批評家サイードが自分自身の半生を綴ったもの。パレスチナでの幼年時代、著者は英パブリック・スクールのような厳しい学校に育ったらしく、そのことを苦々しく述懐している。その中でキプリングやコンラッドと出会い、ヨーロッパ文学への興味を覚えたという。『オリエンタリズム』の中で彼はキプリングやコンラッドを批判的に読解することとなるのだが、「オリエンタリズムに囚われているということがその作家の価値を損ねない」ということを強調している。
プリンストンやハーバードでの大学生時代のことも触れられている。著者が大学時代にもっとも読み返したのがドストエフスキーとのこと。これは少し意外だった。
『オリエンタリズム』や『文化と帝国主義』の中では客観的記述に徹していた文学研究者の、人間らしい面が見えて面白かった。
プリンストンやハーバードでの大学生時代のことも触れられている。著者が大学時代にもっとも読み返したのがドストエフスキーとのこと。これは少し意外だった。
『オリエンタリズム』や『文化と帝国主義』の中では客観的記述に徹していた文学研究者の、人間らしい面が見えて面白かった。