大牟田・オープンシャッター・サロン茶塘

商店街の活性化を目指して、大牟田市新栄町の空き店舗を改装、サロン茶塘が開設された。茶塘や商店街のイベントを紹介します。

考古学がより現代への警告

2024年03月07日 05時22分26秒 | 日記

土井ケ浜遺跡・人類学ミュージアム館長・松下孝幸さんの提言が掲載されていました。土井ケ浜遺跡(山口県下関市)は弥生時代の集団墓地だったはず。なにか新しい遺物が出てきたので
は?と思って見ますと、ちょっと違うようです。
 松下館長の追求は「私たち現代日本人はどのような経過を経て現代の顔・かたちを獲得したのだろか」にあるようです。
 「日本人のルーツを明らかにすることに興味と関心をいだき、古人骨の研究を始めて50年がたった」そうです。
 「この間、観察し研究した人骨は縄文時代から近代・現代まで長期にわたる約1万体」だそうです。「日本人の起源がどこまでさかのぼるか、だけではなく、このまま生活を続けていけば未来の日本人はどのような姿・かたちになるのか、予想するためにすべての時代の人骨資料を観察し、研究を続はけてきた。50年の調査と研究によって、ようやくその輪郭を捉えることができるようになった」そうです。〜「このままの生活を続けていけば未来は」どうなるのか?
 縄文時代、弥生時代、古墳時代、中世に至る中で注目されているのは上顎や下顎で、その「変化は咀嚼(そしゃく)能力の弱体化によっておきたと推測されている」ようです。
 「現代人は男女とも美形になってきたが、下顎の先端がとがり、下顎が小さくなって、ものを噛む力(咀嚼力)がさらに弱くなってしまっている」そうです。〜〈美形〉の咀嚼力!
 「咀嚼能力が弱体化すれば、唾液の分泌量が減少してしまう。唾液には脳の活性化を促すホルモンや成長ホルモンの分泌を促すホルモンなど重要な分泌物が多数含まれている」そうです。〜唾液は消化を助けるものとだけ思ってました。肩書きを見ますと、松下館長は医学博士でもありました。
 「骨はあらゆる環境の影響を受け、変化する。骨の健康を維持しヒトはがヒトとして健康であり続けるためには、ヒトを取り巻くあらゆる環境が良好でなければならない。とりわけヒトにとって最も重要なのは水と食料である。食料としての陸上資源と海産資源をより安全なものにして、両方をバランス良く摂取し、同時に咀嚼能力も鍛えていく必要がある」と結ばれています。〜考古学の裏付けによる考現学、はつとさせられる提言です。
(下:2024年2月25日 西日本新聞〈オピニオン)欄―松下孝幸・土井ケ浜遺跡・人類学ミュージアム館長「骨の健康保ち咀嚼能力鍛えよう 現代日本人への警告」より)


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