origenesの日記

読書感想文を淡々と書いていきます。

渋谷陽一『ロックは語れない』(新潮文庫)

2008-09-23 15:13:17 | Weblog
ロックは語れない、と言いつつロックを語っている対談集。浜田省吾、山下達郎(意外と毒舌!)、忌野清志郎、大貫妙子、遠藤ミチロウなどの一線のアーティストが渋爺の対談の相手だ。
著者はローリングストーンズの特徴を疲労感だとしている。そしてカントリー・バラードの"Wild Horses"(http://jp.youtube.com/watch?v=RYTPZks1kR8)をストーンズの最高傑作に挙げている。確かにこの曲ほどストーンズの持つ疲労感を上手く表現し得た曲はないかもしれない。渋谷のストーンズ観は極主観的なものであり、反論の余地はだいぶあるものの、なかなか鋭い。そういえば彼は"Angie"を嫌っていたっけ。
対談集の中で、渋谷はジョニ・ミッチェルの"Song for Sharon"(http://jp.youtube.com/watch?v=hIE-7ROd-Pw)という曲を紹介している。自殺した女性にシンパシーを抱いてしまうような危うい状態にいながらも、愚直に恋愛を求める女性の気持ちを歌った曲だという。政治にも抒情にも絡み取られない日常を唄った歌として、ジョニの詩の魅力が前面に押し出された名曲なのかもしれない。

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