オペラ座の怪人な日々

オペラ座の怪人とドールハウス作りにはまっているミミルのページです。

鐘!鐘!鐘!~ノートルダムの鐘の感想2~

2018-04-25 10:00:00 | ほかのミュージカル
※ ノートルダムの鐘に関する大いなるネタバレを含みますので、ご注意ください。

ノートルダムの鐘って、観た後、本当にそのことしか考えられなくなりますね。
私は4日たってもまだあの世界から抜け出せていません・・・。
なので、私としてはこれを1日に2回とか見るのは厳しいかな(^_^;)
少なくとも2週間は間を開けたいと思います。
今回の横浜では月1ペースなので、大丈夫そうです。
重めの演目は用法容量を守って楽しみたいです!

――以下あくまで私個人の感想です。
人それぞれいろいろな解釈、感じ方が生まれるのがこの作品の魅力の一つだと思います。――

いま、「重め」と書きましたが、このノートルダムの鐘は、
見終わったあと、それは、ずしっとは来るんですけど、
決して、どよーん、とか、ぐはー、とか後味悪いとかではありませんでした。
少なくとも私は。
実は、見る前までは、きっと見終わった後、気分がふさぎ込んじゃうのかな、
みなさんの感想観ると、重い、重いってなってるし。
直後に中華街の萬珍楼の予約入れちゃったけど、ごはんなんて食べる気力もわかないかな?とか
心配しておりました。
でも、実際には、ちょっと清々しくもあるというか。
それがあの舞台の構成のすばらしさなのかもしれません。
冒頭から、普通の状態の青年が現れて、その場で顔に墨のようなものを塗り、
背中を丸め、髪をぼさぼさにして、「カジモド」に扮装します。
そして、はるか昔の「物語」が演じられるのです。
それに対応して、ラストでは、「カジモド」が顔の墨を落とし、普通の青年に戻ります。
このときに、この青年が、背中のこぶをはずして、深々とお辞儀しながらそれをクロパンに渡すんですけど、
そのときの表情の晴れやかさが忘れられません。
飯田達郎さんは、こういう表情の演技、本当にすばらしかったです。
ここで劇中劇のような形をとっていたカジモドの物語が終わるんですよね。
そして、その青年によって、最後の結末が他人事のように語られるんです。
だから、観客も、それまで没入していた「物語」からふっと解放されて、
「ああ、これはお芝居だったんだ」とちょっとホッとするというか。
もともとミュージカルの舞台を見ているんだから、それも変な話なんですけど、
この劇中劇という形に私は感心させられました。
そこで区切りが付けられて、達郎青年の晴れ晴れとした「やりきった」という表情になんだか救われるんです。
少なくとも私にはそのように感じられました。
(飯田達郎さん、ほんとうにチャーミングな笑顔でした!)
みんなが幸せになれず(フィーバスのその後は分かりませんが)哀しい結末なんですけど、そのまま終わるのではなく、
救いがある終わり方なんじゃないかと。
あと、前回も書きましたが、カジモドの最期自体も、哀しくも美しいイメージなので。
骨が砕け散ったというのは、達郎青年による語りだけで、舞台上でビジュアル的に表現されないため、
観る者に自由に想像させてくれるんですよね。

なので、たしかに心には響いたんですけど、それにもちろん号泣もしたんですけど、
思った以上に清々しい気持ちで中華街に向かい、涙と汗のせいでカラっからになっていた喉をチンタオビールで潤したのでした。

そうそう、劇場がね、最初は肌寒かったんですけど、
途中からそうでもなくなって、それに、1幕のラスト(エスメラルダのナンバーのとこ)とか、
2幕のフィナーレとかのときに、あまりに緊張して観ていたので、
手に汗握る、ならぬ、脇に汗握る状態になってしまって、やたら脇汗をかいてしましました(^_^;)
舞台のあまりの緊迫感と迫力に、脇を締めて、身を固くして観てたんですよね。
こんな経験は初めてです。これも初見の醍醐味でしょうか。

本当に素晴らしい作品ですね、ノートルダムの鐘!


で、私の個人的な後日談なんですけど、
劇場に置いてあったフリーペーパーの冊子、
表紙に芝清道さんがいらしたので、もらってきました。

2日ぐらい読んでいなくて、月曜日の朝ちょっと時間があったので、出勤前に軽い気持ちで、
芝さんのインタビュー記事を読み始めたんです。
そしたらもう、こんなの涙なくしては読めないじゃん!!
朝の出勤前に軽い気持ちで読むもんじゃないよ!と自分の迂闊さを呪いました。
ミュージカル界のリアル「タッチ」じゃないですか(双子じゃないし兄弟が逆だけど)。
しかも、ご命日がトプシータービーの日だなんて、本当に「宿命」ですね。
亡くなったお兄様の遺志をついで、ミュージカル俳優としてトップスターになっていらっしゃるんだから、
本当にすごいことなんだと思います。
CDでもいつもお聞きしていましたし、ぜひとも次回は芝フロローを拝見したいと強く思いました。

そういえば、「宿命」で思い出しましたが、原作によると(もちろん私は「100分de名著」でかじっただけです!)、
「宿命(アナンケ)」という壁に刻まれた言葉がキーワードのようになっているそうです。
これは、フロローが刻み付けた文字なんですけどね。ギリシャ語なんだっけ?
劇団四季のフライヤーでも、この「宿命」って言葉をキャッチコピーとして使っていた気がするんですけど、
本編には「宿命」という文字が壁に彫られていたというくだりは登場しないですよね?
家を漁って出てきました!これこれ。
ー愛は「宿命」を変えられるかー


セリフとしては「宿命だ」みたいなのがあったっけ?まだまだCDで聴いている歌以外のセリフ部分は、
初めてで、聞き逃してしまったり、記憶から抜け落ちてしまったりしていると思うので、
次回以降、「宿命」にも着目してみてみたいと思います!
やべ!そういや、ステージに貼ってあるっていう、アナンケの文字、見忘れた!開演前にテンパりすぎてた(^_^;)
次回は確認してくるぞ!!

やはり、1回で済まないのがノートルダムの魅力(-_-;)
それと、言うまでもないことですが、なんといっても楽曲がすばらしい。
全部の曲が好きだし、家ではついつい全曲口ずさんでしまいます。(ラテン語のところはあんまり歌えないけど)
これまで、ディズニーものって、お子様向けって感じでまったく食指が動かなかったんですが、
このノートルダムの鐘は大人向けの異色作ってことで観ようという気持ちになったものです。
そのおかげで、アラン・メンケンの素晴らしさに少しですが触れることができたのはよい経験だったと思うのです。
見る前から5回分のチケット買っておいて正解だったと確信しています!