大牟田・オープンシャッター・サロン茶塘

商店街の活性化を目指して、大牟田市新栄町の空き店舗を改装、サロン茶塘が開設された。茶塘や商店街のイベントを紹介します。

「西村京太郎さんの異色作」

2023年08月29日 05時22分22秒 | 日記

西鉄電車が殺人事件の現場になった小説があるそうです。西日本新聞〈永田健の時代のななめ読み〉で紹介されていました。
 「トラベルミステリーで知られた作家の西村京太郎さんに『西日本鉄道殺人事件』(新潮社、2020年発行)という作品があることを九州の読者はご存じだろうか」と問われています。〜福岡のもんでも知らなかったです。
 「昨年3月に西村さんが91歳で亡くなった時、『九州が舞台の作品にはどんなのがあるのか』と探していて見つけた」とのことです。
 「作品のあらましはー。福岡から大牟田に向かう西鉄の特急電車の中で91歳の老人が殺される。老人はファンだった西鉄ライオンズゆかりの地を巡り、大牟田で乗り換えて鹿児島まで行く予定だった。なんのために鹿児島に行くつもりだったのか。捜査により、老人は太平洋戦争末期、陸軍少年飛行兵となり鹿児島の知覧基地に配属されていたことが分かった。終戦の2カ月前に特攻隊員として出撃する予定だったが、残された出撃隊員の名簿に彼の名前はなかった。出撃直前に何が起きていたのか。それが事件を解く鍵となる。ミステリーの筋をこれ以上紹介しない」とあります。〜続きは本で読みましょう。
 「(当時の)担当編集者だった新潮社の高澤恒夫さんによると、(中略)『西村先生と直接には戦争を話題にしたことはなかったが、陸軍幼年学校に在籍しておられたことは知っていたので、戦争をテーマにすること自体は不思議はなかった。ただすごく思い切った決断と感じた。それ程《戦争について書いておかなくちゃいけない》という思いを持っておられたのでしょう。』」と話されたそうです。
 「西村さんは1945年4月、エリート将校養成機関【東京陸軍幼年学校】に入校、そこで終戦をむかえた。軍の建前や精神論と現実との矛盾を見せつけられ、軍国主義への強い不信感を抱いたようだ」そうです。
 「西村さんは17年『15歳の戦争 陸軍幼年学校 〈最後の生徒〉』(集英社新書)という本を出し、自身の戦争体験をつづっ」てあるそうです。
 「西村さんは『戦争の中では、やたらに生が軽くなり、死が立派になってくる』と指摘」、「『私は、いつでも、生が死よりも、大事であって欲しい。戦争の中でも、生が、上にあって欲しいのだ』」と書かれているそうです。
 永田健さんは「あの時代をじかに知る老ベストセラー作家が最晩年に残した、私たち読者への遺言だと受け止める」と結ばれています。〜8月は6日、9日の原爆の日、大空襲の日、12日、15日、、と、人権も人命も自然も破壊する戦争について強く考えさせられます。そして現在、地球温暖化も進み、戦争自体が地球犯罪であることがますます明らかになって来たと思います。
(下:2023年8月13日 西日本新聞〈永田健(特別論説委員)の時代ななめ読み〉欄「西村京太郎さんの異色作」より)


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