オペラ座の怪人な日々

オペラ座の怪人とドールハウス作りにはまっているミミルのページです。

ケン・ヒル版「オペラ座の怪人」とは・・・

2018-09-19 17:00:00 | オペラ座の怪人
※ ケンヒル版「オペラ座の怪人」及びALW版等に関するネタバレを含みますので、
ご注意ください。

(この記事、もっと早く書こうと思っていたんですが、すっかり遅くなってしまいました(^_^;))

昨年、劇団四季の「オペラ座の怪人」(ALW版)にはまってから、
一度は見てみたいと思っていたケン・ヒル版、思ったより早く生で見るチャンスがやってきたのです。
しかも、ファントムはなんとジョン・オーウェン=ジョーンズ(JOJ)という!!

さて、いろいろと噂を聞いていたケンヒル版ですが、いざ見てみると、
楽しかったです(^^♪





まず、のっけから、クスクスしてしまうようなお芝居の内容にALW版にはない、アットホームさ(?)のようなものを感じました。
字幕を見ないとクスっとくるのが分からないシーンもありますが(こんなとき、もっと英語ができれば!!)、
動作や衣装などだけでも笑えるシーンも多く、こういう笑いって国境や文化を超えるんだな、と思ったりもしました。
客席の雰囲気も緊張して見ているのではなく、みなさんわりとリラックスされていて、くすくす、とか、あはは、とか、ちょっとくだけた雰囲気でしたね。
キャストさんたちが客席を通って出入りしたり、客席に降りてきてクリスを探したりするシーンは、やはり距離感が近くて、
これはALW版にはまったくない要素だな、と思いました。

個人的には、メフィストフェレス兼ペルシャ人の役の方が演技がとても面白かったし、
歌もお上手で気に入ってしまいました。
特に、終盤でのペルシャ人のナンバーはとても素敵な声で、素晴らしかったです。

ストーリーとしては、原作ともだいぶ違っているように思います。
まず人物の設定として、ラウルは子爵ではなく、支配人リシャールの息子です。
そして、メグは出てこなくて、代わりにちょっととぼけたバレリーナのジェムという娘が出てきます。
マダムジリーが役柄としては、一番原作の設定に近く、5番ボックス担当の客席係です。
ペルシャ人はペルシャ人なんでしょうけど、ダロガ(警察長官)ではなく、なんとファントムの弟という設定。(この設定が明かされるのは終盤ですが。)
クリスティーヌはまあ、クリスティーヌですね。
でも、お父さんは、バイオリン奏者ではなく、なぜかハープ奏者だとか。なぜ??

ストーリーについては、ピーター・ストレイカーがファントム役をやったときのCDにわりと詳細なあらすじがついているので、
そちらも予習していきました。

とにかく、ファントムとクリスティーヌ以外の人たちが主役、のようなお話です。
ALW版以上に、ファントムに関する描写は少なくて、ファントムには感情移入がしにくい作りとなっています。
このへんは、ファントムが大好きでたまらない私のような人間からすると、ちょっと物足りなさを感じてしまう所以かもしれません。
ファントムの出番も極めて少ないのですよね。
ケンヒル版では、わりと序盤にクリスティーヌが父の墓に行くシーンがあります。
そこで歌われる「While Floating High Above」は本作の代表曲ですが、
なんと、それを歌うファントム様のお姿は舞台上には見当たりません。
声しか聴こえないの。あれって、裏のほうで生で歌ってるんだよね??
2回とも、もしかしたらどこかにいるのではないかと思って、めっちゃキョロキョロ探してしまいました。
お声は聴くことができるのだけど、やはり歌っている姿も見たいというのが人情。
ここはつらかったです。
(ここは、後日、ご本人がコンサートのときにおっしゃっていたのですが、
墓石の影でずっと身を縮めて不自然な姿勢で指揮者の映像を見ながら歌っていて、
それがつらかったそうです。)

でも、そうやって、観る者をじらす、というか、クリスティーヌ同様に声の主への興味をかきたてられる、
早くお姿を見せて!というか、そういう感じでしょうか。
ちなみに、歌い終わると、ちょっと姿を現すのですが、
客席方向に逃げていくJOJファントムは、だいぶドスドスと走っておられました(笑)
かわいらしいなぁ。

全編が既存のオペラ曲を使用しているものなので、
楽曲に関しては非常に重厚感があり、ファウストの場面で本当にファウストの曲が歌われるというのも、いいですし、
それ以外にほ、ラストのモーツァルトの曲とかも、いい雰囲気だと思います。
その雰囲気に反して(?)、セリフのお芝居の部分はほんとに軽妙なノリで(ときとしてばかばかしい)、
音楽の重厚感とお芝居のそのノリとのギャップも面白い点です。
最大のギャップといえば、ラストでファントム&クリスティーヌと支配人たち6人組+司祭&酔っ払い女が一同に会している場面で、
まわりがドタバタしてるところで一人大真面目なファントムが「サイレンス!」と2、3回叫ぶのがたまりませんでした。
あー、これじゃ、泣けないわってなる。
ファントムの死に方自体はけっこうかわいそうなのに、まわりがドタバタしてるからつい笑っちゃって、
こんなに涙もろい私でもぜんぜん泣けないの。
原作でも涙を誘われた私ですが、この原作からよくこのミュージカル作ったなあ、と思ったりします。

ラストはファントムの自殺(自己犠牲)によって幕を閉じますが、
みんなすぐに歌いだして、何事もなかったかのように終わります。
ラスト、まったくもってあっけないです(^_^;)
ファントムもすぐに復活してきて、カテコではみんなと一緒に歌います。
このとき、びっくりしたのは、ファントムの特殊メイクはぺりっと剥がせるようになっているみたいで、
(昔の天地茂演じる明智小五郎の変装みたいなやつね)
カテコではファントムが後ろを向いて仮面をはずした顔を他の出演者に見せて「ひゃー」って驚かせますが、
くるっと客席側に振りかえると、特殊メイクはとれていて、普通のJOJのお顔なんです。
こういう演出は、素直に面白いな、と思いました。

あと、個人的に面白かったシーンは、カルロッタが声が出なくなってしまったので、
代わりにクリスティーヌがピットで歌い、マルガレーテを演じるカルロッタが舞台上で口パクするというもの。
口パクするカルロッタの動作とかたたずまいが面白いし、
本当にピットで歌うクリスティーヌがすごく近くにいるので大興奮。
クリスティーヌはわりと難しそうな曲が多かったですが、ヘレン・パワーズさんは、とてもきれいな声で、とてもお上手でした。

そのほか、若返ったファウストの衣装がもう出オチ感満載で笑えました。
あ、あとね、あそこも好き。
地下を探索しているうちに、なぜだかマダムジリーとリシャール支配人がいい仲になってるの。
キスしようとして、ラウルに「続きは後にしてくれ」みたいに突っ込まれるところ。
この展開はまったく予想してなかった(笑)

とにかく、クスクス、にやにやして見られるミュージカルというのは貴重な存在かもしれませんね。
そして、言うまでもないことですが、JOJの歌声も素晴らしかったですよ。
それに、ファントムの出番は少ないですが、終盤ようやく出てきてからのJOJの存在感はやはりさすがだなと感じました。
あんなドタバタ喜劇の中でシリアスな演技を通すのもすごい!

でもねー、でもね、もっともっとファントム様の歌声を聞きたいのです、私は。
2,3曲じゃちょっと物足りないです。
この点は、JOJ自身も後日のコンサートのリハーサル見学会のときにも言ってましたね。
「最初にケンヒル版の話が来た時に、日本でやるっていうから、台本も見ずに即決しちゃったんだけど・・・、
いざ台本見たら、自分の出番が少なくて驚いたよ!」みたいなことを。

そして、やっぱりALW版が好きなんです。
いくつかのバージョンの「オペラ座の怪人」を観たり、読んだりして、よくわかりました。
私がいちばん好きなのは、ALW版なんだってことが。
いつの日か、JOJにはALW版で来日してほしいものです。

とはいえ、ケン・ヒル版、とても楽しめました。
今回は2回見て、わりと満足しましたが、数年後に再来日したら、また見に行きたいと思います。
SDでも、みなさんとってもフレンドリーでした。
ありがとうございました。





それにしても、今回思ったのは、私的に、JOJさんってほんとにギャップ萌えの人だなあ、ということ。
見た目普通の外国のオッサン(失礼!)じゃないですか。
っていうか、今回、SDで私服姿を拝見したとき、
X-MENのTシャツに短パン、白いアディダスの帽子かぶって、リュックしょって、ヘッドホン首にかけてたんですけど、
私はこの人を家電量販店のゲーム売り場とかで見かけても、ただの観光客の外国人のオッサンとしか認識できない自信があります。
世界的ミュージカルスターだとはとても認識できないと思うのです。
(それを思うと、ミート&グリートのときは、少しキレイめの服装をしてくださっていたのかな、とか勝手に思ったりします。)
でも、ひとたびステージに立って歌い始めると、あんな、あんな、とんでもなく素晴らしいお声だなんて、
もう、反則でしょーーー。
このギャップがたまらんのですよ、マジで。
(この点、ラミンはそのへん歩いててもテレビで見た雰囲気そのままだったなあ・・・。)

さて、そんな魔力の持ち主、JOJのソロコンサートはいよいよ今週末です。
JOJが夢に出てくるほど楽しみにしている私がいます。

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2 コメント

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Unknown (ミドリ)
2018-09-26 16:14:30
いつもブログを拝見させていただいています。
ケン・ヒル版のオペラ座の怪人、見たんですね。来日していることや、あらすじ等は知っていましたが、実際に見たことはないので、このように知れて良かったです。これからもブログを頑張ってくださいね‼
また、楽しみにしてます。
返信する
ありがとうございます。 (ミミル)
2018-09-27 17:29:39
ミドリさん、はじめまして!
励ましのお言葉ありがとうございます。
ケンヒル版、一見の価値ありですよ。
ぜひ次回の来日の際にはご覧になってみてください。
気が向いたときにしょーもないことばかり綴っておりますが、これからもときどき覗いていただけると嬉しいです(^O^)
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