UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 391P

2024-02-25 20:28:16 | 日記
(ここは……外? うわぁ……わあああああああああああああああああああああん!!)
 
 頭にたたきつけられる思念。それはまさに号泣だった。そしてそんな感じで風の少女が泣きわめいてるからだろうか? 一気にこの周辺の天気が悪くなってきた。風なのになぜに風の少女の感情に引っ張られるようにして強風が吹きだして、空も曇って、雨が斜めにたたきつけてくる。そんな状況になってた。風の少女も困惑して感情があふれてしまってるようだけど、野々野足軽だって実は結構混乱してた。
 
(なんで……どうしてここに?)
 
 だって野々野足軽的にはまずは向こう側……穴の向こうでドラゴンから風の少女を開放つもりだった。なのに……だ。なのになんかいきなり風の少女がここにいる。どういうことなのか、まったくもって野々野足軽だってわかってない。テレポートをした? いや、はっきり言ってもしもそんな事をしたら、きっとそれなりの力が減ってる事だろう。けど感覚的に、野々野足軽の想定以上には減ってない。なにせテレポートなんて憧れのような力を行使したとなったら、一気に力がガクッと減ると野々野足軽は思ってる。でもそんな様子はない。
 さっき力の巨人を作った分と、癒しの力をたくさん流し込んだ分……それだけが減ってる。まあけど……とりあえず……
 
「落ち着いて。もう大丈夫だから!」
 
 実際なんかどんどん天気がやばいことになってきてた。きっとこの事象はこれまでの気象情報の埒外だと思う。あんまり天気を観測してる人たちを混乱させるのも悪いだろうと野々野足軽はおもった。まあ本音はなんかトルネードが出来つつあるからこのままだと地上にまで被害が及びそうだったからだ。
 強風と雨くらいなら別にいいけど、竜巻となると大変なことになる。だから落ち着いてほしい。
 
「ありがとう! ありがとう!!」
 
 なんということだろう。さらにゴウ! ――と風が強くなって、きっと日本では観測史上最大規模の竜巻が出来上がった。野々野足軽達は中心にいるからなんともないが、もう周囲全部竜巻のせいで何も見えない。感謝されてるから強く言えない感じの野々野足軽。すると――
 
『こらあああああああ!!』
 
 ――そんな声が響いて、ポカっと風の子が風の少女へと手を挙げた。するとその衝撃のせいか、一気に竜巻が霧散して、晴れ間が雲の隙間から差し込んでくる。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1030

2024-02-25 20:21:17 | 日記
 私が出るのは簡単だ。それによってこの戦いに勝つこと事態はできる。けど本当にそれでいいのか? ってこと。それを私達はずっと懸念してる。誰かに……私達のような他人に頼って救われた世界は、また危機が訪れたとき、この世界の人たちは再び『誰か』に頼るのではないだろうか? 
 ただ祈るだけで、自分たちで抗おう……としなくなるかもしれない。そうなったら……それは私達の罪だ。はっきりいってそんなのを背負う気はまったくない。だからこそ皆に最後まで頑張ってほしい。最後の最後まで……その瞬間まで……その時になら、すべてをひっくり返すのもいいと思える。
 でもその瞬間までは……
 
「逃げるな! 立ち向かえ!!」
「ここで背を向けたら家族が!」
「俺にはこの後に結婚するんだ!!」
「来やがれ虫野郎ども!! 絶対に街には行かせねえ!!」
 
 ドローンが届けてくる光景。そこには逃げる人たちは居なかった。さっきの光線。あれによって溶けた人もきっとそれなりの数いる。流石に一瞬で溶けてしまったらミレナパウスさんの回復も効くことはないだろう。そんな光景を見てたら、次は自分だと思って、体が恐怖に支配されてもおかしくない。
 だってそれが人間だ。自分が大切な筈だ。けど……戦場に出てる人たちはもう自分じゃないのだ。皆のために、そしてその先に幸福があると信じて戦ってる。逃げないで……そしてそこには確かに最後まで……その瞬間まで立ち向かう覚悟が既にある。
 
『そっか、私はいつの間にか傲慢になってたのかもね』
 
 私はそんな事をポツリと呟く。G-01という圧倒的な力。私はそれを手にしてる。神になった気になってたのは私だったのかもしれない。なにせこの世界の敵なんて今や敵じゃない。私がいけば全てが解決する。その全能感。私は彼らを救える立場だと……そう思ってきっと救世主気取りだったんだろう。
 
『これが命の輝きか』
 
 私には小さな光が輝いてる様に見えるよ。彼らはもう私に頼ろうなんて思ってない。傲慢な私なんかに頼らずに、自分たちの幸せを自分たちので手繰り寄せようと必死だ。その輝きは絶対に嘘や偽りじゃない。
 
『楽をしようとするのはもう十分か』
 
 情報は既にある。解析は……戦闘をしてても進めることができる。なにせ私の脳は拡張されてるし、ここでの戦闘……それは私ならそれこそ片手間だ。
 
「皆さんがんばってください……」
「これは……」
 
 後方のネナンちゃんもなんとか支援をしてるけど、それでもこの距離からでは二度も強化された砂獣には通らなくなってる。そして既に攻撃の手を止めてるアイ。おい……である。まあこれまで私以上に頑張ってたし怒るのはやめてあげよう。これからは……
 
『私が出る』
 
 私は立ち上がった。今度こそ、明確に戦うためにだ。その異常を感じ取ったのか、皆が見る。でも私は喋らない、そんな設定だからね。ただ、G-01の両目が意思を乗せて光った。