UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力が目覚めた件 390P

2024-02-24 19:51:55 | 日記
(誰か……助け……なに、これ? あったかい……誰か……いるの?)
 
 ドラゴンの動きがおかしい。実際癒やしの力は届いたのか……なんとかほんのちょっとだけ、ほんのちょっとだけは届けられたと思う野々野足軽。それの影響か? ドラゴンがなんだか苦しそうにぐるぐるとその場で回ってる。でもこれは……チャンスだ! 野々野足軽はそう思った。
 
「行くぞ!」
 
 もう一度野々野足軽は力の巨人を完全権限させる。ここで決める気だろう。苦しんでるドラゴンをその大きな両手でガッチリと抑え込んだ。そして目……のような部分がカッと光り、顎が外れたように口を開く。そしてそのままドラゴンの長い首にかぶりついた。これで癒やしの力を流し込むつもりだ。
 
「いけ! いけ! 助けに来たって伝えるんだ!!」
 
 ここが勝負どころだと野々野足軽はありったけの力を流し込むことに決めた。一気に大量の力がドラゴンの内部へと侵入する。
 
「道はもうわかってる」
 
 一度たどり着いたから、最短でいける。もう迷うことはない。確実に届くとわかってる。ドラゴンが激しく抵抗するが、それでも力の巨人を意地で維持する野々野足軽。大量の力を使ってるからか、タラっと野々野足軽の鼻から血が流れ出す。けど、そんなことには野々野足軽自身は気づいてない。
 
(気の所為? 誰か……誰かいるの? 応えて!)
 
 …………
 
(やっぱり誰も……いないよね。こんな場所に、誰かいるなんて……そんなこと……そんなことなんてあるわけ)
 
 ……そんなふうに風の少女は上げた顔を再び膝小僧に埋めようとしてた。けど、そのとき、ほんの小さな光が彼女の側に来た。小さな小さな風で簡単に飛びそうな光……けど、それが彼女の手に触れると、聞こえてきた。
 
『助けに来た!』
 
 そんな声。それは気の所為なんかじゃない。思わず彼女は顔をあげる。そして気づいた。周囲にはさっきの光がいっぱいあった。さっきまで真っ暗だった……何もなかった。けど……今は確かにある。そしてその光が言ってる。
 
『助けに来たよ。さあ、行こう』
 
 ――と。風の少女は立ち上がった。そして、光の中へと飛び出す。
 
(うん!!)
 
 そんなふうに言って手をのばす風の少女。その手に光が一気に集まっていく。そして……次の瞬間、風の少女は懐かしい風を感じてた。
 
(ここは……)
「うお!? びっくりした……」
 
 なんと風の少女は野々野足軽の手を掴んで元の空間……つまりは通常の地球へと戻ってきてた。これには野々野足軽もびっくりだった。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1029

2024-02-24 19:46:36 | 日記
 闇と光が混ざったような砂獣達。内部からパリパリと新たなその姿を表してくる。まさにその姿は脱皮のよう。そうして出てきたのは今度は真っ白な砂獣だ。蟻は蟻の砂獣のままだけど、その大きさはさらに大きくなってる。
 
「つっ、まだ今なら!」
 
 そう言って勇者が大きなミミズの砂獣を切りつけた。そいつは全長数十メートルとかなってる超巨大な砂獣だ。そいつも白くなってた。けど、勇者の一撃には流石にたえきれなかったみたいだ。いや……
 
「今なら行ける。皆、こいつらは脱皮直後で柔らかい! 攻撃をするんだ!!」
 
 そんな事を勇者が叫んだ。なるほど。確かに脱皮をした直後ってまだ固くなる前だもんね。これなら今の装備でも一気に砂獣共を切って切って切りまくるってことができるかも。勇者の言葉で皆が再び動き出した。手近な砂獣へと攻撃を叩き込んで行こうとする。けど……
 
「速い!?」
 
 どうやら確かに砂獣は今、柔らかくなってるみたいだが、聖騎士の力までも取り込んで更に砂獣は強化されたみたいだ。それに……なんか蟻の砂獣が口を開いてそこに光が収束してる。そしてそれを一斉に放った。
 
『まずっ!?』
 
 私は一回動いて再び膝を抱えて座ってたけど、これはまずいと思った。魔法を発動させて後方部隊の前に魔法障壁を展開させた。それによって後方部隊……つまりはネナンちゃんとか王様達は守れた。てかあのままだったら更に後ろのアズバインバカラまで届いてたかも。いや、間違いなく届いてた。あれは人を吹き飛ばした程度で止まるようなエネルギーではなかった。
 砂獣がどいつもこいつもあんなのを放てるようになった? そうなるとなかなかに厄介だよ。
 
「くっ、コイツ等!!」
「当たらない。速すぎる!」
 
 砂獣が再び勢いを増してる。それにきっとこれまでの事例からするに、これから波によって現れる砂獣はこの白い砂獣になるだろう。そうなると……まずいな。流石にこれ以上のパワーアップはそう簡単にさずけるなんて出来ないぞ。いくらミレナパウスさんが超回復をしまくってるといっても、それもあのアクセがある限りである。
 これだけ砂獣が強化されて致命傷を受ける人達が増えると、枯渇だって見えてくる。まったくどんだけ強化されるんだよって文句を言いたくなるね。それでも私にとっては雑魚だけど……一回部隊を下げて、私が一掃するか? それが一番確実だ。でもそこまでやるのは……ね。そんな事をするのなら、もう最初から私がG-01で前線に出てたら……ってなってくる。それに……
 
『まだ皆諦めてないか……』
 
 そう、この世界の人たちはまだ自分たちで自分たちの居場所を守ろうとしてる。だから私が先に見限る事はできなくない?