作家陳舜臣さんが亡くなられました。本当に残念です。心よりお悔やみ申し上げます。
ちょうど『美味方丈記』(下:陳舜臣・錦墩著 中公文庫 1995年6版 発行 表紙より)を読んでいたところでした。
落花生と言えば長寿豆。大牟田にも産地あったとは~~と思いながらです。
やはり、ありました。P18に落花生について書かれています。「――落花生。一名を長生果という。『福生県志』によれば、外国から出たもので、昔はこれはなかった。康熙(1662~1722)の初年に、僧応元が扶桑へ往き、種を求めて寄せ回(かえ)ったという。~~扶桑(ふそう)というのはほかならぬ『日本』のことなんです。それなのに、日本人は落花生のことを『南京豆』と言って、さも中国から渡来してきたように言います。中国人に言わせると、これぞ『日本豆』です。いったい、どうなっているのでしょう。落花生の原産は南アメリカだそうですから、日中両国とも、これは外国から伝わったものに違いありません。やはり縁起を担ぐのでしょうか、「落」の字を落として「花生」というのが、中国では一般的な呼び方です。誰だって落第なんかしたくありませんものね。」とあります。
ところが、『中国伝来物語』(寺尾善雄著 河出書房新社 S57年発行)P42によれば「中国から来た。~~「ナンキン豆』というのも中国から来たという証拠である。~ナンキンという言葉をつけた物はすべて中国伝来といってよい。」と、あります。一般的に「伝来」と言われるものにもきちんと調べないと誤解があるようです。ちなみに同じP44にインゲン豆の伝来について書かれています。明の僧隠元によってもたらされた「インゲン豆」~実は別種の「フジマメ」だったそうです。豆にも伝来の歴史があり、人々の往来・文化交流に伴うものであったことを学びました。
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