
「なんだこれ……」
 
 誰かがそんな事をいったらしい。眼の前の光景……それが信じられなかったんだろう。
 
「ははっ」
 
 誰かがそんな風に笑ったらしい。眼の前の光景をみて、思わずそんな笑いが出たらしい。そこにあったのは喜びとかでも、ましてや興奮でもなかった。ただの呆れ……そんな感情だった。でもそれもしかたない。今や、この戦場には虚しい風が吹くだけけだ。さっきまで地面は定期的に揺れて、皆の怒号が飛び交ってた。生きるために、生かすために、皆がその生命を燃やして戦ってて、そしてそれを容赦なく摘み取るような、絶対的な暴力という砂獣が進軍してたんだ。
 だからこそ、いろんな音がなってた。うるさいくらいの音。そしてそれはきっとアズバインバカラまで届いてた。けど今やどうだ? G-01が暴れてわずか三分。それで一時間近く戦ってた戦いはあっけなく終わってしまった。実際は砂獣の波の向こう側に教会の奴らがそれなりの数いる。きっと空中を飛んでた蝿を召喚してた教会の奴らだ。
 けどそいつらも蝿は打ち止めなのか、これ以上召喚はないらしい。いや待ってるだけなのかもしれない。なにせ……
 
ドドドドドドド――
 
 そんな振動が再び近づいてきてる。それは第二の波。いや、そもそも波事態は終わってない。だからこそ何度だって砂獣は補充される。あまりにも早く、そして一瞬でこの戦場に居たすべての砂獣をG-01が倒してしまったから、これが第二に思えるだけで、地味にけど、永遠に続くかのように砂獣はずっと補充されてた。そして少しずつ倒すペースよりも増えるペースが増えてしまって、どうすることもできなくなって、飲み込まれる。
 それこそ波の様に……それがこの『波』という現象だ。
 
『ふう……なるほどね』
 
 私はコクピット内でそんな風に呟いた。たった三分で既存の砂獣は倒したが、それで終わりなんてのは私もおもってなかった。波とはこういうものだとわかってたからね。でもだからってずっと波を続けさせる気も私はない。私はこの少しの間のラグ……それを意図的に作り出すのも目的だったんだ。
 だって、こんな風にしたら、きっと教会は慌てるだろう。なにせこんな状況は流石に想定してなかったはずだから。きっと自分たちの安全のために、すぐにでも砂獣を補給するように波をせっつくはずだ。そんな事ができるのか? って思うかもだけど、そもそもが『波』を教会は意図的に起こしてる。
 それは確定してるのだ。それはつまり、そのための手段が教会にあるということで、そして波へと干渉する手段を奴らはもってる。私はそれを観測したかった。術式なのか、それとも何かのアイテムなのか……まあ実際それはどうでもいい。問題はその瞬間。別にこの現場まで来てる奴らがそれをやらなくてもいい。なにせこっちは中央の奴らのところにもスパイはいる。それにこの世界を観測し続けてるんだ。
 だからこそ、そのコードを私は盗める。そしてその思惑は的中した。
 
『もらったよ』
 
 私はそういって世界に走らせる。そう、波の終焉……教会の指示に乗せて、こっちのコードを強制的に世界へと適応させるんだ。